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INTERVIEW

JASPĘR

2022.04.29UPDATE

2022年05月号掲載

JASPĘR

インタビュアー:吉羽 さおり

2021年8月に1stデジタル・シングル「Lune」を発表し、そこからハイペースでリリースを続けるアーティスト、JASPĘR。フューチャー・ベースを基調にしたポップなチル・サウンドと、憂いあるヴォーカル、翳りがありながらも温かな光を湛えた歌の世界で、活動5ヶ月でTikTokのフォロワー数が13万人を超え広がっている。そのJASPĘRが"Despair to Hope"をテーマに3ヶ月連続新作発表企画をスタート、第1弾の「Mellow」に続く「Firefly」はこれまでとは一転、生のバンド・サウンドによるラウド・チューンとなった。自身のルーツにあるというラウド、スクリーモをJASPĘRサウンドとして昇華し、心の叫びを表現する。曲のみならずMVも監督するセルフ・プロデュース、DIY感を強め、大きな一歩を踏み出しているJASPĘRの現在について話を訊いた。

-2ndシングル『Heal』(2021年10月リリース)時は(姉妹メディアの)Skream!のほうでインタビューさせていただきましたが、そこからすぐ昨年末に発表した『Hello』(4thデジタル・シングル)が、TikTokで話題となりSpotifyバイラルチャートでも上位に入るなど、大きなリアクションを得ました。曲が大きくなっていく状況をどう捉えていますか。

「Hello」以前は、"JASPĘRってこういうものだよ"という曲を出していたんですけど。「Hello」で初めてたくさんの方から反響をいただいたので。そこは自分でも驚きもあったし、嬉しかったですね。

-「Hello」あたりから歌詞を自身で書いていますね。

そうですね。今回の3ヶ月連続リリース企画から、全曲を僕が作詞をするとなって。今までの曲ももちろん僕のイメージや、こういう言葉を使いたいとかを踏まえて作っていたんですけど。やっぱり、自分の言葉で作詞をする、想いを伝えるほうが聴いている人に一番届くんじゃないかなと思って。初めての挑戦だったので、いろいろなことを考えながら作っていきました。

-今回の3ヶ月連続リリースでは"Despair to Hope"がテーマとなっています。こうしたテーマを掲げたのは?

『Hello』のおかげでいろんな方にJASPĘRを知っていただいているこのタイミングで、自分の伝えたいことや自分が歌を始めたきっかけ、JASPĘRのコンセプトである絶望の中にいる人たちに小さな光を与えられるような音楽を、改めて伝えていけたらというのがありましたね。それを"Despair to Hope"という具体的な企画にして表現しようと。

-3作品でこんな曲がいい、こうしたサウンドにしたいなど何かプランはあったんですか。

"Despair to Hope"=絶望から希望へというものにもいろんな形があると思っていて。いろんな形の絶望があっていろんな形の希望があって、曲ごとにテーマを決めて自分なりに作っていった感じですね。第1弾の「Mellow」(2022年3月リリースのデジタル・シングル)では、MVでも表現しているんですけど、目が見えない女の子をテーマに作詞をしている曲で。たまたまテレビを観ていたとき、目が見えない方の番組をやっていて、それを観たときに感じたことを伝えたいなと思ったんです。目が見えないことでハンデがあると思われてしまうけれど、僕はそうは思わなくて。目が見えないからこそ、その人にしかわからない世界があって、その人にしかわからない希望や絶望もある。そういったところにフォーカスを当てて、その人の気持ちになってみたり、客観的な目線を入れたりというのを意識して作っていった曲でした。

-JASPĘRさんのMVはそれまでイラストを用いたものが多かったですが、「Mellow」、そして今回の「Firefly」も自身が出演するリアルなものになりましたよね。

今まではイラスト系のMVが多かったんですけど、曲を作っている段階でこういうMVにしようかなってイメージがあったんです。

-ガラリと変えることに対する怖さというのはなかったですか。

そこは気にしていなかったですね。自分の頭の中にあるイメージをそのまま作って出して、それに共感してくださる人が一人でもいたらいいなという思いがあるので。

-「Mellow」は繊細な歌詞と、温かなサウンドによる曲でしたが、続く第2弾となる今回の「Firefly」は、これまでのJASPĘRにはなかったラウド・ミュージックとなっていて驚きました。

「Firefly」に関しては特にサウンド面が、今までとは差がある作品かなと思っているんですけど、もともと僕の音楽の原点がラウド系の激しいロックなんです。このタイミングで原点を出したいなっていうのが自分の中にあったというか。「Firefly」は作詞と作曲を同時に進めていった曲なんですけど、この曲で自分の音楽の原点となるものを表現したいなと、思い切って作った曲でした。

