DISC REVIEW
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00年代後半以降のスクリーモ~ポスト・ハードコア界隈における1つの雛形を作り上げ、後続のバンドに多大な影響を与え続けるTHE DEVIL WEARS PRADA。今年に入って、彼らにとっては古巣である名門レーベル"Rise Records"と再契約を果たし、リリースされたのが本作である。2010年リリースの『Zombie EP』以来のEP作品ということになるのだが、アートワークも含めて、コンセプチュアルな作品であり、宇宙的な深遠さを感じさせるサウンド・スケープが、統一感のある世界観を作り上げ、全6曲ながらも聴き応えのある作品に仕上がっている。ブルータリティの中に絡みついた繊細な祈りのごとき悲哀、叙情性が過去最高に際立っていることもまた、印象深い。 井上 光一