INTERVIEW
SALTY DOG
2014.12.02UPDATE
2014年12月号掲載
Member:INGER(Vo)KENT(Gt/Prog)TOMOYA(Ba/Scream)NEMESAN(Dr)
Interviewer:小林 詩央里
-INGERさんの歌も力強いですよね。
INGER:頑張りました(笑)。曲調がポップなぶん、力強く歌わないとロックにならないと思ったんで。私はあくまでロック・ガールというか、ロックの力の入った声とかが好きなので、そこは出せるよう意識しました。
-そしてTrack.5「Horizon Song」はファンタジー映画のような壮大な世界観の楽曲ですね。
KENT:これは"海賊ソング"というテーマがあらかじめあって。SALTY DOGという言葉自体に"甲板員"という意味があったんで、"海賊"っていう"厨二病設定"がSALTY DOGにはあるんです(笑)。たまにコスプレしてライヴしたりしてて(笑)。それなので、"海賊の曲が欲しい"っていうテーマありきの曲として作りました。僕はこの曲が1番好きです。
-"海賊"というテーマで作るにあたり、どんなことを意識しましたか?
KENT:海を感じさせるさざ波の音が入ってたりしますし、僕が知っている海賊のイメージであるクラシックや映画音楽を混ぜて、結構オーケストレーションも入ってて。他にもストリングスとかトライアングルとかベルとかいろんな音を使ってみました。
TOMOYA:この曲に限らず今作はよりストリングスを使っているので、よりエレクトロだしシンフォニックだし。初めて聴いた人にも"海賊っぽい"っていうのはよく言われるので、そこは狙いどおりかな、と(笑)。あとこの曲は歌詞もいい。
INGER:ポジティヴだよね。
TOMOYA:歌詞も"航海"をテーマに書いていて、自分を見つける旅に出るという歌詞になっています。聴いた人がそれを思って行動に移してくれればな、と。
KENT:曲にはっきりと世界観がある、映画のような曲かな、と思います。
TOMOYA:訳すと"自分が誰なのかを決めるのは私たち自身"という意味の歌詞があるんですけど、親と同じレールをたどらなきゃいけないとか、そういう風潮を壊して、自分を見つける旅に出ようというメッセージ・ソングです。それでタイトルも"Horizon=水平線"という言葉が入っています。
-Track.6「5 Minutes to Self Destruction」は、ラスト・トラックであり前作と同じく"盛り上げて終わる感"が強く表れた曲ですね。この特徴的なタイトルの意味は?
INGER:"5 Minutes to Self Destruction"は私が1番つけたかったタイトルで、"Self Destruction"は"自己破壊"という意味なんです。
TOMOYA:INGERが"このタイトルで曲を作りたい"って言って、タイトルからイメージを膨らませて作っていった唯一の曲です。冒頭からブラストビートが使われてたり、激しい曲になっています。
-アルバムのラストに、最も激しいこの曲を持ってきた意味はあるのでしょうか?
INGER:爆発して終わる感じを出したかったんです。
KENT:アルバム自体をライヴのひとつのセットリストだと思って作っている側面もあるので、ライヴで観てる人にも疲れて終わってほしいっていう気持ちがあって(笑)。"お前ら最後に全力出していけよ!"っていうSALTY DOGの考えかたが反映されている部分でもありますね。
-SALTY DOGの曲は、どの曲のどのパートを聴いてもライヴで観客が"どうノるか"が想像できます。ノリやすいテンポ感も意識しているのかな、と思いましたが、やはりライヴでの演奏を意識した曲作りをされていますか?
KENT:僕はそういうタイプではなかったので、前作で僕が作った曲は"聴かせる"部分が強く出ていたと思うんです。でも前作収録の、TOMOYAさんが作った「Ice-Cream Headache」がすごくノリやすい曲で、そこに感化されて"ライヴを意識した曲を書かないといけないな"と思って。なので今作にはそういう部分が反映されていると思います。
-収録曲ごとに随分とギャップがありますよね。
TOMOYA:またバラエティ豊かになっちゃいました(笑)。
KENT:あまり似たような曲は作りたくないっていう思いがあって、それぞれの曲調に対して自分の100%をつぎ込みたいっていう気持ちが強いので、あまり似た曲は作らないです。ちょっと作曲に時間はかかっちゃったりするんですけど、そのぶん思い入れは強いですね。
-2作目を作り終えて、今後の展望は見えてきましたか?
TOMOYA:今は今作でのツアーを成功させて、もっとたくさんの人に僕らの音楽を聴いてほしいですね。あとは......一緒に頑張っていける仲間が欲しいです。個人的に仲のいいバンドはいるけど、バンド同士で仲がいいっていうのが今はないんですよ。だから、そういうバンドを作って、一緒に何かをやれたらと思いますね。ようするにコミュ障を治して友達が欲しいんです(笑)。
-今はラウドロックという、ジャンルとしては限定されたシーンで活動されていますが、SALTY DOGはJ-POPの要素など、大衆性も持ち合わせていると思います。今後ラウドロック・シーンを越えた活動をしていくことも視野に入っていますか?
TOMOYA:"ラウド"とかのジャンルの枠にとらわれない活動はしていきたいと思っています。自分たちの音楽には自信があってどんなジャンルの音楽が好きでも好きって言ってもらえる要素はあると思うし、そこの垣根はないと思っているので。前作とコンセプトは同じで、ラウドロック好きな人もJ-POPが好きな人にも聴いてもらいたいなとは思っています。今後はもうちょっとポップ寄りな作品に仕上げて、そこから入ったポップ寄りのロックが好きな人がラウドロックも好きになってくれたら嬉しいですね。