INTERVIEW
矢島舞依
2017.01.20UPDATE
2017年01月号掲載
Interviewer:荒金 良介
今の矢島舞依にはまだまだ満足していないし、まだまだ飢えています
-今回の歌詞で一番伝えたいことは?
アルバム名が"BLOODTHIRSTY"で、"血に飢えた"という意味があるんです。作品を通してテーマがあるといいなと思ったから、"血"をテーマにしようと。今回はどこかしら歌詞の中に"血"という言葉が入っているんですけど、血にもいろんな種類があるじゃないですか。身体の中を流れる血、外に飛び出る血しぶき、他に血腥さというか......戦争、残虐なイメージも思い浮かぶし。"Incest Taboo"(Track.4)は"近親相姦"という意味なんですけど、曲名もエグいものにしようと。歌詞の中にある"血筋"という言葉は、"血が流れる"という意味にも取れるように書いてはいるんですけど、全体を通して"血"というテーマ性を持たせました。
-またすごい題材を取り上げましたね。
えぇ(笑)。曲調はダークだけど、メロディはポップですから。サビは簡単な言葉でポップに届けたくて、そのギャップを見せられたらいいなと。あと「理想郷-ユートピア-」(Track.5)も、曲名だけを見るとポップなイメージを抱くかもしれないけど、歌詞のテーマは"独裁政治"なんです。自分についてこいと言ってるけど、それはユートピアなのか? ディストピアじゃないの? みたいなアプローチを取っています。一見ポップだけど、怖いものが潜んでいるという。
-音色も歌詞もダークだと、ただただ怖いだけになりますもんね。
それもいいけど、違う要素も入れたいなと。逆に、ただただポップというのも矢島舞依のイメージとは違ってくる。実はダークで裏話を聞くと怖い、みたいな引っ掛かる要素も欲しかったんです。でも、ライヴでは普通に盛り上がれる曲になってますからね。
-家でじっくり歌詞カードを読み返すと、実は......みたいな。それも音楽の楽しみ方のひとつですよね。
そうですよね。あれ!? って(笑)。
-そもそも"血"をテーマにしようと思ったのは?
血に飢えている......というのも、現状にまだまだ満足していないし、まだまだ飢えています、という意味合いもありますね。音、歌詞、ステージに関しても、今の矢島舞依には満足していないので。
-今回の収録曲を最初に聴いた印象はどうでしたか?
「SHOUT」(Track.2)はシャウトが一番カッコいい! と思って、胸に刺さりました。8分の7拍子で変拍子の曲なんですけど、メロディはわかりやすいので、カッコいいフレーズを入れて、お客さんとコール&レスポンスできるなって。ワチャワチャ盛り上がれそうですからね。ただ、単純にノれるリズムではないから、そこは今後どうしようかなと思ってます。この間のワンマンでも披露したんですけど、これから徐々にお客さんと盛り上がっていけるかなと。
-実際にライヴでやったときの感触はどうでした?
......。
-矢島さんは本当に正直ですね。
はははは(笑)。サビでは繰り返しの言葉を入れているので、今後は一緒に歌ってほしいですね。曲はすごくカッコいいから。あと、「BLOOD RESOLUTION」(Track.6)は作曲/編曲が違う方なので、今までと違う新しいニュアンスが出てると思います。
-編曲はBABYMETALの「Road of Resistance」、「Amore - 蒼星 -」(※2曲とも2016年4月リリースの2ndアルバム『METAL RESISTANCE』収録曲)のアレンジも手掛けている教頭先生が担当してますよね。今回お願いしたのはどんな経緯で?
共通の知り合いを通じて、お願いしたんですよ。以前に教頭先生が書いている音楽雑誌のコラムで、1stシングル『鼓動』(2014年リリース)を取り上げてもらえたことがあったんです。(今回の編曲者として)教頭先生という名前を聞いたときに、そうなんですか! と思って、すごく嬉しかったです。ギターは今までずっと編曲をやってくれている三宅(英明)さんが弾いてくれて、作曲は前作から担当していただいている新本和正さんなので、この曲だけ3人が関わっているんですよ。それも面白いかなと。