INTERVIEW
GEEKS
2013.10.10UPDATE
2013年10月号掲載
Member:エンドウ. (Gt/Vo) ミツ (Ba/Vo)
Interviewer:荒金 良介
-GEEKSの中にあるNGって、何ですか?
エンドウ.:例えばギターがピロピロ弾いてるのはダサイ、ギターはパワー・コードがかっこいい。あと、8ビートがいちばんかっこいいに決まってる。ベースに関して言えば、Aメロはルート、Bメロは動いて、サビはルートだろ!って。もちろん曲によるんですけど、基本フォーマットはありますね。
ミツ:僕たちが昔好きだった音楽に近づいてるのかもしれない。僕らが共通して好きなのはRAMONESやTHE BEATLESだし、先人たちがやってきたロックンロールが今ないがしろにされてる気がして。ないがしろにされてるというか、古臭いものだと思われてるような傾向を感じるんですよ。それだったら、僕たちはその頃の音楽の良さをわかってる自信があるので、やっちゃおうよって。曲作りの際はメロディが降ってくるわけじゃなく、考えに考えて作るんですけど、考えて作ってるにしろ、好きなものが自然と出てるんでしょうね。
エンドウ.:何度か言いましたが、今回は『PEDAGOGUE』、僕らは口うるさい先生という役割なので、おまえたちに本物のロックを教えてやるぜ!という気持ちがあるんですよ。ルーツを大事にしてるバンドは好きですけど、そのまんまやるのは好きじゃないし。BEATLESは好きだけど、BEATLESをやりたいわけじゃないですからね。そりゃDEEP PURPLEとかハード・ロックも大好きなので、それを含めてロックの歴史を感じられるものをGEEKSの音に盛り込んで、気付いてくれた人がそこから掘り下げて、ロックの歴史に到達してくれたらすごく嬉しい。それゆえの『PEDAGOGUE』なんです。
-『PEDAGOGUE』の意味を僕も調べましたが、エンドウ.さんがチョイスする英語は難しいものが多くて。
エンドウ.:はい、あえて難しい英語ばかり選んでるんですよ。なぜかと言うと、調べてほしいから。今って辞書がなくても、ネットですぐ意味がわかるじゃないですか。それなら、なおさら自分で調べてほしい。歌詞の中にも難しい表現や、わかりそうでわからない言葉を使ったりするのも、調べてほしいからなんですよ。歌詞カードの端っこにも英語で、わからないことがあれば調べてほしいと書いてるんですよ。今、自分で調べる癖が付いてない人が多いし。ひと手間かけて、自分で調べて知ったことものって、すごく楽しいと思うんですよ。
ミツ:忘れないですしね。
エンドウ.:知らない言葉を覚えることもそうだし、このバンドにはこういう背景があったんだとわかると、イメージが広がったり、愛着が沸くじゃないですか。ちょっとひと手間加えるだけで、キミが聴いてるロックがもっと面白いものになるのになって。
-エンドウ.さん自身がそうやってロックの歴史や面白さを知ったから?
エンドウ.:そうですね。ロック偉人伝、エピソード集みたいなものもすごく好きで。こんなイカれた奴なんだ、この曲はこんな背景で作られたんだって知ると楽しいですからね。このインタビューだって、もっと音楽を面白く聴くためにあると思うんですよ。例えばMOTLEY CRUEの逸話集とか読むと、最低で超面白くて(笑)。こんな人たちがやる音楽というだけでも聴こえ方が違うし。こんなむちゃくちゃな人がこんなかっこいいコーラスをやってるとか......だから、もっと追及してほしいですね。いちばん面白いことは"知る"ことですからね。
ミツ:うん、いちばんの悪は"知ろうとしないこと"ですよ。
-GEEKS自体、ギャップを楽しんでるところもあります?
エンドウ.:えっ、何とのギャップですか?
-サウンド自体は聴きやすいものになってるじゃないですか。
エンドウ.:入り口は音楽だから、ワーッて楽しんでもらって、それから歌詞を読んで、これどういう意味だろって調べてほしいんですよ。個人的にはガキでも聴ける音楽がいいなと。ガキというのは、ほんとに幼稚園児、小学生でも楽しめるものが良くて。だから、メロディは童謡のようだったり、みんなの歌だったり、口ずさめる音楽を意識してます。
ミツ:サビでお約束のようにドーン!って感じもいいですよね。
-小学生が"血流も凍る哀愁の夜"(「NOBLE DARK」)と口ずさむのは難しそうですが。
エンドウ.:そこは口ずさみづらいですけどね(笑)。歌詞は難しいかもしれないけど、メロディと耳障りの良さは子供向けにしてます。というか、大人もそういう部分を持ってると思うんですよ。
-というのは?
エンドウ.:子供向けのようなわかりやすいメロディが入りやすいのは、大人も一緒ですからね。聴きやすい、入りやすい、親しみやすいのは共通だと思うんですよ。
-わかりました。今作を作り終えて、次のビジョンはありますか?
エンドウ.:作り終わったばかりなので、今のところ全くないです。その時になったら考えようと思って。今はいちばんアイデアが枯渇してます(笑)。でもそれも面白いかなと。作品が増えていくことで、自分で自分をがんじがらめにしてるけど、それも楽しめますからね。