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INTERVIEW

NEO STRANGE

2023.06.30UPDATE

2023年07月号掲載

NEO STRANGE

Member:SINRI

Interviewer:山口 哲生

-演劇に興味を持ったきっかけというと?

担任の先生が演劇部の顧問だったんですよ。最初は軽音部にしか入ってなかったんです。中学の頃から文化祭のノリでバンドを始めて、高校に入ったら軽音部に入ろうと思っていたんですけど、練習で使える場所がひとつしかなくて。それで部員が何十人もいるとなると、2週間に1回ぐらいしかできなかったんですよね。で、高校1年のときに、担任の先生から"調子どうですか?"みたいに聞かれて、"楽しいんですけど、2週に1回しかないからさすがに暇です"って言ったら、"じゃあ演劇部、見学しに来てみない?"って。で、見に行って、その日に入部しました(笑)。

-なんかちょっと面白そうだぞ、みたいな?

そうですね。昔から"仮面ライダー"が好きで、よくモノマネみたいなのをしてたんですけど、テレビの中の俳優さんとかにも、興味はあったんですよね。で、面白いかもと思って演劇部に入って。まさか大学にまで行くとは思わなかったですけど。

-たしかに、音楽関係の学校に進む道もあったわけですもんね。

そうですよね? ただ正直、音楽に対してすごくコンプレックスを持っていて。別に歌がうまいわけでもないし、楽器の才能も曲作りの才能も全然ないと思っていたし、そこは今でも思っているんですよ。昔、歌がそんなにうまくなかったから、バンドから外されたこともあったし(苦笑)。外されたというよりは、自分以外のメンバーはそのままで、別のヴォーカルと新しいバンドを作ったっていう感じではあったんですけど。

-それはヘコみますね......。

ヘコみましたね。でも、そこからの反骨精神が半端なくて。ひとりになったから、逆にひとりでなんでもできるようになっちゃったんですよ。じゃあもう1回バンドを組み直そうと思って、メンバーを片っ端から集めてきて、ライヴしたりして。だから、ひとりでなんでもやろうっていう根性は、学生のときにつきましたね。演劇部もそうだったんですけど、ある日、"僕ひとり"対"演劇部の全部員"になったことがあって。そのときに言われたのが"演劇部、やめてもらえませんか?"だったんですけど。

-なぜまた......?

僕、外部の人たちに混ざってやっていたんですけど、それは演劇部のクオリティを上げたかったからなんですよ。演劇部の大会があったんですけど、そこをなんとしても突破して、県大会に行くっていう目標が部活の中であって。僕としては、どうしてもそれを叶えたかったんですよね。先輩から言われてきたことでもあったから、もうあの手この手を使って、いろんな人に"来てください! お願いします!"って言って回って。もちろんギャラとかはお支払いできなかったんですけど、学校までわざわざ来てもらって、見てもらって、指導してもらうというのをしていたら、"お前は厳しすぎる"と言われて。

-おぉ......。

まぁ、言っても所詮高校生ですし、自分たちは楽しくやりたいだけなんだと。だから、"どっちかにしてくれ"って。"あっちとの縁を切って部活に残るか、部活をやめてあっちに行くか、どっちにするか選んでくれ"って言われて。で、僕は"どっちもやめない!"って(笑)。

-おぉー!

僕としては、なんとしてもこの目標をやり遂げたいと。そのとき3年生だったんですけど、最後に自分の持てる力をすべて使って、頭という頭を下げて、僕はみんなに還元するためにやる。そのことでみんなに恨まれたとしても、僕は演劇部をやめない! って。結局、その年の大会は突破することができて。

-へぇー! すごい! ドラマみたいですね。

そんな感じだったから、ブーイングとかバッシングを受けるのは慣れてます(笑)。"お前、おかしいよ"って指差されるのは昔からなので。

-SINRIさん、かなり熱いですね。

昔から熱すぎて、逆について来れない人が多くて、ひとりぼっちになることが多かったですね。だからこの(グループの)話も、そろそろ友達欲しいな......と思った頃に話が来たんで、じゃあグループ作るか! って(笑)。そろそろ寂しいなって思ったんで。

-寂しくはなるんですね。

なりますね(笑)。やっぱりわかってくれる人がいないんじゃないかって思ったりするときもあるので。あと、発散できないというのもあるんですよ。自分の中にあるこの感じを、どう発散していいのかわからないっていう部分もあったりするから。そこをシェアできる人がいると楽ですよね。

-たしかに。

これだけいろいろやりたいっていう人となかなか出会ったことがないんですよ。演劇やって、グループやって、バンドやって、曲作って、みたいな人ってあまり出会わないので。近場にそういう変な人いないかなぁって思ってますね。

-今後はこうなっていきたいというヴィジョンみたいなものもあるんですか?

