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INTERVIEW

AMON AMARTH

2011.04.07UPDATE

2011年04月号掲載

AMON AMARTH

Member:Johan Hegg(Vo)

Interviewer:米沢 彰

-通算8枚目となるニュー・アルバム『Surtur Rising』の完成おめでとうございます。完成しての感想を教えて下さい。

素晴らしい気分だね。最高のアルバムを完成させることができたと思っているよ。

-Surtur(スルト)というのは北欧神話の巨人の名前ですね?今回のアルバムのコンセプトやタイトルに込められた意味を教えて下さい。

そうだね。でもアルバムに収録されている曲全体を通したコンセプトは特にないんだ。北欧神話では世紀末のことを「ラグナロク」と言うんだけど、アルバム・タイトルはその時に現れるスルトと、そのアサ神たちに向かっていく様子を表している。アサ神のフレイはスルトと対決、フレイはスルトに敗北し、殺されるが、それと同時にフレイはスルトを殺すことにも成功するんだ。

-『Surtur Rising』を拝聴しましたが、最新のメタルコアの要素を取り込み、かなり現代的に進化したように感じられました。THE HAUNTEDなどいわゆる北欧系のメロディック・デスメタル・バンドが方向性をメタルコア寄りにシフトするなどシーン全体の潮流も感じられますが、あなた方自身、今作でのサウンドの方向性は意識して制作したのでしょうか?

もし君がそう感じたなら、それを否定することはできないだろうね。つまり、こういうことは主観的なものだからさ。リスナーが聴くものがリアルなものなんだ。だから俺たちがリスナーにどう聴いて欲しいかを押し付けるものではないと考えてる。でも、俺たちの中にそういう主旨は無かったよ。プロデューサーのJens Bogrenと、今回のアルバムのサウンドをどんな風にしようかっていう話し合いを最初にしたんだけど、そこでコンセプトとして合意したのは、今までより更にアグレッシヴで、怒りに満ちたサウンドに作り上げるということだったんだ。他のバンドがやっていることは北欧のバンドであれ何であれ、彼らは彼らということで特に関知していないよ。

-海外では、モチーフとなっている“Surtur”のフィギュア付きの特別盤もリリースされると聞いていますが、フィギュアをリリースするに至った経緯を教えて下さい。

フィギュア付きの限定盤がどのくらい作られたかは覚えてないんだけど、このアイディアはオマケに何をつけようかという話になった時に出たもので、カバーもできあがっていたから、それを見てTed(Ba)が思いついたんだよね。彼が“スルトはフィギュアにするには最適だよね”って言って、メンバー全員そう思って決まったんだ。

-AMON AMARTHのサウンドはバイキング・メタルの要素を色濃く持ち、神話や戦いのイメージを持った強烈な世界観を作り上げていますね?この世界観は日本人にはあまり馴染みがない独特の世界観なのですが、北欧では共有されている世界観なのでしょうか?

バイキングや北欧神話がどのくらい一般的なのかは確かじゃないけど、段々と注目を集め始めているのは確かだよ。バイキングや北欧神話には色々なミステリーが隠されているから、それが人々の興味を引くんだと思う。

-あなた方の世界観をフォローアップするのに分かりやすい本や映画があったら教えて下さい。

面白い本や勉強になる本は結構たくさんあるんだ。でも映画とかはあまり勧められる物が無いね。でもアイスランドの監督Hrafn Gunnlaugssonが制作した映画は凄く良いよ。1つは「Revenge of the Barbarians」という英語タイトルで原題は「Hrafninn Flygur」。意味は「カラスは飛ぶ」。もう1つの映画は「Iskugga hrafnsins」と言って、意味は「カラスの影」というものだ。本については「Njals Saga」「Egil Skallagrimssons Saga」がオススメだ。もちろん「エッダ(※北欧神話の原典)」もね。これらの本は12世紀に書かれたものなんだけど、スウェーデン人作家のFrans G. Bengtssonが「The Long Ships」という本を1941年に書いている。これはオルムという名前のバイキングに関する物語なんだ。

-バイキング・メタルの世界観をバンドの中心に据えた時の経緯を教えて下さい。

これは俺たちが最初に“こうしよう”と言ってスタートさせたわけではなかったんだ。自然にそうなったんだよね。俺は最初、色んな内容の詞を書いてみたんだが、バイキングにインスパイアされたものを書いた時に、自分たちが作ろうと思っている音楽の世界観に凄くマッチしていると感じたんだ。それ以来そのコンセプトをキープしている。

-今回、日本盤のみのボーナス・トラックとしてKISSの「War Machine」をカバーされていますが、これはどういった経緯があったのですか?

日本盤には何か特別なものを追加しようと思っていて、どうしようかと考えていた時に浮かんだアイディアがカバー曲を収録することだったんだ。なぜ「War Machine」を選曲したかというと、俺たちメンバー全員が随分若い頃からKISSのファンだったし、この曲は特に自分たちのバージョンにしやすかったからなんだよね。