LIVE REPORT
LOW IQ 01
2017.07.11 @赤坂BLITZ
Writer 荒金 良介
ライヴを観ていると、自然と笑みが零れてくる。明るい気持ちになってくる。この感覚は久しぶりかもしれない。LOW IQ 01の7thアルバム『Stories Noticed』レコ発ツアー東名阪3デイズの初日は、LOW IQ 01 & MASTER LOW名義で開催。暗転すると、いつもどおりビシッと決めたイッちゃん(LOW IQ 01)がステージ中央に立ち、それを取り囲む形でTGMX(Gt/Cho/Tp)、TDC(Dr)、KENZI(Gt/Cho)、MURATA SHIGE(Ba)、CHABE(Per)、NARI(Sax/Cho)とサポート・メンバー6人がずらっと並ぶ。「Luster」で始まると、イッちゃんはハンドマイクで踊りながら歌う場面もあり、その姿に観客は早くも盛り上がる。それからヘヴィなリフが特徴的な2曲目「Snowman」に突入すると、途中でなんとTOSHI-LOW(BRAHMAN/OAU)が飛び入り! BRAHMANではちょっと見れないリラックスした表情でコーラスに参加し、後半はイッちゃんの腕を掴んでふたりでクルクルと回る様にMASTER LOWのメンバーもニヤニヤ顔で笑っていた。続いて「Hangover Weekend」、「Inconstant」とアイリッシュ調のナンバーで観客の熱は一気に加速し、フロアも大沸騰。パンキッシュな疾走感にシビれる「Hold Your Head Up」を挟み、イントロが響いた瞬間に観客も即座に反応――そう、SUPER STUPIDの「WHAT'S BORDERLESS?」がここで炸裂。モッシュ、サーフが続出するなかで、何よりイッちゃんがノリノリでステージを動き回り、歌う様子に耳目を奪われた。この瞬間を、自らの音楽人生を、心底楽しんでいるように映った。BRAHMAN主催の"尽未来際 ~尽未来祭~"でSUPER STUPIDが復活したことは周知のとおりだが、今のイッちゃんは目の前の霧が晴れたようにポジティヴな空気を放出している。
ささくれ立ったザクザクのリフで攻める「39-46497」、ロカビリー調の「1958」もライヴで抜群の映えっぷり。"どう? 初めて観た人、かっこいいでしょ?"とMCを挟み、「MI-O-TO-SHI」へ。日本語詞でストレートに歌い上げ、人懐こいメロディを存分に振りまき、会場もさらにヒートアップ! さらに同じく日本語詞で綴られた「青い鳥」の切なくも力強い歌メロは秀逸で、ラストの"なきゃ 分け合おう"の歌詞が胸に沁みた。
TDCの躍動感漲るドラムで始まる「Delusions of Grandeur」を経て、「So Easy」に入ると、フロアには肩を組んで回る観客の輪がふたつできあがり、ピースフルな空気が広がる。すると、上手のステージ袖に見覚えのある顔が――HUSKING BEEの磯部正文がひっそりとコーラス参加しているではないか。"小学生みたいな人がステージ上がってきちゃダメ!"とイッちゃんがイジると、磯部はギターを持ち、この日二度目になる「Little Giant」を披露。どうやら、磯部は家庭の事情で約束の時間に間に合わなかったそう。観客にとってはラッキーなサプライズとなった。
そして、歌心豊かな「tokeru」は大人っぽいムードに溢れ、観客が自然と手を横に振る光景にも心があたたかくなった。ラストでショート・チューン「T.B.C.」を放ち、本編を締めくくる。その後のアンコールでは、帽子、服装をチェンジしてイッちゃんが登場。「WAY IT IS」、陽気なインスト曲「Bajamar」においては観客がタオルを回す光景も見られた。Wアンコールの「Makin' Magic」ではフルカワユタカも途中からギターを弾いたりと、どんちゃん騒ぎの大フィーバー。そういえば、最新作を取材した際に"アルバムの中でフェスをやっているような気分"とイッちゃんが語ってくれたが、今日のライヴはまさにフェスのお祭り感を彷彿させる底抜けの楽しさに貫かれていた。
[Setlist]
01 Luster
02 Snowman
03 Hangover Weekend
04 Inconstant
05 Day to Day
06 Hold Your Head Up
07 WHAT'S BORDERLESS?
08 39-46497
09 1958
10 RULES
11 MI-O-TO-SHI
12 CHANCES
13 青い鳥
14 Little Giant
15 Delusions of Grandeur
16 So Easy
17 Little Giant
18 tokeru
19 T.B.C.
EN
20 WAY IT IS
21 Bajamar
WEN
22 Makin' Magic
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