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INTERVIEW

Leetspeak monsters

2024.10.02UPDATE

2024年10月号掲載

Leetspeak monsters

Member:D13(Vo/Rap) Yo'shmeer(Gt/Cho) Euskyss(Ba) DieWolf(Dr)

Interviewer:杉江 由紀

おどろおどろしさは全体的にあるんだけど、結構コミカルなところもある


-それから、この"Room 666"というタイトルについても伺わせてください。666は不吉な数字であるとされている一方、エンジェル・ナンバーであるとの説もありますけれど、Euskyssさんがこの曲にこのタイトルを冠された理由はなんでしたか。

Euskyss:やっぱり、これは悪魔の数字とされているものですからね。なんなら、この曲はタイトルから先に決まったと言ってもいいくらいです。だって、この番号の部屋があったら絶対に危ないじゃないですか(笑)。

D13:たしかに(笑)。

-とはいえ、我々人間は、"東京ディズニーランド"に行けば"ホーンテッドマンション"のような怪奇系のアトラクションを怖がりながらも楽しんでしまう貪欲さも持っておりますのでね。怪しい空気は満載であるものの、意外に楽しい雰囲気も漂っている「Room 666」はとても面白い楽曲だと感じます。しかも、この曲についてはMVの仕上がりも秀逸です。

DieWolf:おどろおどろしさは全体的にあるんだけど、結構コミカルなところもある映像になってますね。いい雰囲気のものになったと思います。

Euskyss:ラスト・シーンは観る人の判断に委ねているところもあるので、そこは人によって解釈が違ってくるかもしれないですけどね。そこも含めて楽しんでいただければと。

Yo'shmeer:僕は自分が泊まったホテルで、もしこんなモンスターが出て来たら絶対嫌です(笑)。でも、そういうヤバい存在感は出せたと思います。今回のあの怖いメイクはD13からのリクエストなんですよ。頼まれたから仕方なくで泣く泣くやりました(笑)。

D13:あれはちょっと、お面を付けてるみたいな感じの見た目になってるんですよね。そもそもYo'shmeerはフランケンシュタインで人造人間だから、顔をいろんなのに付け替えられるっていう要素を映像で伝えたかったんです。ここからまた、別の機会に別の仮面を付けていく展開があっても面白いですし。

Yo'shmeer:ここからの展開っていう意味では、途中で手拍子をしてる場面があるじゃないですか。あれは今後のライヴでみんなにやってほしいなって思ってます。

-さて。今回のマキシ・シングル『Room 666』では他にも3曲が収録されておりますので、ここからはそれらについても触れて参りましょう。「Dominators」は、出だしもそうですが、全体的にラップが主体となって展開されていく曲になっているようですね。

Euskyss:なおかつ、サビではや客さんたちと一緒に手を上げてアクションが取れるような、わかりやすくノれる感じの曲にしたかったんですよ。あと、Leetspeak monstersでいつもコーラスを入れてくれているLaniちゃんっていう子がいるんですけど、サビに入る前のタイミングではD13の声は入れずにLaniちゃんだけで歌ってもらいました。

D13:しかも、すごくかわいく歌ってもらってます(笑)。

-「Dominators」の歌詞については、どのようなことをテーマに据えたものとして書かれたのでしょうか。

Euskyss:とある無茶苦茶に荒らされた土地があって、そこで昔からのさばってる支配者がいるんですけど、そいつらに任せるくらいなら自分たちが新たな支配者になったほうがいいのかな、っていうのがこの詞の内容です。

-もちろんこの詞はフィクションがベースではあるのでしょうけれど、どこかで少し、今の時代と重なるノンフィクション的な部分も感じられなくはないように思います。

Euskyss:あぁ、そういうところもあるかもしれません(含笑)。個人的には、何かしら革命が必要な時代だなと常々思っているところがありますね。

-「Dominators」のサウンド面についても、各パートから少しずつ解説をいただけますと幸いです。

DieWolf:ドラムは音源だと打ち込みになってるんで、ライヴでの対応はここから考えていくことになりますね。サビを盛り上げたいなっていうイメージを持ちつつ、曲調に合わせてデジタルな質感も出していくようにしたいと思ってます。

Yo'shmeer:ギターはこれ、過去含めて一番シンプルなんですよ。ほんとに音数少なくて、録ってて"これだけでいいのか!?"っていう不安を残しつつ録り終わっちゃいました(笑)。まぁ、これはその中途半端さとか音を詰め込んでない隙間を楽しみたい曲ですね。むしろ、物足りない感を堪能したいみたいな曲になってるんです。

-その代わりと言ってはなんですが、メタル感の香る「Inferno」(初回盤収録)でのYo'shmeerさんは激烈に弾き倒していらっしゃいますよね。

Yo'shmeer:はい、思いっきり弾き倒しました(笑)。音としては「Inferno」も本当ならハムバックを使ったほうがいいんでしょうけど、これも今回は一貫してシングルコイルでチューニングはベロベロに下げながら弾いてます。最初にEuskyssから"地獄"っていうテーマを貰ってたのもあり、わざと細い音をガチガチに歪ませることで、必死に地獄でもがき苦しんでる感を出したかったんですよ。

DieWolf:ドラムもこれは完全にメタルですね。このかたちに落とし込むまではわりと大変でした。方向性としてはベースラインとバチバチに合致させていく必要があるアレンジなので、これもライヴまでにはさらにしっかり仕上げていかなきゃと思ってます。

Yo'shmeer:実際やったらキツそうな感じ?

