INTERVIEW
バックドロップシンデレラ
2015.11.14UPDATE
2015年11月号掲載
Member:豊島“ペリー来航”渉(Gt/Vo) アサヒキャナコ(Ba/Cho)
Interviewer:沖 さやこ
-サビの"よのっしー"とシャウトするところはリズムゆえに"よのっしー"にも"与野市"にも聴こえるところがいいですね。
豊島:あれはよのっしーのテーマにすることも何も決まってないときにセッションで生まれた部分で、"わあ!わあ!わあ!"みたいなコーラスを入れようとしてたときに誰かが"よ!の!しー!"って言い出して......これしかない!!と(笑)。歌い出しさえ面白ければ最高だという話になって、散々考えて"敵は市役所"。この歌い出しが最高なので......こんな歌詞で始まっている曲はないですから(笑)。行進っぽい、軍歌にしようという発想から生まれたんですよね。
-ああ、言われてみるとたしかに昭和テイストな。バックドロップシンデレラのキャパシティがまた広がった曲になりましたね。
豊島:ベースにチョッパーが入るのも初めてなので。
アサヒ:ついに禁断の門を......。ストイックな感じを出したいからチョッパーで入れて欲しいというオーダーが(豊島から)あったんですよね。
豊島:最初指で弾いたものがイマイチだったので"チョッパーしてください"とお願いしました(笑)。この曲のギターで難しいことをする気が一切なかったですし、ドラムもわりと淡々と行って欲しかったので、ベースでパンチ出してもらうしかないなと(笑)。
アサヒ:わたしはチョッパーが苦手で(笑)。でも常に新しい何かをやっていこう!という気持ちはあるので絶賛練習中です。
-Track.8「陽だまり乙女によう馴染む」はアルバムの中でもポップ担当の楽曲で。こちらはお馴染み、THEラブ人間の谷崎航大さんがヴァイオリンで参加しています。残響が残るような音なので質感は少し他の曲と違いますね。
豊島:哀愁カントリー・フォークといいますか。この曲は非常にサラッと作って、サラッと作りすぎてヴァイオリンを入れるしかなく頼みました(笑)。エンジニアさんが曲ごとに音の質感を変えたがる人なので、今回のアルバムだと「陽だまり乙女によう馴染む」にはそういう要素がグワッと出ていると思います。この曲はディレクションも一切やってなくて、手間をかける割合が低くて全部みんなにお任せ、ヴァイオリンもお任せでした。"なんとかしてくれ!"って(笑)。結果ヴァイオリンもフィドルっぽく入っていい感じになったと思います。
-Track.11「サイコビリーがあったCD屋が無くなる日」も、『スゴい!君!』に収録されている「CD屋からサイコビリーが無くなる日」の続編ということで。
豊島:続編と言ってもほぼあの曲と言ってることは同じなんですけど(笑)。CDがなくなったのか店がなくなったかの違いですね。歌詞を見せたときにキャナコさんが"同じじゃん!"って(笑)。2年の時を経てCD屋からサイコビリーがなくなるどころか、CD屋そのものがなくなってしまった。状況は悪化しているぞ?と。
-サビでは他ジャンルをかなり否定していますが......。
豊島:これは僕の意見ではなく、この曲の主人公のサイコ野郎の意見です。サイコ野郎はそう思っているだけで、僕はそんな......"いらねぇ"なんて思ってないです(笑)。
-ズルい(笑)そしてラストのTrack.12「うたい文句」は豊島さんがヴォーカルを務めるレゲエ調のミディアム・テンポ曲。最後に豊島さんのミディアム・テンポ曲があると落ち着きますね。
豊島:最後の方に入れていたバラード調の曲の中では1番気に入ってます。いい曲だなと。僕が速い曲を歌うのはちょっと違うかなーと思うので(ピン・ヴォーカルの場合は)ミディアム・テンポの曲が多いんですけど。速い曲をやって人気が出ちゃうとライヴでやらなきゃいけなくなるし(笑)。僕が歌う曲はいつもワンマンでたまーにやる程度なので。
-もっとライヴでやって欲しい気持ちもありますけれど。
豊島:嫌ですよ! 曲が暗いですし、その間ヴォーカル何やってんだって話ですし(笑)。
-ははは。アルバムの締めに相応しい曲だと思います。年内もライヴが目白押しで。バックドロップシンデレラは広い年代と対バンするところも強みですね。
豊島:年代関係なく面白そうなところとは一緒にやっていきたいなと思ってますね。どんなジャンルのバンドとも一緒にやれるのも強みだと思っていて。今年はMERRYやGargoyleとか、UCHUSENTAI:NOIZみたいなヴィジュアル系とも一緒にやれたりして、お客さんも結構好きになってくれたりして。今年はそういう刺激もたくさんありましたね。普通に(バンドたちが)みんなかっこよかったし。
-今までの動きを見ていると、そろそろバックドロップシンデレラは来年のアルバムに向けて制作が始まる......のでしょうか?
豊島:んー、今のところはどうしようかなと思っていて。
アサヒ:来年は10周年ですから。
豊島:あえて出さないとか!
アサヒ:ああ~! 何もしない(笑)!
-ええっ(笑)!?
豊島:(笑)一応いろいろ考えてるんですけどね。毎回作品に変化をつけてるつもりではあるんですけど、ちょっとルーティン感もあるので来年はちょっと違ったことをやってみてもいいかな......と実は思っていたりします。できるかどうかはわからないですけど。まずは来年に過去最大キャパのワンマンも考えているので楽しみにしていて欲しいですね。