INTERVIEW
GEEKS
2013.07.08UPDATE
2013年07月号掲載
Member:エンドウ. (Gt/Vo)
Interviewer:荒金 良介
-えっ、そうなんですか?
例えば「SUICIDAL STAR」は、SUICIDAL STARという人の歌だったり……。
-ああ、「GUITAR GIRL」という曲名もありますもんね。
はい。歌詞カードの中にもほぼ主人公が描かれてます。かなり自分では細部まで設定を決めて作りましたね。
-そういう意味ではコンセプト・アルバムのようですね。
そうですね。今回のジャケもファンタジスタ歌磨呂さんにお願いして、うまくハマッたので、印刷物まで楽しんでほしいですね。
-今回の曲作りはどうでしたか?
いつもスムーズですね。逆にスムーズに進むものしか使わないかもしれない。
-キョウヘイ(Dr/Vo)さんが加入して、初の作品になりますけど、その辺は?
そこもあまり変わらないですね。変化はあるんでしょうけど、僕らはそれにあまり気付いてなくて。ずっとこいつとやってたんじゃないかと思うくらい、しっくり来てるんですよ。
-そうなんですね。今作はルーツ音楽を含めて様々なジャンルを総動員した内容で、曲展開もこれまでになく凝ってますね。
そこは意識しましたね。随分昔にワン・コーラスやって間奏、ワン・コーラスやって間奏みたいな展開に飽きちゃったんですよ。やっぱり曲の中で起伏がある方が面白いですからね。盛り上がりがあり、落ち着くところがあって、クライマックスを迎える。1曲に全部の要素が盛り込まれたような物語性が好きなので。それをやるから、シンプルな曲もまた際立つと思うんですよ。
-曲調は起承転結を意識して?
まあ、この世に起承転結がないものなんて、あっちゃいけないと思いますし。
-(笑)
人生、小説、映画、アート作品に起承転結がなかったら、お終いですからね。
-エンドウ.さんは物語がほんとに好きなんですね?
はい、常に物語に飢えてますね。現実社会が嫌いすぎて、創作物の中に逃げ込むフシがあるので、その逃走経路を自分たちで作るみたいな(笑)。
-物語性があるもので刺激を受けるものは?
小説もかなり読みますし、映画もちょっとファンタジーなものが好きなんですよ。あとはハリウッド映画も好きだし、漫画やアニメも好きですからね。
-ほぼ全般じゃないですか。
そうですね。観ないのはTVドラマぐらいで、俗っぽくない創作物が好きですね。
-今作はコーラス・ワークも多彩で引き込まれます。
聴いてたバンドがそういうものが多かったですからね。ハード・ロックも実はコーラスがきれいだったりするし、クラシックも好きなので、そこから影響を受けてますね。だから、ハーモニーは大切にしようと思って。
-アミューズメント・パークのような楽しい空気感もありますよね。
それは好きですね。遊園地に行くのは面倒臭くて嫌いなんですけど(笑)。禍々しくて、狂気もありつつ、ファニーな雰囲気もあるみたいな。ごちゃごちゃした雰囲気が好きなんですよ。
-新しい音楽を生み出したいという気持ちもあります?
新しいものをやりたいんですけど、それが自分が聴いてきたものと、音楽の歴史に基づいていないとダメだなと思います。世の中に溢れている音楽とはまた違うものを作りたいとは思いますけどね。
-今作は“よりルーツを意識した”と言われていますが、これは?
バンド活動をすればするほど、そうじゃないバンドが多いので、それが反面教師になるんですよね。日本のメロコアを聴いて、バンドを始めましたという人も多いけど、もっと遡って聴いてほしくて。そうじゃないと、日本の音楽がダメになるんじゃないかと思って。
-GEEKSの音楽は新しさと、どこか懐かしい匂いも出てますからね。
自分たちが初期衝動を感じた音楽をやりたいですからね。古い音楽は今やってもかっこいいと思うし。
-温故知新じゃないですけど。
そうなんですよ。僕らがやってる音楽を聴いて、古い音楽や、歴史に残ってる音楽に興味を持ってくれたら嬉しいですね。そういう人たちがクラスでいちばんイケてる社会になればいいなって。いちばんイケてる人がTHE BEATLESを聴いてたらいいなって(笑)。飲みに行って、その辺のおっさんがTHE ROLLING STONESの話で盛り上がっていたら、いいなあと思うんですよね。海外にツアーに行くと、向こうのロック・ミューシャンやおばさんでもMETALLICAの話で盛り上がるんですよ。“私はMETALLICAを2回観てるけど、あんたたちも負けてないわよ!”って(笑)。僕らの街にもそういう文化があればいいですね。