D13:これ、特に足が大変そう。

DieWolf:だろうね。叩き終わったら倒れるくらい絶対キツいと思う(苦笑)。

-「Inferno」が完全に英語のみで構成された歌詞になっているのも、この曲の持つメタル感を活かすためだったりしますか?

Euskyss:そうです、これは詞の聴き取りやすさとか分かりやすさよりもサウンド先行で英詞にしました。

D13:ただ、サウンドはたしかにアグレッシヴなんですけどね、歌ってみるとメロディ自体は特別他と全然違うっていうこともなくて、わりと自然に歌えました。

-メロディと言えば、もう1曲の「Iron carriage」(通常盤収録)はラップ的な曲調と、これまた物語性の強い歌詞が融合した、かなり聴き応えのある曲となっておりますね。

Euskyss:"Iron carriage=鉄馬車"っていうのは、僕らがいつもグレイヴタウンから各ライヴ会場へ移動するときに使っているものなんですよ。今回の『Room 666』を出した後には"Welcome to Monster's Theater~2024-2025~"が控えているので、この曲はそれを踏まえて書きました。

-歌詞中の"アンヴァルの加護受け走り抜け"とは、ケルト神話に出てくる馬の名前を指したもののようですし、ハロウィンが元来ケルト文化から生まれた祭事であることを考えると、ここに1枚の音源としてのトータリティも醸し出されていて興味深いです。

Euskyss:ハロウィン時期に出す音源なので、そこもやはり考慮はしました。音的には僕とDieWolfの生み出してるグルーヴに一体感があるので、初めてライヴを観る人でも、気が付いたら身体が動いちゃうような躍動感を出せてると思います。

DieWolf:鉄馬車の歌だけあってこの曲はリズム的に疾走感がありますし、ライヴでもすごく映えそうな気がしますね。

Yo'shmeer:ギター的にも鉄馬車ということで、ギター・ソロでは馬を意識した"いななき"を最初の部分で表現してます。全編を通しても、馬が駆け抜けていくみたいな音を出すようにしてますしね。あと、D13の歌がこれはサビで音階的に下がっていくところがあるんですよ。僕はそこがすごくカッコいいと思います。

D13:褒めてくれてありがとう。あそこ難しいんですよ。それに、息継ぎ場所がないところがある曲でもあるんでね。レコーディングのとき"無理、できない!"って言ったらEuskyssに"大丈夫!"って言われてなんとか頑張りました(笑)。

-最後に、11月からの"Welcome to Monster's Theater~2024-2025~"は、来年1月25日に東京キネマ倶楽部にて行われるツアー・ファイナル公演まで続きますが、皆さんとしては、これをどのような意義を持ったものとして行っていきたいとお考えなのでしょうか。

Yo'shmeer:この間D13ともちょっと話したんですけど、今度のツアーからはよりショー的な要素を打ち出していきたいって思ってます。毎回"Welcome to Monster's Theater"っていうタイトルは付けてますが、さらに物語性を高めながら、映画やミュージカルを観ているような感覚を、それぞれのライヴの中で出していくようにしたいんですよ。もちろん、ロックな感じも残しつつですけど。それが自分としての目標です。

DieWolf:今回のツアーでは"おや? なんか前とちょっと違うぞ?"っていう、進化してる感覚をライヴで提示していけるようにしていけたらいいなと思ってます。

D13:Leetspeak monstersにしか作れない空間というものを作っていきたいですよね。Euskyssとはツアーに向けては効果音の使い方について話し合ったりもしてますし、僕自身もグレイヴタウンの案内人たる骸骨としての原点に立ち返りつつ、ワンマンならではの充実したパフォーマンスを繰り広げていきたいです。どんなことができるかな? って考えてる今の時間からしてすでに楽しいので、ツアーではみんなともっと楽しめるんじゃないかと思ってます。

Euskyss:今回の『Room 666』で表現しているように、今度のワンマン・ツアーでも、迷い込んで来てくださったお客様たちには僕等がたっぷりとおもてなしをさせてもらい、楽しんでいただこうと思っておりますので、ぜひ皆さん、楽しみにしてお越しください。