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LIVE REPORT

KNOTFEST JAPAN 2014 -DAY2-

2014.11.16 @幕張メッセ

FIVE FINGER DEATH PUNCH
2005年に結成され、2009年のSUMMER SONIC以来の来日となるFIVE FINGER DEATH PUNCH(以下5FDP)。2013年には『The Wrong Side Of Heaven And The Righteous Side Of Hell』のVol.1とVol.2がリリースされ、JUDAS PRIESTのメタルゴッド、Rob Halfordをゲストに迎え、シングル「Lift Me Up」が大ブレイクした。フロアからは5FDPコールが大きな声で叫ばれ、期待感と注目度の大きさが分かる。骨太なナンバー「Under And Over It」が始まると、オーディエンスはタテノリでジャンプし、大きな歓声が沸き起こる。Ivan (Vo)は日の丸が描かれた5FDPの旗を持ち、ZoltanとJasonのザクザクとしたギター、MattとJeremyの迫力のあるリズムに腰を持っていかれる。「Burn It Down」、「Hard To See」と続き、「Lift Me Up」での盛り上がりには、メンバーもとても嬉しそうな表情を浮かべていた。しかし、とにかくIvanのサービス精神が旺盛過ぎる! いきなり隣のステージに移動したり、客席に降りたりと、フェスでのお客さんの掴みかたをよく知っているのだなぁと感心する場面が何度もあった。70年代のイギリスのハード・ロック・バンド、BAD COMPANYのカバーが披露されたあと、Ivanが女の子のファンをステージに上げてバッドを持たせたり、「Burn MF」ではさらに男性のファンをステージに上げてマイクで歌わせるなど、5FDPを知らなかったであろう人も巻き込んでいるのがわかる。「Never Enough」が演奏されたあと、オーディエンスに携帯のライトを付けさせ、KNOTFESTでは初めての美しい光景も見せてくれた。本国アメリカと比べると人気の差はあるが、1秒も退屈することのない完璧なパフォーマンス、素晴らしい楽曲と演奏。今後さらに日本でのブレイクが期待できるのではないだろうか。ぜひとも単独での来日公演を!(KAORU)

【SET LIST】
Under And Over It
Burn It Down
Hard To See
Lift Me Up
Bad Company
Burn Mother Fucker Burn
Coming Down
Never Enough
The Bleeding


IN FLAMES
本日の北欧勢2バンド目にIN FLAMESが登場! Anders(Vo)は直近のアー写のイメージを引き継ぐかのようにシャツ姿で現れ、Bjorn(Gt)は黒のぴっちりしたロンTで、まるでスティーブ・ジョブズみたいな雰囲気を感じさせる。以前のインタビューで"ガキのころから山ほど撮られてきたから、たまにはちょっと違ったいいカッコをしようと思ってさ"と直近のアー写についてAndersは語っていたが、その通りに大人の雰囲気を漂わせながら「The Quiet Place」でライヴをスタートさせた。
2曲目「Everything's Gone」ではオーディエンスたちが、一斉にジャンプしてフロアを揺らす。最新アルバムからの曲にみんなが一体となって飛び跳ねる光景には"すごい"の一言しか出ない。演奏はというと、全パートが非常にタイトで、Andersのヴォーカル・ワークから楽器隊の音作りまで、リハなしとは思えない素晴らしい出来。出過ぎなんじゃないかとも思えるほどの重低音のベースが鳴り響き、迫力のあるサウンドでオーディエンスをヒートアップさせてくれる。
Andersが"トーキョー! スクリーーーーム!!"と煽れば大歓声が幕張メッセに鳴り響き、会場が十二分に温まったことをたしかめたところで、シンセ・サウンドが流れ出し「Cloud Connected」がスタート。続く「Through Oblivion」「With Eyes Wide Open」「Where the Dead Ships Dwell」とゆったりとしたリズムに、渋めのギター・ソロで聴かせるライヴを展開していく。どの曲もイントロから大きな歓声があがり、時に手拍子で、時に手を振りかざして盛り上がるが、個人的にはミドル・テンポの曲ばかりでちょっと物足りなさを感じていたのも正直なところ。と思いきや、最後の最後でやってくれました! 「Take This Life」! あのイントロのツー・ビートからのタム回しでもうテンションMAX! ここまでに抜群の演奏と歌唱力で丁寧に積み上げてきた積み木を、「Take This Life」で一気に崩壊させるかのように、キレッキレのパフォーマンスを観せてくれたIN FLAMES。最後に最高に好きな曲を持ってきてくれてありがとう! やはりIN FLAMESは最高だ。(米沢 彰)

【SET LIST】
The Quiet Place
Everything's Gone
Trigger
Cloud Connected
Through Oblivion
With Eyes Wide Open
Where The Dead Ships Dwell
Rusted Nail
Deliver Us
Take This Life


