INTERVIEW
"MELODIC STONER FESTIVAL"
2023.05.02UPDATE
2023年05月号掲載
6月10日川崎CLUB CITTA'にて、メロディック・ハードコアの人気バンドが全国から集結するロック・フェス"MELODIC STONER FESTIVAL"が開催される。このフェスを主催するのは、STRIKE AGAINとTHE BELGA。結成10周年を迎えた両バンドが、ライヴハウス、そしてメロディック・ハードコア・シーンをさらに盛り上げるべく立ち上がる! 2021年11月にスプリット・アルバム『MELODIC STONER』をリリースし、全国29ヶ所を回るリリース・ツアー("MELODIC STONER TOUR")を行ったことをきっかけに、フェス開催を決めたという2組。STRIKE AGAINの伊東勇太とTHE BELGAの吉岡James憲弘に、開催に至った経緯やフェスに懸ける熱い想いを訊く。
STRIKE AGAIN:伊東 勇太(Vo/Gt)
THE BELGA:吉岡James憲弘(Vo/Gt)
Interviewer:フジジュン Photographer:清水舞
いつもフライヤーを見ながらニヤニヤしてます(伊東)
-そもそもの始まりは、2021年11月にリリースされた、STRIKE AGAIN & THE BELGAのスプリット・アルバム『MELODIC STONER』だと思うのですが。まず、おふたりの出会いは?
吉岡:似たような音楽をやってて、似たようなライヴハウスでやってたので、なんとなく知り合いではあったんですけど、なかなか一緒にやる機会がなくて。コロナ禍になって、みんながライヴをやらなくなったとき、ライヴをやってるバンドが限られてくるなかで一緒にやる機会があって、意気投合しまして。最初は俺らが誘ったんだっけ?
伊東:そうだね。2020年に初めて対バン("THE BELGA presents【THE WORLD IS YOURS TOUR】")して、その年末にはツーマン("THE BELGA pre. GET OVER 24/7 2020")をやって。
吉岡:そしたら、ツーマン・ライヴ中のMCで勇太が"スプリット出す!"って、決まってもないのに言って(笑)。"聞いてないよ!"とか言ってたんですが、その日の打ち上げでは"いつ出そうか?"って話をしてました。
-勇太さんは最初、THE BELGAを観ての感想はいかがでした?
伊東:初めて対バンしたとき、"めちゃめちゃカッコいいバンド見つけた!"と思って興奮して、帰りの機材車の中でもみんなTHE BELGAの話をしていて。そのあと、すぐ対バンする機会があったから、"よっしゃ!"みたいな感じでした。THE BELGA側も、"STRIKE AGAINいいね"って思ってくれてたみたいで。仲良くなるまでは一瞬でしたね。
吉岡:本当に一瞬だったよね。バンドなんて気が合う同士はライヴするだけでわかり合えるから、簡単なもんですよ(笑)。
-そこから、スプリット・アルバムを作ることになって。
吉岡:佐竹眞吾(CATCH ALL RECORDS代表)さんも"出そう出そう!"と言ってくれて。STRIKE AGAINはフル・アルバム(2021年7月リリースの『STRIKE AGAIN』)を出すタイミングだったんだよね?
伊東:そう。だからフル・アルバムのレコーディング終わって、すぐにスプリットに取り掛かって。めちゃくちゃ一気に曲作りました。
吉岡:アルバム・ツアー([1st full ALBUM "STRIKE AGAIN"Release TOUR])も終わってないのに、スプリット出して、またツアーみたいな(笑)。2021年11月にスプリットを出して、22年1月からスプリット・ツアーが始まって。そこから7ヶ月、29ヶ所。北海道から沖縄まで回って、一緒に遊びまくりました(笑)。
-一緒にレコーディングの作業をするという、スプリットの制作はいかがでした?
吉岡:"1曲ずつ新曲を提供する"ということに挑戦して。1曲目の「Blame」をTHE BELGAが作ってSTRIKE AGAINが演って、最後の8曲目の「Confession」がSTRIKE AGAINが作ってTHE BELGAが演ったんですけど、人の作った曲を歌うのは難しかったし、すごく新鮮でした。
伊東:あえてJamesが歌わなそうなメロディにしようと思って作りました(笑)。でも、Jamesが歌うとちゃんとTHE BELGAっぽくなるんですよね。
吉岡:僕の癖をかいくぐってくるから難しくって、結構練習しました(笑)。
-しかし、コロナ禍で29ヶ所回るってなかなかでしたね。
吉岡:その街、そのライヴハウスのルールにのっとってやってて、大変は大変でしたけどそこでの新たな出会いも山盛りで、すごく充実してました。自分たちの行ったことのある街を両バンドで出し合ってツアーを組んだので、半分は行ったことのある街、半分は初めて行く街という感じで。本当にいろんな出会いがあって、充実してました。
-そんななか、"フェスをやろう"という話はどんなところから出たんですか?
