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LIVE REPORT

East Of Eden

2025.03.20 @Zepp DiverCity(TOKYO)

Writer : サイトウ マサヒロ Photographer:Ryoichi

East Of Edenが東名阪のZepp会場を巡る、"East Of Eden Spring Tour 2025 〜 Seeds Of Hope 〜"を開催。本記事では東京公演2日目、国内での最終公演とされていたZepp DiverCity(TOKYO)でのライヴの模様をレポートする。

昨年12月24日にMINA(Ba)の加入を発表し、レーベル移籍を経て新体制で再始動したEast Of Eden。MINAのお披露目となる本ツアーを前にリリースされた1stフル・アルバム『The First Eden - Seeds Of Hope』は、オーセンティックな色合いも感じさせていた過去作から、さらにスタイリッシュに洗練されたキラーチューン揃いの一作だった。ライヴを強く意識したという同作の楽曲がどのように奏でられるのか、胸を躍らせながら会場へ向かう。

この日のライヴは、残念ながらMINAが体調不良のため出演を見合わせることに。EOE(East Of Eden)に新たな風を吹かせた彼女の活躍を目撃できなかったのは実に惜しかったものの、結論から言えば、彼女の穴をカバーする4人の気迫と、試練を乗り越え成長するバンドの姿を目撃できる充実した公演だった。

開演時間を迎えたフロアでは、オーディエンスの手首でLEDバングルが輝く。悲哀の底から天へと昇っていくようなAyasaのヴァイオリンが鳴り響き、新体制の幕開けを告げた1曲「Shooting Star」からライヴはスタート。湊 あかねの歌声は、迷いも不安も吹き飛ばすパワーに満ちる。

Ayasaが"楽園へようこそ!"と告げると、2曲目の「Chasing The Moon」からは鮮やかなレーザー光線が放たれる。ステージは各メンバーの足元まで確認できる階段状に組み上げられており、照明演出の絢爛さも相まって、耳だけではなく目でも楽しめる極上のエンターテイメント空間と化していた。MINAのポジションには2本のベースが置かれており、湊は間奏でそのネックをそっと握りしめる。

3曲を立て続けに披露した後、AyasaはMINAの不在について改めて報告。なんと今日は、前日のライヴでレコーディングされていたMINAの演奏を、同期音源として再生し演奏するという(!)。"昨日のMINAちゃんと一緒に、「爆アゲ、ぶちかま」でやっていきます!"と意気込み、続く「Doesn't Matter」では、湊がレクチャーした振りを通してフロアが一体に。漲る気合がハピネスに昇華されていく。

イントロで歓喜の声が上がったプログレ・ポップな「無重力飛行」、四つ打ちのビートに身体が揺れる「This Moment」と、メジャー1stミニ・アルバム『Forbidden Fruit -1st piece-』の収録曲を立て続けに演奏し、客席の温度は高まっていくばかりだ。AyasaとYuki(Gt)のツイン・リードとも言えるEOEならではのアンサンブルは、時に流麗に、時に激情的に七色の音世界を彩る。

中盤には、最新作『The First Eden - Seeds Of Hope』で獲得した新たな武器をプレゼンテーション。パワー・バラード「I don't say goodbye」は和やかなグッズ紹介から空気を一変させ、速さや激しさだけではない豊かな表現力に誰もが感嘆させられたのではないだろうか。そのムードはミドル・チューン「Don't Look Back」に連鎖する。MIZUKI(Dr)の大地を鷲掴みにするような力強いビートをはじめ、手数を絞っても失われない4人のエナジーはさすがと言うほかない。

MIZUKIがサンプリング・パッドの音声と照明を連動させた、ユニークなソロを披露したインスト曲「Yellow Card」、ファルセットを織り交ぜた歌唱で会場を包み込んだ「Noise-Canceling」を挟んで、ライヴは終盤戦へ。ツアー各地での忘れ物やSNSでの誤字脱字等、"ポンコツエピソード"を発表するMCの直後に、丸山 漠(a crowd of rebellion/Gt)作の複雑&暴虐なメタルコア・チューン「Darkside Lotus」を大迫力でこなしてみせる彼女たちのギャップは、もはや笑いが込み上げてくる程に強烈だ。

「Breaker」、「Red Line」とストレートでアグレッシヴな楽曲の連打に、ボルテージは青天井。MIZUKIは頭を振り乱し、舞い踊るようなAyasaが構える弓はフロアを司るタクトに変わる。現在妊娠中ということもありアクションが制限されているであろうYukiも、プレイの端々から熱量が滲んでいるように感じられた。

「花美」で湊が、"声が足りない!"とコール・アンド・レスポンスを煽り立て、オーディエンスも、"完全燃焼こそセオリー"という歌詞に呼応するかのようにヒートアップする。そして辿り着いた本編ラストは、East Of Edenとして生きていく覚悟を高らかに歌うステートメント「IKIZAMA」。全力でぶつかり合った会場の全員がシンガロングを通じて1つになる、圧巻のクライマックスだった。

繰り返される"EOE!"の声に応えて再登場した4人は、切迫感のあるハイトーン・ヴォイスとロング・トーンが印象的な「CROSS∞ROADS」で、ライヴを再開させる。と、ここでこの日に誕生日を迎えた湊へのサプライズが。MIZUKIがステージ後方から巨大なバースデー・ケーキを抱え、AyasaとYukiが生演奏で「Happy Birthday To You」を奏でると、湊はツアーでの緊張の糸が解けたこともあってか声を詰まらせる(そして、なぜかMIZUKIもつられて涙を浮かべる)。今後の抱負を問われると、"やっぱり、(日本)武道館に行きたいよね"と力強く語った。

そして、さらなるサプライズはファンに向けてのものだ。4月8日に急遽"本当のツアー・ファイナル"となるKT Zepp Yokohamaでのワンマン・ライヴを開催することが発表され、場内は驚きと喜びに包まれた。"短かったけれど、ぎゅっと詰まったツアーだった"(Yuki)、"このメンバーとだったら、楽しいことはもちろん、大変なことも乗り越えていけるんじゃないかなと感じたツアーでした"(Ayasa)とそれぞれの言葉で振り返り、最後にEOEの軌跡の第一歩となった楽曲「Evolve」を駆け抜け原点を再確認。マイクを通さずに"ありがとうございました!"と長い礼をするメンバーに、鳴り止むことのない拍手が送られた。

最新作『The First Eden - Seeds Of Hope』全曲を披露し、バンドの骨格を形作ってきた楽曲を織り交ぜながら、これまでの歩みとこれからのヴィジョンを接続した一夜。MINAの存在感と必要性を浮かび上がらせつつも、困難に屈しない4人の笑顔は実に頼もしかった。3月29日には初の海外公演となる上海公演も開催されるが、彼女たちの音楽が言語や文化の壁を乗り越えられるパワーを持っていることは確信できる。完全体のEast Of Edenがどこまで羽ばたくのか、想像と期待が膨らんでやまない。

※写真:3月19日撮影 Zepp DiverCity(TOKYO)

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