MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

Haint

2023.02.27UPDATE

Haint

Member:YU-TO(Dr) Kaz Niita(Gt)

Interviewer:清家 咲乃

-では、最近おふたりがハマっているアーティストというと誰になりますか?

Kaz:僕はBAD WOLVES、MOTIONLESS IN WHITE、WAGE WAR。メタルではこの3つが今一番好きですね。

-激ロックのDeath I Amインタビュー(※2016年6月号掲載)ではX JAPANとHans Zimmerがお好きとのことで。

Kaz:まさに。僕はもう中学生の頃からHans Zimmerとかその近辺の映画音楽作曲者たちをずーっと聴いてるんですよ。それとX JAPANもあって。キーボード関連のインスピレーションは全部そこから来ますね。

-ちょっとわざとらしいぐらい壮大な感じが好みなんでしょうか?

Kaz:EPまではストリングスをちょうどいいところか、ちょっと控え目くらいにしてたんです。でも、ちょうどいいぐらいだと聴いてる人が気づかないだろうなと思って、ある時点からドカーン! と大げさにしたんですね。そしたらYU-TOさんが"デカすぎる"って。

YU-TO:(笑)

Kaz:"ちょうどいいくらいだと気づかないですよ、大げさなくらい、何これって言われるくらいにやりませんか?"って言って。そしたら"まぁ、しょうがねぇなぁ......"みたいな感じで今に至ってます。

-お許しが。

YU-TO:まぁ(笑)。

Kaz:あとはSHADOW OF INTENTもハマりましたね。それもストリングス入ってますけど。僕はあれもこれもと横に広げていくのは得意じゃないですね。いいなと思った特定のものをいっぱい聴くって感じで。

-YU-TOさんは逆にたくさん聴くタイプということですが、noteで挙げていたのがAge FactoryやJUBEEで。メタル外のロックやラップもカバーしているんだなと。

YU-TO:今は日本のバンドだったらAge Factory、CVLTEとか大好きだし、2バンドともライヴも行ったし。ヒップホップだったらkZm、海外だったらNOTHING,NOWHERE.とかそのへんかな。自分がメタルなのかエモなのかわかんなくなるときがあって。意外と俺の世代って多いんですよね。ちょうどエモはスクリーモみたいなのが出てきて盛り上がったときで、メタルはメタルコアが盛り上がったときで。いわゆる歌モノみたいなのが結構好きですね。むしろ"メタルも聴くし"ぐらいのバランスになってきてる感覚はありますよ(笑)。

-収録曲に触れていきたいと思うんですが、「虚に産まれた毒蟲達の選択」は歌詞にギリシャ語が入っていたり語りが入っていたりとリブユウキさんワールドが全開で。1曲目にこんなにキャラが強いものを持ってくるのは大胆ですよね。

YU-TO:逆に初っ端から強烈なの残したいなっていう感じがあったので。本当に素晴らしい仕事をしてくれて、リブさんが。

Kaz:個人的な話ですけど、この曲は2022年にDeath I Amの曲を作ったらどんな感じになるだろうって考えながら作ったんです。曲の構成もイントロ~Aメロ~Bメロ~サビ~Aメロ......というのじゃなくてひたすらリフ、リフで発展していくような感じで、その上にキーボードやら効果音やらをいっぱい入れて、そこにリブさんワールドがドーン! と乗っかったんで、す~ごいインパクトあるので、1曲目にしました。

-掴みとして最適だと思います。「Break My Shell」はいわゆるデスコア的な"チャグい"パートがあるんですが、ここにもまたストリングスが入っていて。

YU-TO:元ネタはDARKO USです(笑)。MESHUGGAHとかも好きなんで、それで"こういうのやりたい"って送ったらわりとすぐKaz君が乗っかってきて。

Kaz:途中でMESHUGGAH的な、拍がわからなくなるところがあるんですけど、僕、そういうの作れないんですね。そこはYU-TOさんがドラムで作ったビートを送ってきて、それをもとにリフを考えていって。で、やっぱりメロディックな部分が欲しくて、曲の中身的にも壮大な感じで終わったらいいなと思って最後にストリングスを持ってきました。ギターはこれが唯一8弦の曲ですね。

YU-TO:この曲は最初からヴォーカルはBara(HONE YOUR SENSE)さんでって話だったよね。Kaz君が"Baraさんがいいです"って言ってて、"じゃあ連絡するよ"って。

Kaz:いかつくて最高ですね、Baraさん。

-続く「Light The Skies」含め4曲に参加されているBilly DouglasさんはYouTubeでBRING ME THE HORIZONのカバー動画などを投稿されてますが、そちらの活動がメインの方なんでしょうか。

Kaz:正直、彼のメインの活動があんまりわかってないんですけど。僕、もともと自分のソロ・プロジェクトのヴォーカリストを探してたんですね。Facebookに"歌いますよ"とか"ミックスの仕事ありませんか"とかそういう、掲示板みたいなグループがあって、そこで彼を見つけました。5年ぐらい前ですね。そのときは予算が合わなかったんですけど、Haintをやることになったときに声掛けました。あんなに叫べて歌えてって、なかなかいないですよね。

