INTERVIEW
GARI
2015.08.07UPDATE
2015年08月号掲載
Member:YOW-ROW(Vo/Prog)
Interviewer:荒金 良介
-GARIは1997年結成なので、活動歴も長いですよね。
僕らは結構立ち位置が中途半端で、ラウド/ミクスチャーという括りのど真ん中にいなくて。常に仲間はずれにされてきたバンドで、ちょっと小難しいバンドというイメージを持たれてましたね。まあ、それが自分たちのアイデンティティでもあったけど、意外と近場のバンドともやってない人が多くて。
-その活動スタンスはずっと変わりませんか?
こっちは全然ウェルカムだけど、扱いにくいというか。楽屋で偉そうに見えたことがあったみたいで、それはたまたま疲れていただけなんですけどね(笑)。だから、それからは楽屋でイスに深く座らないようにしてます。
-それだけではないと思いますが。
はははは(笑)。
-周りから扱いにくいバンドとされている自覚はありました?
何となく......いや、わかんない。勝手に思ってるだけかもしれない。バンドを始めたころはパンクやミクスチャーのシーンに染まりたいというか、その枠の中で勝ち負けするところに憧れはあったから、最初は嫌だったんですよ。
-疎外感はあったと。
あの、僕らは肉体的ではなくて、普段"何をやってるんですか?"と聞かれるようなバンドで。今でこそ酒も飲むけど、当時はまったく飲めなかったから。ああいう人たちは酒を飲んで、ワーッとやることを含めてバンドじゃないですか。俺らは打ち上げにも出なかった。
-ダメじゃないですか! いや、ダメではないけど。
別に出たくないわけじゃなく、酒が飲めないから、出れないなって。それを面白がってくれる人とは仲良くなれました。ウチはクソ真面目なミュージシャンばかりなので、急にハジける感じもダサいし、仕方ないなと。
-仕方ない(笑)。では、今作の話に移りたいのですが、ちょうど4年ぶりの作品ですね。まずここまで期間が空いた理由は?
前作、前々作がバンドにとって分岐点で、これまでと違うことをやろうと思い、ポップなことにトライしたんですよ。でもずっと同じことはやれないし、すぐに飽きてしまうんですよ。何のジャンルをやってるんですか?と聞かれても、実は自分たちでもあまりきちんと設定してなくて。ざっくり言えばミクスチャーだけど、根本的なミクスチャーのスタイルってあるじゃないですか。
-例えばどのへんですか?
僕らの世代だと、RED HOT CHILI PEPPERSからLINKIN PARKまでになるのかな。いわゆるファンキーなロックにラップが乗ったり、ヘヴィなギターにターンテーブルが入るスタイルまでが俺の中でのミクスチャーで、世代的にそのへんがエッジーでしたからね。だけど、それをずっとやろうと思って、バンドを続けてきたわけじゃない。新しいムーヴメントが起きるとそれに食いつきたいし、ロック・バンドだけどそれもやれるよ、というのを示せるバンドでいたくて。今出してる音は4年前からやりたかったことで、表現するのに時間がかかっただけなんですよ。ドラムンベース、ダブステップの要素とロックバンドの融合みたいな。それはGARIとして食いつかなきゃいけないなと。その表現力が身についた4年間ですね。会社的には4年でアルバム1枚作ってどうするんだと言われそうだけど(笑)。
-レコード会社は大変ですね。
ビジネス頭がなくなったから、周りは大変でしょうね。それなら納得いくものを出さないと、周りに対しても説得力がないし、今はいいタイミングだったかもしれない。
-今作も様々なジャンルを取り入れてますが、シャープなナイフで突き刺すような超アグレッシヴな作風ですね。最初にアルバム像はありました?
僕がそもそも生のロック・バンドとダンス・ミュージックを両立した音楽をやってきたんです。今回はわかりやすく言うと、ロック・バンドのリミックスを自分でやったみたいなノリですね。歌と生演奏でできた曲をまたぐちゃぐちゃにして作ったという。KORNをリミックスしたSKRILLEXとか、ああいう質感ですね。あれはダンス・ミュージックを作っている人では辿り着けないし、ロック・バンドだけではああならないし、そういう雰囲気を人に頼むのではなく、両方の手間を自分でやりたかったんですよ。あんなにバキバキな音が飛んでるけど、実は普通にアコースティックを弾きながらメロディを作った曲もあるんです。