
-初めまして!激ロックと申します。インタビュー宜しくお願い致します!
まずはTHE DEATH SETというバンド名の意味や由来を教えてください。
そんなに深い意味があるわけじゃないんだ。恐い響きの名前にしておいて、でも音を聴くと全然恐くないっていう感じにしたかったんだよ。例えばSetって単語は、ギャングがよく使うんだけど、実際にライヴを見ると、背の小さい俺が歌ってる、みたいにね。
-そもそもはオーストラリアで結成されたバンドということですが、THE DEATH SETを結成した経緯を教えてください。
うん、オーストラリアでパンクロックバンドをやってたんだ。The Death SetのオリジナルメンバーでもあるBeau Velascoと一緒に始めたBlack Pandaって名前の4ピースバンドなんだけど、持ち歌が2曲でライヴも5分くらいだったのに楽器を壊したりしてたんだ(笑)それからエレクトロニックミュージックを作るようになって、いつの間にか今のThe Death Setになっていったって感じ。パンクロックの要素がまた強くなったのはライヴをやるようになってからだね。
-オーストラリアのロックシーンにおいてTHE DEATH SETのような音楽は、かなり珍しいのではないでしょうか?私は何の情報もないまま音を聴いた時、NYのバンドではないかと思ったのですが、実際にあなた達は、アメリカのボルチモアとNYでライヴを盛んに行っているようですね。
何故オーストラリアを離れ、ボルチモアとNYという都市を軸にライヴを行うことになったのでしょうか?
オーストラリアを離れた一番の理由は、とにかくツアーをしたかったからなんだ。オーストラリアでは数カ所しかまわる場所がないんだよ。アメリカのバンドの友達が30とか40箇所をまわってるいるのを知ってアメリカに行こうって思ったんだ。ツアーをすると、オーディエンスのリアクションを直接感じることができて、そこから自分達のサウンドをもっと進化させることができる。オーディエンスをクレイジーにさせるにはどうしたらいいんだろうって常に考えなきゃいけないからね。
アメリカに移って、まずブルックリンに住んだんだけど、お金がなかったから、ただ働いてるってだけで、目的だった音楽もほとんど手がつけられない状態になってしまったんだ。それと俺達の最初のEPをリリースした
ボルチモアに移って最初に見たウェアハウスがすごくクレイジーで印象的だった。それにブルックリンに比べると物価が安いし、音楽シーンやバンドのコミュニティもすごく面白そうだった。
ボルチモアとNYを比べると、ボルチモアの方がよりリラックスした雰囲気があるかな。NYは大都会だからね。ファッショナブルでクールな人達が集まってる。ボルチモアのキッズはクールでいることにそんなに執着してないんだ。ボルチモアのライヴに集まるキッズは本当にクレイジーではっちゃけてる。見た目を気にしたりしないんだよ。もちろんどのライヴに来てくれるファンも素晴らしい奴らだし、NYでもすごくいいライヴができたと思うけど、どちらかと言えばボルチモアのリラックスした感じの方が好きかな。
-アルバム「WORLDWIDE」を聴かせてもらいました。アバンギャルドで、自由な発想と遊び心に溢れた、ユニークで、シニカルで、エネルギッシュな作品ですよね。
全て聴き終わった後、まるで"やり逃げ"されたかのような感覚がありつつも、全く不快感のない爽快さまでを感じたという、とても珍しい音楽体験をさせてもらいました!
ありがとう。そういうリアクションは今までにもけっこうあったよ。
興味深いのは、ヨーロッパではもっとライヴを長く見たいっていう人達がいるのに対して、アメリカでは短くてあっという間に燃え尽きるようなライヴを好む人が多いってことなんだ。俺がライヴを見るときは「もっと見たい」って思ってるうちに終わってほしいって思う。だから個人的には短いほうがいいと思ってるんだ。来てくれるキッズにしても「もう十分だ」って思ってしまうより、「もっと見たい」って思ってるうちに帰る方がいいんじゃないんかな。
-「WORLDWIDE」というアルバムタイトルにはどのような意味が込められているのでしょうか?
アートワークに使ってる虎のマークがあるんだけど、あれはギャングのチームのマークを意識したデザインなんだ。ギャングのマークってたいてい下にチームの名前と拠点とする地名がつくんだよね。それで俺達の場合、一体どこから出てきたバンドって言えるだろうって考えてみたんだけど、最初はオーストラリアで始まって、ブルックリン、ボルチモアって移ったから、拠点となる場所がわかんなくってさ。それなら俺達は世界を拠点に活動してるって考えることにしたんだ。だから『ワールドワイド』なんだよ。
-THE DEATH SETの曲は、一見破天候で単純なものが多いと思われるかもしれませんが、ひとつひとつの曲には、聴いた人の印象に必ず残る部分があり、実は緻密に計算された、確信犯的なセンスを感じる曲ばかりだなと思いました。
実際に、あなた達はどのようなプロセスで曲作りをしているのでしょうか?
