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INTERVIEW

バックドロップシンデレラ

2015.11.14UPDATE

2015年11月号掲載

バックドロップシンデレラ

Member:豊島“ペリー来航”渉(Gt/Vo) アサヒキャナコ(Ba/Cho)

Interviewer:沖 さやこ

-今年はシングル2枚(2ndシングル『アラスカアバンチュール』と3rdシングル『COOLです』)に今回のアルバムを制作と、かなりの曲数を作っていらっしゃると思います。

アサヒ:何年か何もない時期があって。そのあとに1年に1枚アルバムを出すペースが目標になったんですよね。

豊島:そうですね。それで去年シングルをリリースして(※1stシングル『台湾フォーチュン』)、今年は『アラスカアバンチュール』(4月リリース)と『COOLです』(7月リリース)の2枚のシングルをリリースして。ちょっとバンドも盛り上がってきてるので、ちょこちょこリリースはしたいなと。曲作りするのは当たり前みたいな感じになってきてますね。あんまりスタジオでバンド練習みたいなものをやっていないので(笑)、基本的にはセッションをしたりして曲を作って。でも真面目に作ってるのは4~5曲くらいですけど(笑)。6~7曲くらいは思いつきなので。

アサヒ:そんなに(笑)!?

豊島:思いつきの方が絶対かっこいいんだよ(笑)! そういうものもありますし、作り込んだものもありますし。今回のアルバムは前作のアルバムの『シンデレラはいい塩梅』(※2014年リリースの6thフル・アルバム)が出たあと、11月くらいから作り始めました。作っている段階で"これシングルにしようか"という感じでシングルのリリースを決める感じで。

-今回のアルバムはどれも勢いがあって、聴く人間を休ませないアルバムだと思いました。

豊島:ドカンドカンドカン!と(笑)。アグレッシヴな感じで。前作がすごくいいアルバムだなと思ったんです。いい感じの歌モノもガツッとしたものもありつつで、音楽的にもいいアルバムだなと思っていたので次はパンチを効かせてみようと。あと、八十八ヶ所巡礼が去年出した『攻撃的国民的音楽』(2014年リリースの5thアルバム)というアルバムがすごく良くて。これだけ攻撃的でかっこよくなるならいいなあ!という思いもあって、ちょっとピリッとしたものにしようかと。自分たちがこのままふわふわとどんどんいいバンドになっていくのはちょっと......(笑)。

アサヒ:(笑)このままでは落ち着いたいいバンドになってしまう!

-ははは! いつもバックドロップシンデレラは"前作を超えなければいけない"というポリシーのもと新譜を制作されているので、今回は前回とは違う方向性で前作を超えた部分もありますね。パンチが効いたアルバムにしようという想いのもとタイトルも"OPA!"(※ポルトガル語で驚きを表す言葉)になったのでしょうか?

豊島:日本語が続いてたので今回は英語にしたいなと思って......これはポルトガル語なんですけど(笑)。ジプシーでは結構みんな曲中に"OPA!""OPA!"と言ってるんですよね。僕はそれは最初"踊れ!"という意味で言ってるのかなと思って今回のアルバムにつけたんです。それで今回のバンドのプロフィールに"ポルトガル語で踊れという意味"みたいに書いたんですけど、そのときにちょっと"本当にこの意味で合ってるのかな"と思って不安になって調べたら全然違ったという......(笑)。

-(笑)

豊島:"OPA!"は"踊れ!"ではなく、英語で言うところの"Wow!"みたいな表現でした(笑)。まあそれはそれでいいかと。

-ははは。驚異的な曲がたくさん揃っているので、意味合い的にはばっちりです。フラメンコ的なTrack.1「OPA!」はその場で作詞作曲をしてマイク1本で録音なさったようですね。

豊島:そうですね。全然手拍子できてないですけど(笑)。ペシペシペシペシ......みたいにずれた手拍子で。家で聴いてて"ああいうのちゃんとできないとミュージシャンとは言えないんじゃないかな?""パッとできたらかっこいいのに全然できない!"と思いました(笑)。これは本当はTrack.2「激情とウンザウンザを踊る」のイントロにして1曲にまとめる予定だったんですけど、この曲は一発録りでもあったしスカッと「激情とウンザウンザを踊る」が始まった方がいいかなとも思ったのでトラックを分けて。本当に「OPA!」は全然決まってなくてその場で作ったものなんですよね。何を入れるか決めてないけど"何か入れたい、何か入れるから!"ということをメンバーに言っていて(笑)、バッと歌詞を書いて......そしたらそのやりとりを見ていたエンジニアが呆れて"じゃあこんなのマイク1本で録っちまえよ"と。バリバリガチでレコーディングするつもりでいたのに(笑)。

-18秒という短さでメンバー全員が歌っているところもいいですよね。そして続いての「激情とウンザウンザを踊る」も全員で歌ってらっしゃって。Track.9「アラスカアバンチュール」もみなさんで歌っている曲なので、その延長線上のような。

豊島:あ、それはありますね。「アラスカアバンチュール」が面白かったんで「激情とウンザウンザを踊る」でもやって。やっぱり「アラスカアバンチュール」ができてなかったら「激情とウンザウンザを踊る」みたいな(歌の)アレンジはできてないかもしれないです。

-紙資料によると「激情とウンザウンザを踊る」は"ウンザウンザの限界に挑んだ"とのことですが。

豊島:激しくてテンポの速い曲でウンザウンザ感やジプシーのニュアンスを出していくとなると、いろんな過去曲も含めて結構マンネリ化するところもありまして。真新しいものを作りづらいなと思いながら作っていくんですけど......それをこの1曲にすべて集約させた!みたいなところがあって。限界に挑んでみましたね。いろんなネタを繋ぎ合わせて展開を多くしていって。作るのには結構時間がかかった曲ですね。

アサヒ:「激情とウンザウンザを踊る」はネタとしては去年の冬くらいからあって。

豊島:そうだね。「激情とウンザウンザを踊る」は最初から手応えがあったので"作るのが大変そうだから時間をかけよう"と。それで最終的に1番最後に仕上げました。

-なるほど。そうすると限界に挑んだその先に生まれる次の"ウンザウンザ"シリーズも非常に楽しみになりますね。この曲は歌詞の面で言うとシニカルな側面が強くて、世間一般の"激情"とは少し違うような印象もありました。

アサヒ:歌詞は結構(豊島が)悩んでたんですよね。

豊島:......曲がかっこいいじゃないですか。とにかくサビのメロディにふざけた歌詞が合わないんですよ。