JASPĘR| 激ロック インタビュー

2022.04.29UPDATE

2022年05月号掲載

JASPĘR

Interviewer：吉羽さおり

特定のジャンルはないけれども、"JASPĘRのジャンル"みたいなものを確立できたら

－JASPĘRとしてスタートして8ヶ月あまりですが、いいペースでリリースが続いています。ここからは、アルバムなどまとまった作品というのも想像しているんでしょうか。

今後、こういうタイミングで出したいなとかはあります。今は1曲ずつのリリースなので、そのぶんひとつひとつの作品に対してよりこだわることはできているなと思います。今伝えたい僕の心情、僕の気持ちをリアルタイムで出していきたいのが一番にあるので、こういう方法になっているのもあるんですけど。

－となると、先が読めない感じがありますね。

そうですね。今はこういう曲を作りたいって思っていても、もしかしたらリリースする段階になって、やっぱり違うメッセージを伝えたいなとかも、たぶん起こってくると思うので。今の段階ではまとめて曲を出すよりも、今伝えたいことを1曲ずつという、僕の今の心情に合わせて出していくのが自分に合っているのかなと思います。

－「Hello」など、より大きな反響があったり曲が広がっていったりするなかで、リスナーの意見や感想を汲んでじゃないですが、もっとこういう曲がいいんだなと参考にするようなことはありますか。

1曲ずつのフィードバックや聴いてくれた人のコメントは重要だと考えていますね。「Hello」に関しても、"中毒性があって、1回聴いたらずっと聴いちゃう"とか"元気が出る"とか、"毎日勉強のときや、通学で聴いています"というコメントを見ると、次に出すときに例えば「Hello」みたいに明るくて、キャッチーな曲も作っていきたいなと思うし。今回の「Firefly」を聴いてこういう激しい感じも好きだなって言ってくれたら、今後も出していきたいなと考えますしね。なので、聴いている人からのフィードバックは自分の中では大切だなって思っています。

－ちなみに「Hello」のときはJASPĘRさん自身で、よりキャッチーなものにしようなど狙いみたいなものはあったんですか。

「Hello」は狙っていました。主にTikTokで動画を上げていて、自分もTikTokをよく見ているので、どんな音楽がバズっているかも参考にしましたね。TikTokでは、短い時間でどれだけ頭に残るものにするかが大事かなと思っているので。そういう曲をJASPĘRでも1曲作りたいなと思っていたんです。そこで「Hello」で、バズらせたいなという思いが生まれて。

－それが、狙い通りになった。

なんとか（笑）。

－手応えが生まれますね。且つ、それだけではやっぱり飽き足らないからこそ、今回の「Firefly」のような自分にとっての原点回帰的な曲も生まれてくる。

「Hello」とは真逆な感じですしね（笑）。だからと言って「Hello」は自分の好みじゃないとかではなくて、好きなものの内のひとつを追求した感じなので、大切さは変わらないです。

－今、こういうサウンドやこういうテクスチャーのものが面白そうだなとか、興味が向いているものってありますか。

よく、"JASPĘRってどんなジャンル？"と聞かれることもあるんですけど、現段階ではジャンルというものはなくて。ある程度ジャンルを絞ったほうが、その人の音楽がわかりやすかったりすると思うんですけど。逆に僕は、リリースするタイミングで好みというか、こんな曲にしたいっていうのが変わってくるので。自分としては、ジャンルは絞りたくないんです。でも"この曲JASPĘRっぽいよね"とか、"これはJASPĘRの曲だよね"っていうのは魅力的だなと思っているので、特定のジャンルはないけれども、"JASPĘRのジャンル"みたいなものを今後確立できたらなと思っています。

－今後、JASPĘRとして目指す目標はありますか。

これまではデジタルでのリリースなので、CDとしてJASPĘRの作品を届けたいというのはあります。それは今後できたらいいなというのがひとつと。ライヴもやっていきたいなというのもありますし。あとは、自分の中での目標が、ずっと大好きなアニメのオープニング曲をやりたいということで、これは実現できたらいいなと思っていますね。変わらない大きな目標ということで言えば、JASPĘRを始めたきっかけである絶望の中にいる人たちの支えになること──音楽を聴いて、もう少し頑張ってみようとか、少しでも生きようと思えるとか、そういう人たちをひとりでも多く増やしていけたらなと考えています。