そして、曲作りにおいて大事にしていることなどがあったら教えてください。
たいてい二つのプロセスのどちらかなんだ。ギターで曲を書いてから詩をのせたりバッキングトラックを付け加えるっていうどちらかと言えばノーマルな方法と、ダンストラックを作るように、コンピュータでいろいろ遊びながらトラックをつくって、それをベースに全体を作っていくっていうパターンの二つ。
簡単に言ったらパンク的なアプローチかダンスミュージック的なアプローチかってことかな。
俺が特に好きなのはシンプルなレイヤーをたくさん重ねていくって方法なんだ。Buzzcocksみたいなシンプルでメロディックなパンクが好きなんだ。特にソロなんか最高だよね。2つの音階しかなかったりするところが大好きなんだ。
俺達の音楽に関しては、シンプルなフレーズがいくつも重なったレイヤーをポップなフォーマットにアレンジしてるって感じに説明できると思う。すべてのパートでレイヤーを重ねてるんだ。ヴォーカルも複数のレイヤーで構成されてるし、ギターのパートもそうだしね。
-あなた達の音楽的ルーツの幅広さがとてもよく伝わってくる作品ですよね。
あくまで例えばですが、BUZZCOCKSと、RAMONESと、THE STROKESと、TOY DOLLSと、DISCHARGEと、THE HIVESと、LE TIGREと、パンクロックを通過した初期のBEASTIE BOYSとが一同に介して、パーティーをしながらアルバムを作ったかのような、いい意味でカオスな多彩性にびっくりしました!
実際にあなた達は、どのようなアーティストから影響を受けてきているのでしょうか?
(BUZZCOCKS、RAMONESにはいいリアクション、THE STROKESには「うーん、まあ作品がシンプルなとこは好きだけど、バンド自体はそんなに好きでもないかな」Toy Dollsには「それ知らないや」、Dischargeには「ちょっと俺にはヘヴィー過ぎるかな」、The Hivesには「古いレコードは持ってるんだけど、今はそんなに興味ないかな。もちろんいいバンドだとは思うし、好きだよ」、Le Tigreには「うーん、でも2ndアルバムはクソだったと思うよ(笑)Le TigreのスタイルやKathleen Hannaは好きなんだけどさ。でもBikini Killの方が好きかな」、Beastie Boysには、「最高だよ!」)
はは(笑)その表現好きだな。実は特定のアーティストにすごく影響を受けてるってことはないんだ。強いて言うなら、地べたや床とか、ステージのないところでライヴをやるバンドかな。そういうライヴを撮ったビデオを見たことがあってそれには影響を受けたと思う。
-THE DEATH SETの曲は基本的にとても短く、多くのポップソングに用いられる様式的手法(一曲3分前後、Aメロ~Bメロ~サビ・・・のような)にとらわれておらず、よくあるポップソングとは一味も二味も違った、"ありきたり"とは正反対な曲ばかりになっていますよね。
THE DEATH SETのアチチュードには、"ありきたりなポップソング"
に対する皮肉や批判性が根本にあると考えてもいいのでしょうか?
うーん、自分達の音楽が典型的なものと違ってるのは、短くてよりダイレクトな曲を作りたいっていうアイディアがあるからだと思う。余計なものを足す必要をまったく感じないんだ。例えばブリッジを足したりとかね。それはとにかくリスナーからエネルギーを引き出すような作品にしたいっていう単純な思いからなんだ。2?5分も続くギターソロじゃクレイジーにはなれないよ。LAのハードコアなんかもすごくシンプルな構成だと思う。あと個人的にも短い曲の方が好きだしね。
実を言えば、テレビもラジオも持ってないから、ポップソング自体あまり聴くことがないんだ。だから特に意識してないよ。
-CDジャケットやTシャツのデザインなど、アートワークが凄くかっこいいですよね!
アートワークに対するこだわりなどがあったら教えてください。
ちなみにデザインは誰がしているのでしょうか?
一つのデザインの中に正反対の二つの要素を取り入れたいって思ってるんだ。ちょっと恐い感じのイラストと、どこかくだらなくてかわいらしい色や模様を組み合わせるとかね。
デザインをしてくれてるのはDouble DaggerのメンバーでもあるNolen Stralsだよ。彼の作品はどれも大好きなんだ。だから彼ならすごくかっこいいデザインをやってくれるってわかるんだよ。
-THE DEATH SETはリミックスにも力を入れていますよね。オフィシャルサイトには「あなたのリミックスを待ってます!」という文があり、アカペラバージョンがダウンロード出来るようにもなっていますが、そこまで精力的にリミックスを求めるのは何故なのでしょうか?