吉岡:良くも悪くもツアーがひたすら楽しくて、各地でワイワイ楽しませてもらったんですが、楽しいだけで終わっちゃったところもあったので。全箇所で手応えがあったかって言うと、そうではなかったという反省があったし、どこか悔しい思いもあって。そんな話をしてる最中、フェスの話が出てきて。"この規模の全国ツアーをやれるバイタリティがあるんだったら、一発デカいのをやってみるのはどう?"って佐竹さんも後押ししてくれて。両バンドともすぐに"よし、やろう!"っていう気持ちになれましたね。
伊東:そもそも、僕らは川崎CLUB CITTA'でライヴをやったことがないんでイメージが湧かなかったんですけど、Jamesに"やろう!"と言われて"うん、やろう。面白そう!"っていう気持ちになりましたね。
吉岡:あんまりイメージがないから、ことの重大さに気づいてないんですよ(笑)。でも決まってからはこの1年、そのことしか考えてないし、準備に走り回ってました。
-出演バンドの選出はどんな基準だったんですか?
吉岡:俺たちみたいな無名なバンドがやるわけですから、大きなステージに立たせてもらうにはそれなりの内容にしないといけないし、何よりも来たお客さんに思い切り楽しんでもらいたいという気持ちがあるので、もちろんよく一緒にやってる先輩や仲間のバンドにも声を掛けたんですが、それだけでなくちょっと背伸びして、いろんなバンドにも声を掛けさせてもらいました。とはいえ、時間と内容に限りがあるんで、誰を誘うって話は結構揉めましたね。でもあれもこれも呼びたいってなるとキリがないから、"お客さんにどうやって楽しんでもらえるか?"ってことだけに絞って考えました。
伊東:あとはもう、"メロディック"ってジャンルに絞ってね。
吉岡:そうだね。メロディックという一貫性がありながら、どこでも観たことのないフェスがやりたかったんで。ラインナップを見て、我ながらすげぇな! と思いました。
伊東:僕もいつもフライヤーを見ながらニヤニヤしてます(笑)。まだ出順も決めてないんですけど、それもいろいろ想像して。
吉岡:そう、全バンド見どころなんで、タイムテーブルが決められないんですよ! 贅沢な悩みですよね(笑)。
-そして、本祭にこれだけ豪華なラインナップが揃っただけでは飽き足らず、5月4日横浜 BuzzFrontと5月21日新宿ACB HALLは"MELODIC STONER FESTIVAL 前夜祭"、6月11日新宿LOFTでは"MELODIC STONER FESTIVAL 後夜祭"が決まってて。全部で50組近いバンドが出演します。悩みに悩んで本祭に出てもらうバンドを選んだけど、全然入り切らなかったということですよね?
吉岡:そういうことです! これでもまだ呼びたいバンドがいっぱいいます。もう雪崩ですね、全部巻き込んでいかないと止まらなくなっちゃいました(笑)。そもそも、"全国でお世話になったバンドを一同に集めてお祭りがやりたい"と思ってたので、後夜祭というのは本祭と同時期に考えてて。なんならこっちが本祭かもしれない(笑)。"いろいろお世話になったからみんなで飲もうや!"みたいな感じで、集まってもらうみたいな感覚に近いかもしれないです。あと、出演バンド同士がここで知り合って、また新しい繋がりが生まれればいいなという狙いもあって、それを考えるだけでワクワクします。
-で、後夜祭でも誘いきれなかったバンドを前夜祭に呼んで。
吉岡:そうですね。誘えなかったり、タイミングが合わなかったバンドを呼んで、本祭に向けて盛り上げていきたいってところです。横浜 BuzzFrontはプレオープンの1発目に俺たちが出たんで、実質BuzzFrontで一番最初にライヴをやったバンドなんです。
伊東:新宿ACBは僕らのホームなので、BuzzFrontはTHE BELGA、新宿ACBはSTRIKE AGAINが担当して、一発ずつやることになりました。