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INTERVIEW

矢島舞依

2018.10.15UPDATE

2018年10月号掲載

矢島舞依

Interviewer:荒金 良介

-「LUNATIC ISOLATION」の編曲は、BABYMETALなどを手掛けている教頭先先が担当していますよね。

2ndミニ・アルバム(2017年1月リリースの『BLOODTHIRSTY』)に入ってる「BLOOD RESOLUTION」と対になるイメージで、「BLOOD RESOLUTION」は大仰な曲調なので、ライヴでやると終わってしまう感が出ちゃうんですけど、それと並ぶぐらいの曲が欲しいなと考えたんです。「BLOOD RESOLUTION」は反響もいいので、それは矢島舞依のひとつの売りだなと思って、そういう曲を作りましょうという話で。1曲でも成り立つような壮大な作風を作ってもらいました。

-歌詞は"愛するが故の切なさや孤独感、女性としての想いを詰め込んだ"とTwitterで説明してましたよね。

前作は愛とそれにまつわる憎しみでまとめていたので、愛を表現するためにはクサい言葉やわかりやすい言葉を使うべきだなと思い、自分の殻を破って書いたんですよ。その殻を破ったあとだったので、今回はするっと書けましたね。

-「LUNATIC ISOLATION」は今作の中でもシンプルな言葉使いが目立ちますね。"此処に来て抱きしめKissして離さないで...真っ直ぐ私を見つめて欲しい"の歌詞はかなり直球だなと思いました。

あっ、そうだ! 書きましたね(笑)。愛を表現するのにKissというフレーズは引っ掛かる単語だなと思って。今回は"Vampiress"というアルバム名なんですけど、エリザベート・バートリという中世の伯爵夫人がモチーフになっているんですよ。どこにもエリザベートという名前は出してないけど、彼女をテーマにしてて、女性の感情、苦悩、闇の部分だったり、女性ならではの醜さだったりを入れてみようと。だから、女性らしい湿っぽい感情とかは結構入ってると思います。その意味では前作と繋がっている部分はなきにしもあらずですね。

-あぁ、なるほど。

さらに黒くて深い、ヤバい気持ちがたくさん出てると思います。音的にも凶悪というか、重くて激しい曲が増えてますからね。

-今作はさらに1曲1曲の世界観を突き詰めた濃密な曲調ばかりだなと思います。

自分がいろんなアルバムを聴いて、アルバムの中で何曲かは好きということはあるんですけど、そうじゃなくて、全部が自分の売りでそれぞれが引き立て合うフルコースみたいな作品にしたかったので、曲順もギリギリまで悩みました。

-冒頭の「箱庭」から「Velvet Rose」の流れもインパクトがありますよね。

「箱庭」は今までの自分にはない毛色の曲ですね。ちょっとホラー感のある曲が欲しくて。シリアスな曲が来たので、"よっしゃ!"と思いました(笑)。すごくかっこいい曲だなって。歌詞もするっと書けました。メロがキャッチーな曲が多いし、自分の声をポップな方に寄せてしまう傾向があるのですが、こういう曲だと重みが出せますからね。大人の雰囲気を出せたらいいなと思ってました。

-先ほども話してくれましたが、そもそもエリザベートさんを作品のモチーフに取り上げようと思った理由は?

もともとその方は知ってて、バンド名にも使われてますけど、アイアン・メイデンという拷問器具があるんですよ。エリザベートさんは処女の生き血を浴びて、若返りを図っている方で、その生き血を集めるために使う器具がアイアン・メイデンなんですよ。漫画にも出てくるので、それでその拷問器具を知りました。

-そうなんですね。

「Vampire Maiden」(2016年リリースの1stミニ・アルバム『The Un-Dead』収録曲)がバンドとして動き出したときの最初の曲で、そのときに詳しく知っていたんですけど、そのころからエリザベートさんをテーマにした作品を作りたいとずっと思ってて。出しどころを考えてたんですよ。で、こういうコンセプトで作品を作りたいと話したら、エリザベートさんをテーマにした作品はメタル系でも多く使われているし、メタル好きの女性にも聴いてもらいたいので、エリザベートさんをテーマに女性の闇や醜さを描こうとなったんです。

-ちなみに今回のジャケは矢島さん本人ですか?

はい(笑)。気づかなかったですか?

-そうだろうと思ったんですけど、実はモデルの人を使ってるんですというパターンもあるのかなと。

今回は相当頑張りました。写真やメイクの方も女性だったので、やっぱりやろう! と思って。