INTERVIEW
NoisyCell
2017.06.16UPDATE
2017年06月号掲載
Member:Ryosuke(Vo/Gt) Ryo(Gt/Scream/Prog) Kiara(Ba) Tatsuya(Dr)
Interviewer:山口 智男
今回、一歩前に出た歌を一番に聴いてほしかったんです
-「Days」の"もう嫌だとか零した日も"なんて、そういう弱音みたいなことも歌っちゃうんだって(笑)。
Ryosuke:でも俺、もともとネガティヴなんで(笑)。できあがってから読み直して、次はもっと明るい曲を書こうと思いましたけど、これはこれで自分をそのまま出せているところが今回はいいと思いました。
-いや、さっき言っていたドンドンタンっていう演奏や"Oh oh oh"っていうシンガロングが歌の主人公の背中を押しているように聞こえるところがすごくいいと思うんですよ。
Ryosuke:そう、歌詞だけでは成立していないっていうか、がちっと4人になったって、聴き返していても俺自身が思えるというか、たしかに曲に言葉を持ち上げてもらっている気がするんですよ。
-その一方で、「"Good Luck"」はラウドロックな魅力が一番出ている曲ですが、リズム隊のふたりは特に楽しかったんじゃないですか?
Tatsuya:楽しかったですね。ほぼ全編ツイン・ペダルを使っているんです。
Kiara:スラップって、今までNoisyCellの曲には入ってなかったから、デモをもらったとき、スラップを入れたらどうですかって提案したんですけど――
Ryo:イントロはもともと、ギターだったんですよ。それを、Kiaraが自らスラップでやりたいって言いだしたんですけど、最初はね、全然できなくて(笑)。
Ryosuke:でも、できるようになったからすごいよね。できるようにしたんだから。
Kiara:そのときに敦さんに教えてもらったんです。
Ryosuke:ふたり、めちゃめちゃ頑張りましたよ。今回はふたりのためのレコーディングだったと言ってもいいぐらいです。できないことをできるようにしてくれてね。
-その一方では、リズム隊が入ってない「THE JUNK and THE MOON」(Track.5)のような曲もあって、これだけ曲の幅が広がると、ヴォーカリストとしてはさらなるチャレンジだったんじゃないですか?
Ryosuke:前までは、ここでブレスを入れた方がかっこいいといった技術的な挑戦が多かったんですけど、日本語の歌詞になってからは、どういうところを伝えるのかを意識するようになってきて。今回、日本語の曲が4曲に増えましたから、どういうふうに歌ったら伝わるのかっていう挑戦は新たにありましたね。結果、いい歌が歌えたと思います。
Ryo:これまでも大事だったんですけど、最優先ではなかった。同軸にバンドの演奏、アレンジ、曲のパンチ力があったんですけど、今回はそこから一歩、ヴォーカルが前に出たことによって、ヴォーカルの歌いたいことに曲を合わせていったんです。そういうふうにアプローチが変わったことで、前作以上に歌がまずガツンと来るものになりました。
-ゲームの世界観というところで、前作よりもシンセの比重が増えましたが、それによってギターのアプローチはどう変わりましたか?
Ryo:この4人でやるようになってから、同期なしでライヴしてみたりしたんですよ。その延長で、今回は同期ももうひとりのメンバーというイメージで重ねていったんです。それによって、もちろんヴォーカルが一番前にいるんですけど、全部の楽器が際立った気はします。前回も引き算ってことを言ったと思うんですけど、前作は途中からそれに気づいて、もともといっぱいある情報を引いていったんです。逆に今回は、必要最小限のものをバンと置くみたいなやり方でした。だからフレーズひとつとっても厳選したものばかりを選んでいるんです。当然、ライヴの再現性も上がるじゃないですか。それによって、ライヴのクオリティもさらに上がると思うんですよ。
-リリース後のツアーも楽しみですね?
Ryosuke:"NEW GAME +"ってツアー・タイトルに、いろいろな意味を込めました。"NEW GAME +"って、昔の経験値を引き継いだ状態で新たにゲームをプレイするっていう、RPGゲームで出てくる項目のひとつなんです。だから、今までがあっての俺らでもあるし、新たに入ったふたりのエネルギーもちゃんとあるし。昔から来てくれている人もいるし、新作を聴いて、新たに俺たちのことを好きになってくれる人もいるし、みんなで新しいゲームを始めようっていう。新旧ファンと俺たちが新しいところに向かいながら挑戦していく。そういう意気込みでツアーを回って、ファイナルのワンマンもバシッと決めたいですね。
-その気持ちは「Pieces」にも表れていますが、そこで改めて、4人で音楽を作る決意を歌おうと思ったのは、何かきっかけがあったんですか?
Ryosuke:RPGというテーマのもと、出会いがキーワードとしてあったというのもあるんですけど、メンバーが頑張ってレコーディングしているところを見ていたら、こいつらと一緒に頑張っていこうかなって俺の中でも燃えてきたんですよ。それで自然とそういう歌詞になったんだと思います。