WAGDUG FUTURISTIC UNITY
AA=、そしてこのWAGDUG FUTURISTIC UNITYという、日本が世界に誇るロック・バンドTHE MAD CAPSULE MARKETSの元メンバーによるプロジェクトが1度に観られる機会は、ここ日本においても貴重なチャンスだったかもしれない。それぞれの道を歩んでいるKYONO(Vo)と上田剛士が、再び世界の大物ラウド系バンドたちと肩を並べ、自分たちの今の姿でのびのびとステージに立つ姿は、ファンにとって感慨深いものだったに違いない。畳み掛けるようなデジタル・ハードコア・サウンドは、肉感的なライヴで、より破壊力を増す。広いフロアに中毒的なリズムが蔓延し、KYONOのカリスマ的なアジテーションも相まって、オーディエンスは脳みそを通り越したフィジカルなレスポンスで盛り上がりを見せた。そして、いったいこの人はいつ休んでるんだろう......と心配になるほど方々で活躍中のKenKen(Ba)が放つ、グルーヴ感もまた、ライヴ・バンドとしてのWAGDUGの目指す音楽性を実現しているようだ。SLIPKNOTのSidと作った、彼らの代表曲でもある「HAKAI」はもちろん、難波章浩とのコラボ曲「ILL MACHINE」も披露。ラストには、今回残念ながら病気のため出演を果たせなかったマキシマムザ亮君(マキシマム ザ ホルモン)とのコラボ曲「SYSTEMATIC PEOPLE」を披露し、ファンの期待にバッチリ答える完成度の高い名演となった。(山本 真由)

【SET LIST】
RAM THE CRUSH!!!
NO END
WHY?
ILL MACHINE
GAME
HAKAI
GOT LIFE
SYSTEMATIC PEOPLE


TRIVIUM
ここ日本で生まれ、日本にルーツがあること、そして日本への興味や誇りを常々公言しているMatthew(Vo)率いるTRIVIUMが登場! 早速、昨年リリースのニュー・アルバム『Vengeance Falls』の「Strife」からライヴをスタートさせる。オーディエンスは大きく盛り上がり、両手を挙げてTRIVIUMを迎える。この一体感はメタル・バンドならでは。初日と比べてメタラーらしきオーディエンスの比率が高い今日はとくにメタルが盛り上がる気がする。
"次はー! Black!"、"トーキョー! サケベー!"と日本語を織り交ぜたMCで会場を盛り上げるMatthewはMC中だけでなく、演奏中も笑顔満面で本当に楽しそう。かといって、緩い演奏をするなんてことはなく、メタル・バンドの中堅を占めるに至った彼ららしく正確且つタイトな演奏をしっかりと続ける。新加入のドラマー、Mat Madiroも安定のプレイを観せ、Corey(Gt)、Paolo(Ba)とともにMatthewを支える渋い職人集団のような演奏を観せてくれた。Coreyのスクリーム、Paoloのコーラスは本当に安定していて、もはや彼らの声なしにTRIVIUMのライヴは語れないと言っても過言ではないだろう。
終盤に掛けて、MatthewのMCはより滑らかになり"ニュー・アルバムを聴いた人は手を挙げてくれ! 今手を挙げてるヤツは一緒に歌ってくれな! そうじゃないと、Coreyが下りていって君を食べちゃうぞ!"などお茶目なトークも聞かせてくれる。それはもうオーディエンスは盛り上がるしかない! そしてラストには"日本のみんなに捧げる曲だ!"と語った上で「Anthem」「In Waves」と絶対に大盛り上がりのナンバー! あちこちにモッシュ・ピットができ、オーディエンスも全身で応える。最後まで全力で盛り上がり続けた40分だったがしかし、ついに1度もMatthewはスクリームをせずに終わった。Coreyのスクリームが素晴らしく、ライヴとしてはもちろん素晴らしいレベルで成立しているのだが、Matthewのスクリームについて気になったファンも多いだろう。その辺りは当日の直撃インタビューで本人が明らかにしてくれているのでそちらをお楽しみに! (米沢 彰)

【SET LIST】
Strife
Black
Through Blood And Dirt And Bone
Down From The Sky
Dying In Your Arms
Built To Fall
Villainy Thrives
Anthem
In Waves


MAN WITH A MISSION
そのキャッチーな見た目で、お茶の間レベルの人気者となっている、MAN WITH A MISSION。もちろん、見た目だけでない、それぞれのメンバーの職人的な実力もまた、その人気を支える要素だが、今回のライヴでは、さらにエンターテイメント性を押し出したパフォーマンスで、会場中を巨大なダンス・フロアへと変えていた。サウンド・チェックから小出しに聴かせるフレーズで盛り上げ、「evils fall」でスタート! ラップとメロディアスなヴォーカル、そしてシャウトのパートと、目まぐるしいほどに変化する曲調は、MWAMの強烈な個性のひとつ。ラウドやミクスチャーといったジャンルを超越したその特異なロック・サウンドでモッシュとダンスをごちゃ混ぜに巻き起こす。そして、「FLY AGAIN」のお祭り騒ぎでは、見事なまでにフロアの一体となったピースフルなパワーが爆発! さらには、「distance」でゲストDJとしてSLIPKNOTのSidが登場!ライヴ用のマスクではなく、日の丸の必勝ハチマキをマスク代わりに登場したSidは、DJ Santa Monicaとのスクラッチ合戦でフロアを沸かせた。ラストは、壮大なコーラスが締めくくりに相応しい「Emotions」。最初から最後まで、サービス精神たっぷりのオオカミたちに、ファンとの相思相愛の絆を感じられたライヴだった。(山本 真由)

【SET LIST】
evils fall
Take What U Want
Get Off of My Way
When My Devil Rises
FLY AGAIN
distance
Emotions