-歌詞と曲を同時進行でということですが、作曲のhide(SINCLAD)さんとはどのような感じで進めていったんですか。

hideさんとは長い付き合いなので、聴く音楽とか僕が好きな音楽も理解してくれているんですけど。これまでのJASPĘRの世界観に、どうラウド・ミュージックを取り入れるかはふたりでずっと話して、試行錯誤しましたね。結果的にJASPĘRらしいもの、僕ならではの音楽にできたのかなと思うんですけど、一番悩んだのは、スクリームをどう入れるかで。

-主旋律と絡む感じで結構な割合でスクリームが入っていますね。

自分はそういうスクリームも大好きなんですけど、今までのJASPĘRの曲の感じもありますからね。今までの曲が好きな方、JASPĘRを聴いてくれているファンの方はバンドに馴染みがない人も多いと思うので、急にスクリームが入ってくることでびっくりしちゃうかなって思ったんですけど。でもその心配よりも、自分の頭の中にある音楽、作りたい音楽を出したいというのが強くて。

-このスクリームもJASPĘRさんがやっているんですか。

いえ、これは別の方にやってもらってます(笑)。そこも、こういうアーティストのこんなスクリームがいいとか、いろんなこだわりがあるので。何回か打ち合わせしてやってもらいましたね。僕のスクリームのイメージとしては、個人的に低音のスクリームよりも、叫びに近いようなスクリームを好きで聴いてきたので、そういう感じができる人を探したり。あとは、この歌詞の部分はこんな感じでやってほしいというのも、細かく話しましたね。「Firefly」に関しては言葉よりも自分の内面の叫びというか、そういうのを表したかったので、僕のヴォーカルと叫びをどうしても入れたかったんです。

-スクリーム・パートももちろんですが、曲自体もこれまで以上に物語性の高いものになっていて、様々なドラマに富みながら、ラスサビへと向かっていく。こうした曲の流れについても、JASPĘRさんの頭の中に設計図的なものがあった感じですか。

曲、サウンドに関しても僕自身がここはこうしたいってのを反映してもらっていますね。形にしてもらったという感じでした。実際、最初に来た曲と完成したものでは、結構違っているんです。ラスサビも最初の段階ではなかったんですけど、どうしても最後に希望を表現したかったので、ラスサビのセクションを丸ごと追加して。

-「Firefly」という曲、この叫びの衝動になったものは何が大きかったのでしょうか。

重い話になってしまうんですけど、この曲に関しては僕の実体験をそのまま歌詞にしているんです。昨年、僕の大切な人が亡くなってしまって。そのときの想いや伝えたいことを、ずっと考えながら作っていましたね。

-言葉にするのはなかなか難しい気持ちですね。

そうですね。でも自分の場合あまり友達が多いほうではないから、誰かに話をすることも少ないので。逆にこうして曲にできたことに、報われた思いがしたというか。ただ亡くなってしまっただけではなくて、突然のことだったんですよね。だから自分の頭が追いつけていないというか、現実かもわからない感じだったんです。タイトルが"Firefly"=蛍なんですけど。暗闇に光る蛍が、パッと見たら消えているみたいな。突然いなくなってしまう命の儚さを蛍からイメージして曲を作っていきました。

-大事な人、自分にとってかけがえのない人がいなくなってしまう経験は、自分のその後の生き方にも影響しそうですね。

大切な人が急にいなくなってしまうことは、絶望的なことだし、それ以上悲しい出来事はないです。でも、そういった出来事があったからこそ、その人の大切さがより感じられたり、その人がより近くで見守ってくれていることを僕は感じたりしているので。自分に伝えている部分もあるし、自分のような経験をした人に向けても大丈夫だよというのを書きたいなと思いましたね。

-そうした思いを曲にしようとなったときに、ラウドなサウンドが結びついたんですか。

そうですね。伝えたいことを自分の原点の音楽で伝えたいっていうのは強かったですね。今回はすべて生の楽器で演奏しているので、そこも今まではとは違う感じになっていると思います。MVでもバンド・メンバーが映っているんですが、別に僕だけでも良かったんですけど、僕はバンドがすごく大好きでバンドがきっかけで音楽を始めたので、この曲に関しては"バンド"にしたかったんです。

-もともとこれまでの作品でも、クリエイティヴに関して自身でディレクションをしてきましたが、この"Despair to Hope"企画ではセルフ・プロデュースをより強めて、MVについても自分で監督をしています。プロデュースすることには、以前から興味があったんですか。

今回3ヶ月連続リリースですべて、作詞とMVの監督を担当しているのですが、今後は自分以外のアーティストさんのMVとかも監督したり、プロデュースしたりしてみたいなとも思っているんです。この映像の感じはJASPĘRだなとか、僕なりの世界観をもっといろんな人に届けられるようにやっていきたいですね。