最初にツアーでアメリカをまわったときに、Spank Rockのリミックストラックを聴いたんだ。Spank Rockが注目される前の話だよ。それがすごく衝撃的だった。リミックスをしてもらうことって、よりいろんな人達に自分の音楽を広めることができるっていうシンプルなアイディアでもあると思うんだ。それに俺達はパンクロックバンドでありたいと同時に、エレクトロニックバンドでもありたいって思ってる。例えばダンストラックの12"にはオリジナルトラックとリミックスが入ってるだろ?パンクロックとしては変かもしれないけど、こういうアプローチもクールだと思うんだ。
-あなた達の好きなアーティストの曲のリミックスの中で、特に好きな曲をいくつか教えてください。
Bonde De Roleのリミックスが好きだね。このツアーでドラムをやってくれてるDan WalkerはNinelives the Catって名前でダンス・プロジェクトやってるんだけど、彼がやってくれたリミックスもいいよ。
-今後、THE DEATH SETのリミックスを手掛けて欲しいと思うアーティストがいたら教えてください。
Diploがやってくれたらすごいな!
-THE DEATH SETの音楽はパンクロックが基盤ですが、BONDE DO ROLEにしろ、SPANK ROCKにしろ、GIRL TALKにしろ、あなた達の周りにはひねりのある革新的なビートを鳴らしている、いわゆるパンクロックというジャンルではないフィールドにいるアーティストも多いですよね。
リズムに対するこだわりがあり、一筋縄ではいかない個性的な音楽をやっているという点においては、THE DEATH SETと共通しているアーティスト達だとは思いますが、あなた達はこのような異ジャンルのアーティストと共演することについて、どのような面白さを感じているのでしょうか?
最高だよ。最初はGirl Talkみたいなストレートなダンスミュージックをやるバンドと共演するのは少し恐かったんだ。だけどこれまでにやってきたライヴはすべて素晴らしいものになった。パンクロックバンドがダンスミュージックのファンに受け入れられることっていいことだと思う。実際俺達もパンクロックよりもいろんな要素が織り混ざったエレクトロニックミュージックにより大きな影響を受けたと思うんだ。
-また、今後どのようなアーティストと共演してみたいと思いますか?
今友達と一緒にツアーをしたりライヴをしたりしていることに十分満足してるし、楽しめてるからなかなか思い浮かばないな。例えば有名なバンドのツアーにサポートで参加したいなんて思わないしさ。友達と楽しくライヴをずっと続けたいよ。もちろんこれからもいろんなバンドと会ってみたいけど、今一緒にライヴをやってる友達とはずっと関係を続けたいんだ。彼らはすごく才能があるからね。
-逆に、全く興味がない、共演しても無意味だとしか思えないようなアーティストがいたら教えてください。(固有名詞でなくても結構です。)
誰かを嫌ってるってことはないよ。だけど例えばオーストラリア出身だからってJetとかと共演っていうことは考えたくないね。
-現在のロックシーンにおいて、THE DEATH SETと近い感性を持つ、シンパシーを感じるアーティストがいたら教えてください。
やっぱりブルックリンとボルチモアの友達だね。ブルックリンのMatt and KimやParts & Labor、NinjasonikやボルチモアのPonytailやEcstatic Sunshine、Double Dagger。すごくいいコミュニティなんだ。
-今あなた達の所属するBEATINK RECORDSからは、ALEC EMPIREやBATTLESやPREFUSE 73など、個性的で革新的なアーティストの作品がたくさんリリースされていますよね。
BEATINK RECORDSについての印象はいかがですか?
そういうアーティスト達と一緒のレーベルに関われるっていうのはうれしいよ。Prefuse 73はすごく好きなんだ。彼はMPCを使い始めた頃の俺にとってのヒーローだよ。
-日本ではカリスマ的存在のAUDIO ACTIVEやDRY & HEAVYなども所属していますが、聴いたことはありますか?また、日本のアーティストに影響を受けたことはありますか?
AUDIO ACTIVEとDRY & HEAVYはちょっとわかんないなぁ。Polysicsだっけ?数曲聴いただけなんだけど、けっこうかっこいいって思ったよ。それにMelt Bananaはすごいよね。あとHi-Standardを聴いていた時期もあるよ。DJ Krushもかな。俺が作るビートにはDJ Krushの影響があるかもしれない。
-アルバムを聴いたら、絶対にライヴが見たいと思いました!
ご自分達では、THE DEATH SETのライヴの魅力というのは、どのようなところにあると思いますか?
クレイジーで勢いがベースになってるってことかな。
-これから欧州を廻るツアーに出られるようですが、日本にも来る予定はありますか?
是非そうしたいって考えてるよ。日本のバンドともツアーをしてみたいな。
-最後に、ファンへのメッセージと、まだTHE DEATH SETを知らない人たちへのメッセージをお願いします!
See you soon!
- ありがとうございました。来日する日が訪れるのを楽しみにしています!
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