NEO STRANGEで海外進出ですね。僕の予想だと、日本よりも外のほうがこういうロックに精通しているというか、聴いている人が多いと思うんです。東南アジアとか、ヨーロッパにも挑戦してみたいと思うんですけど、行ったらワンチャン、バズるかもと考えてます。BTSの流行によって、アジア人とか、日本のアイドル文化が海外まで浸透している時代になってきていると思うし、そこにロックをくっつけたら、"それが欲しかった!"っていう人は、外の世界にいくらでもいるんじゃないかなって。そこを目指してやっていきたいなと思っています。

-日本だけじゃなく、広い視野を持って活動していきたいと。

極端な話をすると、日本では売れないんじゃないかなと思ってます。

-そこまで思っているんですか......?

まぁ、人口的に日本よりも世界で考えたほうが人は多いし(笑)、音楽性を考えると、逆輸入はあるとしても、日本で広がることはもしかしたらないのかもしれないなって。

-そう思った理由について、もう少し掘り下げてお聞きしていいですか?

やっぱり僕の好きなバンドって、逆輸入で有名になったバンドが多いし、日本でポスト・ハードコアを聴く人って少ないんだ、僕の好きな音楽って少数派なんだと思ったことがあったんですよね。僕としてはこんなに好きなのに、まったく知らないんだ? って。10人に聞いて1人知っているかどうかぐらいのレベル感だったし、そもそもロックを聴かないっていう人も多いですし。もちろん当てたい気持ちも、当てようとする気持ちもあるけど、この音楽性は、もちろん柔らかくキャッチーにはしていますけど、日本だとちょっと難しいのかもしれないなと思っちゃいますね。

-そうなんですね。

例えば、僕らはシャウトをバリバリ入れたりしてますけど、聴いている人の中には絶対いると思うんですよ。"シャウトなければいいのにな"って。特にアイドルを聴いている方々とかは、"メロディはいいんだけど、がなったりするのが嫌なんだよな"っていう。僕としても、別にメロディは嫌だっていうわけでもないんですけどね。だからシャウトを入れているのは嫌がらせなんですけど。

-踏み絵みたいな?

そうです。これを乗り越えてきた人だけどうぞっていう(笑)。そういう感じなので、これは当たるだろうっていう期待は、正直持っていないです(笑)。

-海外を視野に入れながら活動をしていきつつ、グループでこういう存在になっていきたい、みたいな目標ってありますか?

最終的には、メンバー各々自分がやりたいことをやってほしいなって思ってます。だから、X JAPANみたいになれたらいいなって(笑)。

-というと?

バンドでバコーン! と行って、今は各々で活動されているじゃないですか。それでまたやるとなったら、東京ドーム3デイズ行くぜ! みたいな。そういうふうになれたらいいなって思いますね。ずっとグループでやっていこうというのは、正直、僕の中ではないです。それか、僕はグループが波に乗ったら引退しようかなと思ってます。

-裏方に行こうと。

はい。引退を視野に入れて活動をしてます。

-初登場インタビューで、引退を視野に入れてという発言......(苦笑)。

いやぁもう入れてますよ。野球選手みたいですよね。

-あと何年できるんだろう、みたいな。

そうそう。そこまで明確な年数は全然決めていないんですけど、それが来月かもしれないし、もしかしたら10年後かもしれないし。自分が良くも悪くも"終わりだな"と思えたときが、そのときだと思うので。でも、その日は絶対に来るとは思ってます。

-その日が来る前にやっておきたいことはあります?

うーん......ありすぎちゃって(笑)。やりたいことは、メンバーを48人にすることと、2代目、3代目とかを作っちゃうっていうのが、僕の中の隠れた野望ですね。

-プロデューサー的な野望として。

そうです、P的な野望。せっかくグループを作ったのであれば、できる/できないは置いといて、組織にしたいというのはあるんですよ。で、最終的に勇退して、新グループを作ったりとか。

-トライブ的なものを。

そうです。NEO STRANGE TRIBEを作る。それかNST48でもいいです。そのどっちにするかは、近日中に答えを出します(笑)。でも、やっぱり自分の証をこの世に残して死にたいっていうのはありますよね。で、それは何も音楽だけじゃなくていいと思ってます。

RELEASE INFORMATION

NEO STRANGE
NEW DIGITAL SINGLE
「Million Blast」

NOW ON SALE!!
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