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INTERVIEW

MUCC

2016.06.09UPDATE

2016年06月号掲載

MUCC

Member:逹瑯(Vo) ミヤ(Gt)

Interviewer:KAORU

-そんな、不安にさせないでくださいよ......。

逹瑯:この前、THE YELLOW MONKEYのライヴに行ったんですけど、再結成したバンドを見てきた中で、一番"止まってた感"がなかったですね。たぶん吉井和哉さんの個性だと思うんですけど、ずーっとTHE YELLOW MONKEYでもメインで曲を書いていて、ソロでも自分のやりたいことをやって、歌を歌っていて。俺はこれまでTHE YELLOW MONKEYを観たことがなくて、吉井さんのソロしか観てなかったんですけど、バンドになるとメンバー全員が主役だから、"どんな立ち回りになるんだろう?"と思って吉井和哉さんを観てたんですけど、すごく自然でした。もしかしたら、リアルな思い入れとしては吉井さんのソロの方が今のものに近いから気持ち的に違うのかな?と思って観てたんですけど、バンドが解散して止まっていたのに、再結成して復活したという感じがぜんぜんしなかった。

ミヤ:1曲目は何をやったの?

逹瑯:「プライマル。」(2001年リリースのシングル表題曲)。再結成する前のラストシングル曲から始まったんです。すごく自然でした。

-逹瑯さんご自身は、今の吉井さんくらいの年齢や、もっと上の年齢になったときのヴォーカリストとしての自分を考えたりしますか?

逹瑯:あの年齢にならないと出てこないヤンチャ感と深さってあるんだなと思いましたね。吉井さんだけじゃなく、先輩のバンドもそういう姿を見せてくれているので、早く歳を取ってみたいです。あの人たちが見てる景色を見てみたいという気にはなってますね。自分がそうなったときに、どんな景色が見えるんだろうってことに興味があるというか。

ミヤ:この前、"30~40歳の間の経験によって、40~50歳で何ができるかが決まってくるから、今が頑張り時だよ"って言われました。

-20年という長い歳月を経て、これからもずっと良いテンションを保っていくというのは簡単なことではないと思いますが、ミヤさんは今のご自身の状態をどう感じていますか?

ミヤ:やっぱりここまでやってくると、この先どれだけできるかを考えたりすることもあるんですけど。逆に20年もやってるのに、例えばこの前の金沢でやったセッションでは、俺なんかはクソガキと一緒なんですよ(笑)。ちょっと若手の奴が来たよくらいに思われてて。ぜんぜん若手じゃないんですけど(笑)、還暦のベーシストの方がいたりして。なんか、俺らなんて全然クソガキだなって思えたら、逆にそいういう良い経験ができるんですよ。例えばTHE ROLLING STONESの「Angie」(1973年リリースのアルバッム『Goats Head Soup』収録曲)も演奏したんです。俺は「Angie」みたいな曲がとにかく得意なんですけど、いざ現場でやるってなった瞬間に、いただいてた資料と違うキーだったんです(笑)。

-えぇ!

ミヤ:あの1分間でキーが変わるという瞬間を体験して、それに対応しました。そういうときってただのいちミュージシャンに変わるので、どう立ち振る舞えるかという経験をさせていただいたのはすごくありがたいですね。Kenさんが言ってたんですけど"どういう場所に自分の身を置くかっていうことを、ちゃんと自分で考えてやっていれば、常に音楽を楽しめる"って。普段、慣れ親しんでる環境じゃないところに積極的に身を置いて、確実に自分より上だと思ってる人と接して、常に自分が上がっていけることを意識してやっていたら止まらないと。金沢のセッションの現場はまさにそれで、未だに緊張はするわ、間違えるわとか、いろいろあるんですけど、そういう経験を楽しむことができてますね。

-新鮮な体験をして、そこで得たものを大切にしているのですね。DJ活動を長く続けているということも気持ち的に大きいのではないでしょうか?

ミヤ:DJにしてもバンドにしても、音楽を楽しむ行為や音楽との向き合い方って、今は無限にあるし、なんでもできるじゃないですか。30年前だったらそういう場所は全然少なかったと思いますけど、今はそういう場所もいっぱいあるし。そういうことを100%フル活用して、全身を使って音楽を楽しみたいし、楽しんでる気持ちをお客さんに伝えたいですね。例えば、激ロックもそうですけど、紙という形態も減ってるから貴重だと思うんです。物があるのはいいですよね。だから、20周年にしてアナログ・レコードを出したいです。ちょうどリバイバルしてるし、アナログ・プレイヤー付きで出そうかな(笑)。

-それでは最後に、シングル『ハイデ』について読者にコメントをお願いします。

ミヤ:わかりやすく言うんであれば、UKロックの感覚で聴いてもらえるといいかもしれないですね。バラードだと思って聴いてくれてもいいですし。

逹瑯:まぁ歌詞は頑張って書いたのが乗ってるけど、CDで聴いてライヴに遊びに来たら、歌詞は聴こうとしなくていいかなって気がします。感覚を曲に全部委ねてくれて、自然にリラックスして聴いてもらえるのが一番楽しいかと思うし、いいノリ方になるんじゃないかなと思います。

-野外や自然の中で聴いたらトランス状態になりそうですね。最初に聴けるのが?

ミヤ:6月25日の野音ですね。