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LIVE REPORT

GARI

2016.07.20 @渋谷TSUTAYA O-WEST

吉羽 さおり

7月20日、約8ヶ月の活動休止期間を経たGARIが復活のワンマン・ライヴ"Runway Lights"を行なった。場所は、昨年11月に休止前最後のライヴを開催したTSUTAYA O-WEST。同じ場所から、空白のときを音で埋め尽くすように、カレイドスコープ的サウンドと破壊力のあるアッパーなビート、そして映像とで濃密な世界を描き出すライヴとなった。

2015年8月にリリースされた4年ぶり5作目のアルバム『stereoscope』の曲を中心に、1stアルバム『e・go・is・tick』(2005年リリース)から『stereoscope』へと続く全5作や、EPなどからも厳選し、新旧織り交ぜたセットリストで、1曲目の「SHAKEDOWN」のデジタルなノイズが会場を跋扈しフロントマン YOW-ROW(Vo/Prog)の"カモン!"の合図からフロアが一気に沸いていった。頭からエンジンは全開で、日下部圭(Dr)が生み出す的確でフィジカルな人力のダンス・ビートと藤本直樹(Ba)のヘヴィで、凄まじい馬力でフロアを奔放に駆け抜けていくようなベース、そしてダブル・ネックとスタンドの2本のギターを駆使して空気を操り空間を構築していく獨古豊(Gt)のイマジネイティヴなプレイが冴える。会場内の空気がグッと圧縮されていくような、濃いアンサンブルだ。序盤は、攻撃的でエフェクティヴな『stereoscope』のエレクトロ・サウンドと、『e・go・is・tick』の生々しくダイナミックなミクスチャー・ロック感とで、まずO-WESTのオーディエンスのテンションをマックスへと上げていくものだった。

"どうも、ようこそ"というYOW-ROWの短い挨拶とともに、そのままさらにハイパーなブレイクビーツで「go the DISTANCE」へ。そして多幸感のあるハンドクラップとカラフルな音色がマーブルに交じり合うダンス・チューン「Coming Up」、「PLAYBACKS」を容赦なく連投する。北欧発のメランコリーを帯びたメロディが冴え、ビートや音響のポリリズムとのハーモニーを奏でる「i NEED YOUR LOVE」は、上がり切ったフロアの温度をスッと柔らかにほぐし、美しく響き渡ったのもまた印象的だ。ひと呼吸つくように、爽快できらきらとした曲も披露すると、YOW-ROWが"お待たせしました。暑い中、しかもど平日に来てくれてありがとうございます"と語りかける。フロアの方々から、"おかえり"、"待ってたよ"という声があがる中、YOW-ROWは"久しぶりのライヴ。4人で楽しんでいこうと思っているので、その姿を(見て)楽しんでほしい"といい、"ここからさらにテンションを上げていくので、ついてきて"と付け加えた。

そんな、テンションの最高値をさらに引き上げていく後半戦は、ライヴのキラー・チューン「F・A・M・E」でスタートし、最新作『stereoscope』から超高速ビートでぶっちぎる「Serious Drive」へと続いていく。ステージからの轟音と、沸き起こる歓声とが衝突し入り混じった、興奮の瞬間がスリリングだ。またアゲる一方ではなく、藤本のジャジーなアップライト・ベースと獨古の心地よく洒脱なギター、タメの効いた日下部のドラムとで洒落たグルーヴを聴かせる「Dis-KOOL」のようなモダンなリズム&ブルースをも聴かせる。実に変幻自在なバンドである。またしっとりと大人の戯れを感じさせておいて、爆裂なパワー・チューン「Hey Now !」で改めてフロアを暴れさせてしまう。この引っ掻き回し続けるあまのじゃくさもまた、GARIというバンドらしさがある。

"今は新しいことをいろいろやっていきたい。新しい音源作りにも入っていて、まだいつ出せるかわからないけれど、期待して待っていてください"(YOW-ROW)。このMCのあとは、まだタイトルも決まっていないというできたてホヤホヤの新曲も披露した。かなりアグレッシヴで、ド迫力のロック・チューンとなっていたので、リリースを期待して待ちたいところだ。その後にプレイしたアルバム『Masked』(2006年リリース)から「X-TREME」のスタジアム感たっぷりの昂揚感ともシンクロして、改めてバンドとしての骨太さも味わえた新曲だった。ラストは、日下部のダイナミックなドラミングで締め括った、8ヶ月ぶりのGARI復活ライヴ。充実したアルバム『stereoscope』を作り上げ、デビュー10年を迎えた2015年に一旦はGARIの活動に終止符を打って、YOW-ROWはSCHAFTへ参加し作品を作り上げ、ツアーも行なった。またメンバーそれぞれでも音楽活動を行なっていた8ヶ月。活動休止を宣言したときは、それがどのくらいの期間におよぶのかは未知数だったが、意外にも早く再集結しこのステージへと帰って来た。SCHAFTへの参加が刺激になったのも、大きかったとは思う。そして改めて、それぞれがアイディアを持ち寄る場所としてのGARIの可能性を楽しみ、追求していく心づもりみたいなものができたのだろう。そういう良い休息を得た、そしてヒリヒリするような緊張感のあるバンド・アンサンブルが心地よい一夜だった。

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