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INTERVIEW

THE STARBEMS

2016.11.02UPDATE

2016年11月号掲載

THE STARBEMS

Member:日高 央(Vo) 越川 和磨(Gt) 菊池 篤(Gt) 高地 広明(Dr)

Interviewer:荒金 良介

-世代やルーツの違いをむしろプラスの面として押し出そうと?

越川:"90年代のメロコア好きです"、だけだったら詰まっちゃうと思うんですよ。70年代の音楽も好きだし、BOYZ Ⅱ MENも歌えるし。

日高:はははは(笑)。俺、BOYZ Ⅱ MEN好きだから。

越川:音楽的にはるつぼですからね。その可能性を押し広げようと。日高さんは僕らよりもたくさん音楽を知っているんで、こっちが好きなものも理解してもらえるし、そういうフレキシブルな面が出ましたね。

-Track.4「Blasting Sounds」はBill Stevenson(DESCENDENTS/ALL)所有のスタジオ"The Blasting Room Studios"へのオマージュですよね?

日高:そうですね。今回はアメリカンな要素が少ないので、アメリカのインディーズっぽさも出したいなと。

-この曲も型通りのポップ・パンクじゃないですもんね。

日高:エンディングのノイズの方が本編より長いかもしれない(笑)。

-テンポ・ダウンしたあとのアレンジも面白くて。

越川:ムードを大事にした方がいいんじゃないかと。たまたま持ってる機材があったから、アコギや、地味にスチール・ギターも入れてみました。本来そういうものだと思うんですよ。レコーディングでいろいろ試さないと、新しいものも生まれない気がするから。悪ノリもできますからね。

-今作は日高さんがかつて在籍していたBEAT CRUSADERS時代よりも音楽的な扉を開け放ってますよね。ヘンな喩えかもしれませんが、結成したばかりのバンドがスタジオで無邪気に好きなフレーズを出し合ってるような衝動も感じます。

日高:5人になって初のアルバムという部分も大きいし、高地に1から10まで教えていたけど、今は1から9まで?

越川:だいたい教えられてる(笑)。

-今作はメンバー個々がプレイヤーとして楽しんでる表情が音から伝わってくるし、そこが素晴らしいなと。

日高:俺も「Born To Lose」(Track.6)はライヴでやっても楽しいですからね。この曲は、Ray CharlesとかJohnny Thundersとか、思いっきり"Born To Lose"と歌った人たちのことを歌詞に盛り込んでるんですよ。普段みんなこういう音楽を聴けばいいなと思うことを曲に入れることができました。あと、曲調も明るいし、今モータウンっぽいものがないから、そこにアグレッシヴなキックを増やしたらどうなるかなと。ギター・ソロも"ロカビリーで"と越川にリクエストしましたからね。制作過程の楽しさが曲にも出てるかなと。

-あと、Lemmy Kilmisterに対するオマージュもこの曲には入ってますよね。ベースはもろにMOTÖRHEAD風ですからね。ここまで元ネタを赤裸々に出すアプローチはなかったんじゃないですか?

日高:もうすぐ50歳になるから(笑)。素直になれているのかなって。

越川:メンバー同士、いい意味でぶっ込めるようになったから。これやりたい、あれやりたいって、ポジティヴに開けているのがいいと思いますね。ただ、逆にそれがややこしいんですけどね。なぜ今なんやろ? って。

日高:はははは(笑)。ほんとメンバー間がフィフティ/フィフティになったんだなと。

-誤解を恐れずに言えば、"THE STARBEMS、バンドになりました!"という作風ですよね。

日高:ほんとそうですね。友達になったことが大きいんでしょうね。今まで友達じゃなかったのか? という話ですが(笑)、それがサウンドにも反映されたのかなと。バンドとして自信が出てきたんでしょうね。これ聴いて"パンクじゃない"と言われてもいいし、"その方がパンクじゃん!"という潔さがあるなと。