INTERVIEW
GEEKS
2013.10.10UPDATE
2013年10月号掲載
Member:エンドウ. (Gt/Vo) ミツ (Ba/Vo)
Interviewer:荒金 良介
-今作は前作から3カ月という短いスパンでのリリースになりますよね。この計画はいつ頃からあったんですか?
エンドウ.:本当は20数曲入りのアルバムを出したかったんですよ。海外のパンク・バンドって、20数曲入りの音源とか出してるじゃないですか。自分もそういうものを聴いてましたからね。あと、活動する中で音源の盛り上がりって、大体3ヶ月ぐらいなのかなと。だったら、山場を2回作って、分けて出した方がいいんじゃないかと思って。で、2枚に分けて出そうという話を今年の頭ぐらいに決めました。制作も余裕を持って時間をかけられたので良かったです。
-バンド的には2枚でひとつの作品という位置付けですか?
エンドウ.:そうですね、そういう意味もあります。完全にリンクしてるわけじゃないけど、うどんとそば、犬と猫、コーヒーと紅茶じゃないけど(笑)、並べて比較されるような作品にしたくて。
-楽曲は今年作ったものを収録したんですか?
エンドウ.:それは違ってですね、前作の『GRIMOIRE』はその作品のために曲をガーッと書いたんですけど。今回は古いアイデアの復活というか、再生的な意味合いもあるんですよ。今年の初めに曲を作るにあたって、ごった煮のアイデアがいっぱいあって。その中で『GRIMOIRE』用、もう1つの『PEDAGOGUE』用と振り分けて、墓場から蘇るモンスターみたいなイメージも今作にはあるし、今回はその雰囲気を意識しました。それと自分たちでは気に入ってるけど、タイミングやほかの曲との並びで使われなかった楽曲をこの作品に入れようと思ったんですよ。全部ではないけど、懐かしい曲、ライヴでしかやったことがない曲、幻のデモ音源に入ってた曲を作り直したり、そういう曲もあります。
-ああ、そうなんですね。
エンドウ.:これは言っちゃうと、作品的に低く見てほしくないんですけど、B面集というか、コアなファンはB面こそが好きだったりするじゃないですか。僕らの中では愛すべきB面集みたいなものを作りたくて。セールス的にはB面集って言っちゃいけないかもしれないけど、心の奥にはそういう気持ちがあるんですよね。僕らの中ではA面集なので、今回はそれを出そうと。
ミツ:うん、昔から知ってる人には生ツバな音源ですね。
-このタイミングでそういう作品を出そうと思った理由は?
エンドウ.:10曲入りずつの作品を2枚出そうと考えたときに、じゃあ、どんな曲を入れようかって考えたんですよ。で、今回だったら、そういう曲たちを収録できるんじゃないかなって。
ミツ:特にこのアルバムに絞って、そういう曲たちを出そうと思ったわけじゃないけど、いろんなタイミングが合ったんでしょうね。
-昔の曲は録り直してるわけですよね?
エンドウ.:そうですね。
-新しい発見はありました?
エンドウ.:昔の方が凝ってたんじゃないかな。
ミツ:ははははは。
エンドウ.:曲中に3回ぐらい転調を入れたり、難しいことをやってるなと。そう言えば、最近はどんどんシンプルな方向に向いてるなとか、改めて気付くことは多かったです。昔の方がややこしいことを好んでやってましたね。
ミツ:模索してたのかもしれませんね。
-前作の雰囲気も継承しつつ、今作はパンチが増して、よりストレートに響きました。
エンドウ.:あっ、ほんとですか?僕らはあまりわからないんですよね。コンセプトは歌詞や世界観がそのまま反映されるけど、サウンドはいつものようにやりたいようになってるだけだから。前作と繋がりを感じてもらえるのは、結局僕らがやったら同じような音になるのかなと。
-今のGEEKSが持ってるシンフォニックな空気と、昔のロック度が高い熱量がうまく混ざり合った印象で。
エンドウ.:今回の歌の世界やジャケもそうだけど、ちょっとファンタジックでモンスターっぽい雰囲気がいいなと。魔物の宴みたいなことをやりたくて、どんどん壮大になりました。
-そのコンセプトはどこから来たんですか?
エンドウ.:今回のジャケを前作と同じファンタジスタ歌麿呂さんにお願いするときに、前作で描いてもらった4人が今度はモンスター、もしくはダーク・ヒーローになるという。それでこのアルバム名の『PEDAGOGUE』は"口うるさい教師"みたいな意味なんですけど、僕らが世直しの先生として、ダーク・ヒーローが世を正すというイメージを伝えたんですよ。
ミツ:いわゆる正義の味方は好きじゃないんでしょうね。