－常に挑戦しよう、という気持ちがあるんですね。「二日酔いのラプソディー」（DISC1のTrack.19）はLYNYRD SKYNYRDをモチーフに？

DUCK-LEE：大当たり。わざとだよ？

－ですよね。"Free Bird Version"（※「Free Bird」はLYNYRD SKYNYRDの代表曲）とちゃんとクレジットされてますもんね（笑）。

DUCK-LEE：俺、LYNYRD SKYNYRDがすげぇ好きなんですよ。

ACE DRIVER：戸城さんは包み隠さないんですよね。普通は言わないところを、正直に言っちゃうから（笑）。

DUCK-LEE：別にパクッてるわけじゃないし、尊敬の念があるからさ。本当に好きなんだよって。そんじょそこらのガキ・バンドには出せない味があるかなと（笑）。

ACE DRIVER：THE BEATLESもそうだし、昔のすごいバンドたちは"自分たちなりに消化したものはこうだ！"という形で見せるわけじゃないですか。ヘンな壁を作らずに、バンドとして進化していくのは建設的でいいと思いますね。

－LED ZEPPELINもそうですもんね。

DUCK-LEE：ブルース・ハード・ロックから、フォークみたいな作風もあるからね。

－オールタイム・ベスト盤は後半にまたメタルっぽい曲調が出てくるのが面白いですよね。

DUCK-LEE：横関が弾いてるからね。

TUSK：戸城さんから"またメタルっぽいアルバムを作るぞ！"と言われて、"俺はハイトーン・ヴォイスは出ませんけど！"って。

DUCK-LEE：ハイトーン・ヴォイスのメタルはやりたくないけどさ（笑）。

TUSK：だから"思うままにやればいいんだよ！"と言われました。

DUCK-LEE：で、こいつ（カネタク）には無理矢理ツーバスをやらせて。

－カネタクさんのルーツにメタルはないんですか？

カネタク：皆無ですね。それこそLYNYRD SKYNYRDとか、ああいうドラムがルーツなんですよ。なので、メタルは練習しました（笑）。僕もそれこそLED ZEPPELINとか、あのへんが好きなので、激しい音楽はそんなに聴いてなくて。

－また出発点に戻るように、激しい音楽でDISC1が終わるところがTHE SLUT BANKSらしいですね。

DUCK-LEE：そうなんですよ！ それが伝わればよかったです（笑）。

－DISC2は、現体制で録った最新ミニ・アルバムです。

DUCK-LEE：ディレクターに3、4曲は欲しいと言われたんだけど、新曲が多めにできちゃったから、全部入れちゃえって。9曲録音したんですけど、その中から7曲選びました。

カネタク：戸城さんの中でその時代ごとのブームがあるんだなと。おおもとは変わらないけど、トッピングは変わるみたいな。新曲の方はもともとの戸城さんのルーツが出ているのかなって。70年代っぽい曲もあるし、THE BEATLESっぽいと感じる瞬間もありますからね。

ACE DRIVER：現在進行形はこれだ！ って感じですよね。

－オールタイム・ベスト盤を踏まえてミニ作を聴くと、また音源との向き合い方が変わりますね。今、このバンドはどんな音を鳴らしてるんだろう？ と興味を掻き立てられます。

TUSK：あぁ、なるほどね。よく聴いてくれてますね。

ACE DRIVER：新曲からまたいろんなものが見えてくると思うので、そこも楽しんでほしいですね。

－新曲はパンクやメタルに寄るというよりも、普遍的というか、王道感のある曲調が多いなと。

DUCK-LEE：うん、70、80年代のLED ZEPPELIN、KISS、AEROSMITHみたいな雰囲気がなくはない。あのころのロック・バンドの匂いはするかな。60年代後半から70年代前半のバンドが好きなんだよね。GRAND FUNK RAILROAD、URIAH HEEP、KING CRIMSONも好きだし。T. REX、David Bowie......あのころのグラム・ロックも好きですね。

－あの時代のアーティストが放つキラキラ感が出てますね。

DUCK-LEE：そうそう。「TRICKER」（DISC2のTrack.5）はあのころのグラム・ロックが持っていたバカっぽさも出てると思うしね。OASISも好きだし、ロック・バンドらしいロックでしょ？ それにTHE BEATLESは中期が一番好きですね。ホワイト・アルバム（1968年リリースの10thアルバム『The Beatles』）あたりのPaul McCartneyの曲が好きなんですよ！ Paulの『Ram』（1971年リリース）というソロ・アルバムが一番好きなんだけどね。

－あと、最後に収録されている新曲「滅びる前に」（DISC2のTrack.7）は個人的に一番好きで、胸に沁みました。

DUCK-LEE：KING CRIMSONではないけど、そういうテイストの曲も好きだからね。ギターのフレーズはもっと弾きたいところだけど、弾かせないみたいな（笑）。そのへんの雰囲気も味わってほしいですね。