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INTERVIEW

New Year Rock Festival

2025.12.12UPDATE

2025年12月号掲載

New Year Rock Festival

"また1年頑張って生きよう"って思ってもらえるフェスにしたい


-それも運命的なものを感じますし、先輩に後押しされてる感がありますよね。

HIRØ:さっき不良の話してましたけど、不良ってロマンチックな話やセンチメンタリズムが大好きなので。そういうストーリーがちゃんとできてるってことを含めて、"また扉が開いたんだな"と、ものすごく納得しましたね。これは仲野 茂(仲野茂バンド/DECATIⓃ/Vo)が言ってたんですけど、やっぱり俺たちって、根っこの部分はパンク・ロックじゃないですか? そこで、"パンク・ロックはルーティーンに乗っかっちゃだめなんだ"って。だからこそいつまでもあると思ってちゃだめだし、やれるうちは全身全霊を注いで、一回一回やれることに本当に感謝していかなきゃいけないなと思っています。

-そんな思いで開催される、今年の"NYRF"。現在、第2弾発表まで出演者が明かされて(※取材は11月中旬)、今年も豪華ラインナップが揃いました。頼もしい仲間たちが揃っての感想はいかがですか?

HIRØ:まずは仲野 茂さんに久しぶりにご出演いただけるのが嬉しくて。裕也さんが亡くなった後の"NYRF"を一緒に旗を振って支えてくださったのが、鮎川さんや茂さんといった先輩方だったので。茂さんが50周年のステージに立ってくださって、"ここまで見守ってきたから、もう大丈夫だよ"と一度は"NYRF"を離れられたんですけど。渋谷に場所を移した"NYRF"に、仲野 茂が帰ってくるのがすごくありがたいですし、楽しみです。

Zeebra:そもそも、先輩たちのフェスだったものが、我々も年を取って。今は同世代や後輩たちのフェスになってきたと思うんですけど、やっぱり先輩たちがいてくれるとらしさがありますし、我々の背筋も伸びます。

HIRØ:だって茂さん、亜無亜危異で復活して、このまま続くのかなと思ったら自分たちで活動禁止とか言って。もう亜無亜危異はないんですよ? これもさっきの話じゃないけど、"ルーティーンじゃだめだ"っていうのを身を持ってやっているからすごいなと思って。

-仲野 茂さんは、新バンド DECATIⓃでのご出演になります。かと思うと、活動再開したからこそ出演いただけるCALUSARIのようなバンドもいます。

HIRØ:CALUSARIは今年の早い時期に連絡がきて、"「NYRF」にどうしても出たい"と言ってくれたんで、"ぜひ出てください"という話になったんです。"じゃあ、今年も「NYRF」をやるんだな"という気持ちにさせてくれたのがCALUSARIでした(笑)。あと今回、自爆って初出演のバンドがいて、すごい楽しみにしています。

-Zeebraさんは、KenKen(RIZE/Ba)さんとバンド・スタイルで出演するのも話題になっています。

Zeebra:JESSE(RIZE/The BONEZ/Vo/Gt)たちは弟みたいな感覚なんですけど、その中でもさらに弟みたいな存在がKenKenで。昔から大好きなバンドで、ライヴに自分が参加したこともあるし、ふとしたときにジャムることもあったし、SUGIZO(LUNA SEA/X JAPAN/THE LAST ROCKSTARS)君とKenKenが一緒にやってるSHAGとキングギドラでBLUE NOTEでライヴ("SHAG at BLUE NOTE TOKYO 2023")をやったこともあって。今年の"NYRF"はどうしようかな? と思ったときに、頭に浮かんだのがKenKenだったんです。 去年の"NYRF"はまさかのDJの音源がギリギリで出せなくて、ずっとアカペラでライヴをやるというわけの分かんないことをやってしまったんで、今年はもっと音楽をやりたいなと思って。せっかくの"NYRF"だったらロック・バンドでライヴやりたいなみたいな感覚になって、一番相談しやすいKenKenに電話しました。そしたら、"超楽しそう! でも、28日と30日に俺のフェス("KenKen四十歳生誕祭 OLE PALOOZA 2025")があってさ。当日、二日酔いかもしれない"って言うから、"おー、そうか。全然いいよ"って返事したら、"あ、30日なんだけど......Zeebraさん空いてない?"、"空いてるよ"って、そっちにも出演(KenKen & Family Stone)することになって。

-なんだか、すごくいい連鎖が生まれてますね。

Zeebra:で、"じゃあ、メンツどうする?"って言って、"1回飲むか"ってひたすら飲み倒して、いろいろ決まっていったんですけど。メンバーは、ドラムがDUTTCH(UZMK)、ギターが佐藤タイジ(THEATRE BROOK)。

-え~~!? なんと豪華なバンド・メンバー!!