YU-TO:"こういうやつがいるんです"ってBillyがALL TIME LOWのカバーをしてる動画がKaz君からが送られてきたんですよ。"もう、こいつ(で決まり)じゃん"って(笑)。4曲目の「Closure」は俺、聴いた瞬間テンションぶち上がって部屋の中をひたすら何周もしたよ(笑)。

Kaz:ハーモニーも全部考えてきてくれるんですよ。ビデオも撮るし。すごい人です。まぁ唯一......結構時間かかりますね、彼は。けど! 絶対にいいものを出してくれるし。会ったこともない人ですから"大丈夫なの?"って最初は思いましたけど、4、5曲やっていくと信頼感もありました。

YU-TO:俺とKaz君はA DAY TO REMEMBERとかYELLOWCARDとかポップ・パンクの方の共通項が多いので、たしか"ふたりでやるんだったらそういう曲もやるべ!"みたいな感じで「Closure」をやったんだよね。

Kaz:YELLOWCARDのバラードっていうつもりで作りました。

-「Sigh Of Ruin」はTHOUSAND EYESチームで、メロディックだけどモダンな感じ。ドラムはアルバムの中では相当激しいほうだと感じたんですけども。

YU-TO:全然凝ったこともしてないし、意外と自分が聴いたままに叩いたドラムって感じで。Kaz君もたぶんエディットそんなにしてないんですよ。普段自分の出してる音源よりは結構ラフなドラムになってて、素の俺って感じがしますね。

Kaz:そうですね。僕、僭越ながらYU-TOさんのドラムを世界一かっこ良くエディットできると思ってるんですね。何年も一緒に過ごしてきてドラムのこと語ったりして、どういうドラムを求めているかがすぐわかるんです。編集するのって、全部グリッドに合わせればいいってもんじゃなくて、合わせにいくけど、どれぐらい合わせるかというのは箇所箇所によって基準が違くて。それをどこで判断するかっていうのが僕はわかるんですよ。YU-TOさんの顔が浮かぶんです。"こういうふうにして"って言うだろうな、みたいな。

YU-TO:なんか気持ち悪い話だな(笑)。

Kaz:(笑)ナチュラルでラフなところ残ってるし、すごくちょうどいい具合にまとめられたかなと思いますね。ちなみにこの曲はメタルコアにしてくれって言われてたんですよ。

YU-TO:コテコテなメタルコアをやりたいよねと。FEED HER TO THE SHARKSってバンドみたいな曲やりたいって送ったんですけど、全然違うのが送られてきて(笑)。

Kaz:メタルコアって言われて、KILLSWITCH ENGAGEを思い浮かべたんですよ。

YU-TO:3拍子なのはKILLSWITCH ENGAGEっぽいけど(笑)。

Kaz:そうそう。だからイントロはどメタルな感じかなと思って。Bメロから"あ、KILLSWITCH ENGAGE! なんか3拍子っぽいな......"ってメロディックにしていったらメロデスになりましたね。そしたらYU-TOさんが、これDOUGEN(THOUSAND EYES/UNDEAD CORPORATION etc./Vo)さんとTORU(TEARS OF TRAGEDY/THOUSAND EYES/Gt)さんに参加してもらったらいいんじゃないかって。メロデスの達人たちに参加していただいたんで、そりゃ最強ですよね。DOUGENさんが日本語で歌うのは初めてって言ってませんでしたっけ?

YU-TO:初めてらしいけど、最初電話かけたとき"どっちでもいいよ"みたいなこと言ってた(笑)。じゃあ日本語のほうがやりやすいしいいかなって書いてもらって、歌っても全然違和感なかったんで。TORUさんもやる前から一発OKになるだろうなって思ってて、ファイル送られてきてもうすごすぎて笑っちゃって(笑)。

Kaz:それがダメだったとき用にもう1案作ってあったんですって。すごいですよね。

-6曲目が「Into the Vortex」で、アポカリプティック・シンフォ・デスコアというか。盛り上がりの山があって、それが収まって、また山を作って。これもカロリー高めですよね。

Kaz:はい(笑)。1曲目と同じ時期に連続で作ったんですけど、これも"Death I Am 2022"って感じで。そこからHaintでしかできない、キーボードなり効果音を乗せまくるっていう。ライヴもしないし別に誰からどう言われてもいいし、もうめちゃくちゃなことやってみよう! って感じで効果音いっぱい乗せて。SABLE HILLSのおふたり(TAKUYA/Vo、 Rict/Gt)は素晴らしかったですね。

-ギターがソロでグッと前に出てくるのもすごく熱くて。

YU-TO:意外だったけどな、ソロは。もっと弾き倒すのかなと思ってて。

Kaz:SABLE HILLSはすごいですね。HATEBREEDのヴォーカル(Jamey Jasta)がポッドキャストでUNEARTHのヴォーカル(Trevor Phipps)と対談してるんですよ。UNEARTHはこないだ来日したから"サポート・アクトとかどうだったんだ?"みたいな話してて、"日本のSABLE HILLS、本当あのバンドすごいよ"って言ってましたね。大絶賛。"曲もかっこいいし、ライヴもすごいし、絶対アメリカでもビッグになるからJamey絶対聴いとけよ"って言ってました。