STRIKE AGAIN：伊東 勇太（Vo/Gt）
THE BELGA：吉岡James憲弘（Vo/Gt）
Interviewer：フジジュン　Photographer：清水舞

－昨今のライヴハウスの状況についても聞きたいのですが。本当にここ最近、ライヴハウスにどんどんお客さんが戻り始めてるし、ライヴを欲している感をすごく感じるのですが、コロナ禍もライヴをやり続けてきたバンドとしては、昨今のライヴハウスの状況の変化をどう見ていますか？

伊東：フェスをやるって決めたときはコロナの状況とかわからないまま日程を決めたんですけど、フェスをやるタイミングとしてはめっちゃいいなと思ってます。

吉岡：ずっとライヴをやって、ずっとライヴハウスを見てたんで、浮き沈みはありながら、要所要所で状況が変化していくのは感じてて。俺ら、そんなたくさんお客さんが集まるバンドじゃないんでミニマムな話ではありますけど、お客さんの"ライヴをやってくれてありがとう！"という気持ちを感じ取れる瞬間も何度かあったので、それがこのフェスでドーン！ となればいいですね。

伊東：僕は今年になって、やんちゃなお客さんがどんどん増えてる感じがして。ライヴハウスの雰囲気が戻って来てる感じはしますね。コロナでライヴハウス離れして、いなくなっちゃった人ももちろんいるんですけど、見たことないやんちゃなお客さんを見ることも増えて。こっちももっと盛り上げよう！ って気になってます。

－少し前まで感じた、お客さんの不安や遠慮がだんだん払拭されてる感はありますよね。

伊東：まだお客さん同士、気を使い合ってるところもあると思うし、それも大事だと思うけど、ライヴの後半になってドーン！ と来たときは演ってる側もテンション上がりますね。だから盛り上げるハードルは昔より上がってる感はあるけど、それを超えて盛り上がったときの充実感は前よりすごいです。

吉岡：あれから何年も経っちゃって、元通りには戻らないと思うので、もとに戻すというよりは新しいものを作りたいって気持ちのほうが強いです。新しいお客さんというか、客層も順繰りになってると思うので、流れに沿って始めて来てくれる人も盛り上げていきたいって感じですかね。初めてライヴハウスに来るとか、初めてパンク・バンドを観るってお客さんがたくさんいてくれたら、すごいテンション上がりますね。

－4,500円でこれだけのバンドを観れるなんて、"ライヴハウスに行ってみたいな"って人にもいいきっかけになると思いますよ。

吉岡：このラインナップは絶対来て損しないと思います。メロディック・ハードコアの最高峰のイベントだと思ってます。

－素晴らしいです！ 全部が見どころというところで、このバンドがオススメみたいなのは難しいと思うので、照れくさいと思いますが、THE BELGAとSTRIKE AGAINでお互いのオススメポイントを聞かせてください。

伊東：僕がTHE BELGAで好きなのはJamesの大暴走です（笑）。Jamesが吹っ切れた瞬間のライヴがめちゃくちゃカッコ良くて、観てて鳥肌立つんですよね。

吉岡：STRIKE AGAINはね、俺らにないものを全部持ってるんですよ。演奏力とかジャンルに対するリスペクトとか。俺らはやりたいことや、よそと違うことをずっとやり続けてるバンドなんですけど、STRIKE AGAINはメロコアど真ん中で演奏もしっかりしてるし、勢いもあるし、ライヴ運びも上手いし。いつも勉強させてもらってるし、"悔しい！"って思わせてくれるライヴをやってくれますね。

－互いに影響を与えあって、めちゃくちゃいい関係性ですね。今年CITTA'でフェスを成功させて、いつか野外とか、もっと大きな会場でとかは考えてたりするんですか？

吉岡：いつかやりたいですけど、そこまでは考えられなかったですね。

伊東：俺ら、青空似合うかな？

吉岡：似合うよ、一番似合うよ（笑）。あと、先輩は説明不要ですけど、CODE AXE、See You Smile、FIVE STATE DRIVE、JasonAndrewとか、今キテる若手のバンドもたくさん出演するんで要チェックだし、若いバンドとも新しいシーンを作っていければと思ってます。

－先輩も後輩もカッコいいなと思っても、そこで橋渡し役として旗を振る人ってあまりいなくて。その役割を買って出るのも、すごくカッコいいと思います。

吉岡：それは非常に思います。俺なんかは田舎に住んでるときに"いいな、ライヴハウス楽しそうだな"と思ってて。いざ東京に出てみたらシーンが変わってて、インターネットやサブスクが身近になってて。すごい時代が変わったタイミングだったので違和感がずっとあったし、俺らは先輩のカッコ良さも若手のカッコ良さもよくわかる狭間の世代なので。俺らも全部ひっくるめたバンドになりたいと思うし、それを1回ごっちゃにして、"どっちもカッコいいね"って思ってもらえるような日にできればいいなと思ってて。俺たちにしかできないことをやりたいなと思っています。

伊東：うちのバンドが10周年で、節目のタイミングで自分たちのケツを叩けた自分たちがカッコいいなと思ってるというか。誘われたライヴに出るか出ないかみたいな活動になりがちだったところを、これだけの大規模なイベントを自分たちで発信できるというのは、たぶん今後バンドを20年、30年続けていくうえでもめっちゃデカい経験になるなと思って。今、本当に一生懸命やってますね。

吉岡：大人になっちゃったんだよね（笑）。でも、若いときは見えなかったものが見えるようになってきた部分もあるし、昔より行動力や知識もあるんで、今のタイミングでやれることはいっぱいあったし、ひとつのターニング・ポイントになるような気がするし、自分たちがメキメキと成長できているのを感じてます。

－あと、THE BELGAは正式メンバーだけ見つかればね。

吉岡：そうですね。飛ぶ準備は万全なのに、片翼がないから飛べない（笑）。それもやってるうちに気持ちの合うやつが見つかると思うので、あんまり焦ってないです。

－では、最後にそれぞれ開催に向けての意気込みや抱負を聞かせてください。

吉岡：THE BELGAは後夜祭以降、ライヴ全部断ってるんですよ。人生賭けてやってると言ったら大げさですけど、それぐらいの気持ちでやってるんで、それ以降のことが考えられなくて。フェスが終わったあと、どうなるのかわからないですけど。今後も活動していくうえでのいい通過点にしていきたいですね。自分たちの力では到底なし得ないような大舞台に、憧れた先輩や頼もしい後輩、数え切れない人たちの力を借りまくって、なんとか齧りついて形にできた一世一代のお祭りです。必ず成功させるし絶対に最高に楽しい1日にするので大手を振って遊びに来てください！

伊東：うちのバンドは10周年ですし、このあとも予定は入ってるんですけど、メンバーと話すことと言えばフェスの話ばかりなので、僕らもめっちゃ楽しみにしてるし、めっちゃ楽しいんで、楽しむ気持ちを持って安心して遊びに来てほしいです。

吉岡：この日は誰が一番強いか決めようみたいな、"誰が一番楽しむでしょうか大会"なので。一番楽しんだ人に金メダルを用意して待ってます！

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