Zeebra:あえて3ピースにこだわりたいと思ったのと、イメージ的にはブラックなファンク・ロックみたいな空気感でいけたら楽しそうだな、なんて思っています。

-KenKenさんにお声掛けをして、そのメンバーが揃ったという経緯だけ聞いても、なんだかすごくいいグルーヴが生まれそうな予感がしますね。

Zeebra:そうですね。KenKenは、"俺、1回で終わらせるのは嫌なんだけど"とか言ってるから、もしかしたら何かなっちゃうかもしれないし。ジブケンでね、シムケンみたいだけど(笑)。

-あはは。HIRØさんは湾岸の羊~Sheep living on the edge~でのご出演で。去年の今頃は、全国ツアー("湾岸の羊~Sheep living on the edge~ RISING SUN TOUR 2024-HARD CORE TRAVELING BAND-ROCK'N ROLL JOURNEY")のファイナルで足を怪我されてたのを思い出しますが。今年は万全の体調で、現在はツアー・ファイナル([湾岸の羊〜Sheep living on the edge〜Rock'n Roll Journey 2025 "再武装"])を控えています。さらにブラッシュアップされたライヴに期待してしまいます。

HIRØ:そうですね、一昨日も仙台でライヴをやってきましたけど。バンドの状態はばっちりなんじゃないですかね。去年、あれだけの地獄のツアーを完走したんで、もう怖いものはないって感じです(笑)。湾岸の羊は今年もカウントダウンを任せていただこうと思ってるんですけど、今年は開演時間を少し早めてて。カウントダウンあって、セッションやって終わろうと思っています。

Zeebra:ライヴ終わって、みんなで初詣するのがちょうどいいくらいのタイムスケジュールになればという感じだよね。みんなで行かない、初詣? 客も連れてさ、そこまでが"NYRF"みたいな感じでいいじゃん(笑)。俺等、普段から徒党を組んで練り歩くの得意だからさ。

HIRØ:いいね(笑)。なので、若い子たちも気軽に来てもらえるし。4~5階のフロアを使ったレクリエーションも考えて。 思い切りロックして年越しをして、無事故で幸せな気持ちで帰ってもらえるというのが一番いいかな? と考えています。

-それもまた、新しい時代の"NYRF"の形ですよね。

Zeebra:毎回、チャレンジだよね。あれやってみよう、これやってみようって、会場含めていろんなアイディアを出して。そのハコに合わせて、じゃあこれもできるね、あれもできるねって、毎回少しずつトライアンドエラーを繰り返して。より良いものを作っていけてる感じはやっぱりあるんで。目の前にあることをやっていくだけですね。

-では今年の"NYRF"を通じて、みんなに伝えたいことはどんなことでしょうか?

HIRØ:去年も言ったかもしれないですけど、生きていくのってすごい大変じゃないですか。俺、いつも思うんですけど、大晦日って1年の終わりと1年の始めという区切りで。何もなく大晦日から新年を迎えて、またもう1年生きなきゃいけないのって、すごい大変なことだと思うんです。さっきのいじめの話の延長線じゃないですけど、自殺問題とかも年々増えてるなかで、俺自身も何かリフレッシュできないと、"新しい1年を俺、またできるのかな?"って自問自答するときもあったんで。"もう1年、頑張るぞ!"っていう勇気とか元気とか愛を、"NYRF"で俺たちが思いっきりシェアしたいですね。こんな不良たちがみんな頑張ってロック・バンドやって、ヒップホップやって、役者さんやって、エンターテイメントの世界で不良性を生かして、傷ついたぶんだけどんどん優しくなって。それを表現者として表現して、その表現者の集まりがこの"NYRF"なので。そこで愛をみんなにシェアして、"よし、俺もまた1年頑張って生きよう"って思ってもらえるフェスにしたいなと思うし。そのためにも"NYRF"の存在する意義や指針を出したいです。

-そこはHIRØさんの作る"NYRF"の根幹にある、一番大事な部分だと思いますし、それに賛同して、これだけ心強い仲間たちやお客さんが集まっているのだと思います。

HIRØ:あと、今"NYRF"をやれてるのは本当にZeebraのおかげだと思ってます。彼とはもう10代からの付き合いなんですけど、俺たちには俺たちの歴史があって。そのなかで"NYRF"という場を受け継いで、自分たちの手で魂注いで、全身全霊をかけて作っていて。今さら確認し合う必要はないんですけど、本当に今やれてるのはZeebraのおかげだと思ってるし、ありがたいですね。

Zeebra:僕は"NYRF"に関しては、HIRØ君が裕也さんたちにしてきたこととか、気持ちとか、それをすごく近くでずっと見てきて。僕が裕也さんたちの好きなところの1つとして、やっぱりジョーさんだったり、桑名さんだったり、皆さんの友情が素晴らしいというのがあって。そこにいつも感動させられてたし、みんなが裕也さんを支えて"NYRF"があるというのが素晴らしいなと思っていたので、僕はHIRØ君を支えたいし、裕也さんにおけるジョーさんになりたいみたいな、そういう気持ちです。

HIRØ:ほら、また魔法がすごいから......(涙目で)。もう、ちょっと目を合わせられないですよ、俺。でもなんか不良っていいですね、真面目な不良って本当にいいですね。

-言葉なんかなくても、互いに信頼し合う2人の関係性がしっかり伝わってきました。

HIRØ:AKTIONってラッパーに、"信じたものには命を賭けろ"みたいな大好きなパンチラインがあるんですけど。それを嘘偽りなく無条件に、純粋にできる人たちが俺たちの仲間だと思うんで。今年も"NYRF"で、そんな仲間たちと愛をシェアしたいですね。

-そんな同じ思いを持った同志たちが届ける愛は必ず伝わると思いますし、本当に無敵のラインナップが集結したと思います! HIRØさんとZeebraさんは10代からのお付き合いというお話も出ましたが、もう30年とか40年とかのお付き合いになるんですか?

Zeebra:そうです。俺、あの頃14歳だったから、もう40年になりますね。

HIRØ:あはは、そうだね。すごいね、40周年だ!