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INTERVIEW

バックドロップシンデレラ

2016.05.10UPDATE

2016年05月号掲載

バックドロップシンデレラ

Member:豊島“ペリー来航”渉(Gt/Vo) アサヒキャナコ(Ba/Cho)

Interviewer:沖 さやこ

-結成10周年おめでとうございます。この10年間はどんな年月でしたか?

アサヒ:あっという間でした(笑)。今年のこと、来年のことをやっていこうと思っているうちに10年経った......という感じです。

豊島:まさかこんなに長く続けるとは(笑)。メンバーみんな、生きてきた人生の3分の1をこのバンドが占めているわけですから、人生そのものみたいになってます。

-バンドを10年続けられた理由とは?

豊島:んー......あんまり高望みをしなくなった、というのはあるかもしれない。

アサヒ:ああ。でも、高望みは最初からしてないような......(笑)。

豊島:いや、最初はちょっとあったよ(笑)。結成から4~5年経ったころに地に足がつき始めて。

-バックドロップシンデレラが提唱している"ウンザウンザ"が始まった時期くらいでしょうか。

豊島:そうですね。自主レーベルをやるようになって、ふわふわとした目標ではなく"やりたいことをやる"という目標を置いたし、それに対してちゃんと前へ進んでるという手応えをメンバーが感じられたことがよかったなと思います。"高望みはしない"、"食えていればいいんじゃない?"と(笑)。

-結成10周年記念でカバー・アルバム『いろんな曲でウンザウンザを踊ってみた』を作ろうと考えた理由は?

豊島:僕個人としては3~4年前からカバー・アルバムを作りたいなとずっと思っていました。でもいいタイミングがなくて、それで10周年を迎えるタイミングで発表すると美しいし、このタイミングだったらみんなも受け入れてくれるかもしれないな......と。人様の曲なので"10周年を祝うついでに認めてください!"と(笑)。

アサヒ:制作自体は、去年から動き始めたんですけど、カバー・アルバムを作りたいという話そのものは2年くらい前に(豊島から)聞いて、"面白そう、やってみたい"、"どんな曲をカバーするんだろう"と楽しみにしてました。

豊島:それまでカバー曲を販売する方法を一切知らなかったので、今回めちゃくちゃ勉強になりましたね。どインディーズの自主レーベルなので、音楽関係者に相談をして、他のアーティストがどんなふうにやっているのか教えてもらったりしてなんとか作り上げました。僕らが大好きな曲で、"ウンザウンザ・アレンジ"をしたら面白くて映えそうな曲を選んでいます。いい曲ばっかりです。

-NHK"みんなのうた"から海外の民謡、懐メロまで、幅広い選曲になりましたね。

豊島:最初はもっと今っぽい曲も入れようかなぁとちょっと無理して探してみたんですけど(笑)、ちょっと違うなぁと。だから僕らが聴いてきた曲や、好きな曲を全面的に押し出しちゃおう!と。ライヴのことを考えると、やりやすいアレンジになったりして制限がかかってくるので、"ライヴでやらないことを大前提にしてアレンジをしよう!"という考えのもと制作を進めました。なので、それぞれの曲に対して自分たちがやりたいことを優先させて、思いつくことを全部やりました(笑)。

-カバー・アルバムを作るのは普段の制作とは違う面白さがありそうですね。

アサヒ:楽しかったですね。勉強にもなったし。ピンク・レディーの「サウスポー」(Track.3)はすべてが無駄なく美しく......昭和歌謡はすごいなと。

豊島:「サウスポー」の原曲アレンジは、ちょっと変えただけでダサくなるという絶妙なバランスで完成されていて。どこから切り崩したらいいのか......そのまま演奏するわけにもいかんし......ということで悩みましたね。スカにすればいけるんじゃないかという安易な考えで取り組んだんですけど、原曲の方がかっこいいなと思って。原曲は本当にいろんな音が入っていて"これ本当に当時の音源なのか!?"と思うくらい完成度が高いんです。原曲のどの音を活かして、どの音を抜いていいのか......ということを全部チェックして。原曲にはホーン、シンセ、ヴァイオリンや、合いの手みたいなものが4~5つくらい入っているんです。その楽器の種類を今回はふたつに絞って――うちのバンドだと絞らざるを得ないから(笑)。そのときにヴァイオリンとガット・ギターで構成すれば自然にいい感じにフラメンコとして聴けるんじゃないか......?と。なんちゃってフラメンコな感じに......アコギが全然わからないからめっちゃ練習しました(笑)。

-(笑)ヴァイオリンとギターの絡みがスリリングでクールでした。キャナコさんのソロ・ヴォーカルも2声で入っているので、ピンク・レディーよろしくふたりいるように聴こえるところもギミックが効いているなと。

豊島:キャナコさんはヴォーカルにかなり気合い入れていて、何回もカラオケで練習してましたね(笑)。

アサヒ:(笑)頑張りましたね。