INTERVIEW
THE DEATH SET
2008.03.04UPDATE
Member:Johnny Siera (song writing / production / guitar / vocal)
Interviewer:KAORU
-THE DEATH SETの曲は、一見破天候で単純なものが多いと思われるかもしれませんが、ひとつひとつの曲には、聴いた人の印象に必ず残る部分があり、実は緻密に計算された、確信犯的なセンスを感じる曲ばかりだなと思いました。
実際に、あなた達はどのようなプロセスで曲作りをしているのでしょうか?
そして、曲作りにおいて大事にしていることなどがあったら教えてください。
たいてい二つのプロセスのどちらかなんだ。ギターで曲を書いてから詩をのせたりバッキングトラックを付け加えるっていうどちらかと言えばノーマルな方法と、ダンストラックを作るように、コンピュータでいろいろ遊びながらトラックをつくって、それをベースに全体を作っていくっていうパターンの二つ。
簡単に言ったらパンク的なアプローチかダンスミュージック的なアプローチかってことかな。
俺が特に好きなのはシンプルなレイヤーをたくさん重ねていくって方法なんだ。Buzzcocksみたいなシンプルでメロディックなパンクが好きなんだ。特にソロなんか最高だよね。2つの音階しかなかったりするところが大好きなんだ。
俺達の音楽に関しては、シンプルなフレーズがいくつも重なったレイヤーをポップなフォーマットにアレンジしてるって感じに説明できると思う。すべてのパートでレイヤーを重ねてるんだ。ヴォーカルも複数のレイヤーで構成されてるし、ギターのパートもそうだしね。
-あなた達の音楽的ルーツの幅広さがとてもよく伝わってくる作品ですよね。
あくまで例えばですが、BUZZCOCKSと、RAMONESと、THE STROKESと、TOY DOLLSと、DISCHARGEと、THE HIVESと、LE TIGREと、パンクロックを通過した初期のBEASTIE BOYSとが一同に介して、パーティーをしながらアルバムを作ったかのような、いい意味でカオスな多彩性にびっくりしました!
実際にあなた達は、どのようなアーティストから影響を受けてきているのでしょうか?
(BUZZCOCKS、RAMONESにはいいリアクション、THE STROKESには「うーん、まあ作品がシンプルなとこは好きだけど、バンド自体はそんなに好きでもないかな」Toy Dollsには「それ知らないや」、Dischargeには「ちょっと俺にはヘヴィー過ぎるかな」、The Hivesには「古いレコードは持ってるんだけど、今はそんなに興味ないかな。もちろんいいバンドだとは思うし、好きだよ」、Le Tigreには「うーん、でも2ndアルバムはクソだったと思うよ(笑)Le TigreのスタイルやKathleen Hannaは好きなんだけどさ。でもBikini Killの方が好きかな」、Beastie Boysには、「最高だよ!」)
はは(笑)その表現好きだな。実は特定のアーティストにすごく影響を受けてるってことはないんだ。強いて言うなら、地べたや床とか、ステージのないところでライヴをやるバンドかな。そういうライヴを撮ったビデオを見たことがあってそれには影響を受けたと思う。
-THE DEATH SETの曲は基本的にとても短く、多くのポップソングに用いられる様式的手法(一曲3分前後、Aメロ~Bメロ~サビ・・・のような)にとらわれておらず、よくあるポップソングとは一味も二味も違った、"ありきたり"とは正反対な曲ばかりになっていますよね。
THE DEATH SETのアチチュードには、"ありきたりなポップソング"
に対する皮肉や批判性が根本にあると考えてもいいのでしょうか?
うーん、自分達の音楽が典型的なものと違ってるのは、短くてよりダイレクトな曲を作りたいっていうアイディアがあるからだと思う。余計なものを足す必要をまったく感じないんだ。例えばブリッジを足したりとかね。それはとにかくリスナーからエネルギーを引き出すような作品にしたいっていう単純な思いからなんだ。2?5分も続くギターソロじゃクレイジーにはなれないよ。LAのハードコアなんかもすごくシンプルな構成だと思う。あと個人的にも短い曲の方が好きだしね。
実を言えば、テレビもラジオも持ってないから、ポップソング自体あまり聴くことがないんだ。だから特に意識してないよ。
-CDジャケットやTシャツのデザインなど、アートワークが凄くかっこいいですよね!
アートワークに対するこだわりなどがあったら教えてください。
ちなみにデザインは誰がしているのでしょうか?
一つのデザインの中に正反対の二つの要素を取り入れたいって思ってるんだ。ちょっと恐い感じのイラストと、どこかくだらなくてかわいらしい色や模様を組み合わせるとかね。
デザインをしてくれてるのはDouble DaggerのメンバーでもあるNolen Stralsだよ。彼の作品はどれも大好きなんだ。だから彼ならすごくかっこいいデザインをやってくれるってわかるんだよ。
-THE DEATH SETはリミックスにも力を入れていますよね。オフィシャルサイトには「あなたのリミックスを待ってます!」という文があり、アカペラバージョンがダウンロード出来るようにもなっていますが、そこまで精力的にリミックスを求めるのは何故なのでしょうか?
最初にツアーでアメリカをまわったときに、Spank Rockのリミックストラックを聴いたんだ。Spank Rockが注目される前の話だよ。それがすごく衝撃的だった。リミックスをしてもらうことって、よりいろんな人達に自分の音楽を広めることができるっていうシンプルなアイディアでもあると思うんだ。それに俺達はパンクロックバンドでありたいと同時に、エレクトロニックバンドでもありたいって思ってる。例えばダンストラックの12"にはオリジナルトラックとリミックスが入ってるだろ?パンクロックとしては変かもしれないけど、こういうアプローチもクールだと思うんだ。