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INTERVIEW

HEAD PHONES PRESIDENT

2012.06.01UPDATE

2012年06月号掲載

HEAD PHONES PRESIDENT

Member:Anza (Vo) Hiro (Gt) Narumi (Ba) Batch (Dr)

Interviewer:ムラオカ

-アルバム・タイトルである『Stand In The World』と女の子が地球の上に立っているジャケット・デザインはリンクしているようですが、このタイトルにはどういった意味があるのでしょうか?

A:ジャケット・デザインはレーベルに女性のデザイナーさんがいらっしゃるのですが、彼女の作品を見たときにドンピシャだったんです。なのでちょっとしたアイデアをNarumiから伝えてもらって、あとは自由に作っていただければとお願いしたんです。そうしたら、“あ、キタ!”って。今までもメッセージ性はあるんですけど、変化という意味で、やはりちょっと新しいものを出したいという気持ちがありました。とにかく今までのHPPのジャケットって暗いじゃないですか、ですので今回は暗いものから一度離れてみました。

-このデザイナーさんは他のRADTONEさんのジャケットも描かれてますよね?

A:確かGARIとかも描いてたと思います。

-元々私はHPPを長年見てきているので、偏った見方をすると、明るい中にもどこかしら不安な要素、暗い要素を感じ取ってしまうんです。明るい中にもそこはかとない怖さって言うのが。

A:このバンドがこれをやるからある意味不気味だよね(笑)。

N:経歴も含めて楽しめる感じになっていますね。

-2011年6月のインタビューではAnzaさんがかなりエキセントリックな作風になるとおっしゃっていましたが、確かに一部Hiroさんの縦横無尽の速弾きなどそう感じさせるパートも出てきますが、僕個人の感想としてはいい意味で肩の力が抜けたサウンドになっているように感じました。“ヘヴィなサウンドを出してやる!”というより自然と発露したものが時にヘヴィだったり時にエモーショナルだったりというように感じました。

H:4人全員が変化を求めていた結果だと思いますね。今回はAnzaも果敢にメロディにチャレンジしていたし、そのバランスを取るためにギターはへヴィなリフをとことん追求しました。ドラム、ベースもそれを支えるようなパートに専念したので、その結果だと思います。

-メンバーが4人になって初めての作品ですが、作曲方法などに変化はありましたか?1人減ったことによるマイナスの要素はあまり感じなかったのですが。

A:そこは自分たちでも驚いていますね。やっぱりMarが抜けてからの4人編成では音圧の薄さはどうしても防げなかったところじゃないですか。原曲を知っているファンがいる中でそれをどうやってカバーしようかと考えるところからスタートしているので、その経験を積んだ上で余計なことを考えずにやりました。術を学んだというか、メンバーそれぞれが責任を持って音を操るということが上手くいったのかなと思いますね。

H:ライヴで4人編成になって、最初にサウンド面の薄さの問題に直面して挫折しそうになったんですけど、それを上手く乗り越えられたということがこのアルバムに繋がったのかなと思います。そこで手応えを掴めたからこそ、4人でもいけるな、アルバムでもいけそうだとゴールが見えたんで、このまま4人で新曲をたくさん作っていこうと団結して制作に臨んだので良い結果が得られたんじゃないかなと思います。

-「Stand In The World」と「In Scrying」の2曲ですが、先ほどの話にも出ましたが、特にヴォーカルのメロディの進化が著しい曲ですね。今までのHPPにはなかった雰囲気を感じます。逆に5曲目の「Dive」などは今までのHPPのメロディ展開らしいなと感じました。また前半に非常に初めてのリスナーでも馴染みやすい曲が固まっているなと思いましたが、その辺りは狙ってのことでしょうか?

A:曲順を決めるのがすごく大変だったんですよ。レコーディングが終わってからマスタリングに出さなきゃいけないのに、1ヶ月ぐらい決められなくて。今までの作品ではみんな同じ意見で簡単に決まっていたんですが、今回は見事にメンバーそれぞれ意見がバラバラになってしまったんです。レーベルからも早く決めてくださいと言われてたので、ニューヨークにいる時に決めて送ったんですけど、もう1回帰ってから決め直そうって話になって……(笑)。最終的にはレーベル側の意見とアーティストの意見が融合出来た曲順だと思います。

-僕はベストな曲順と思いました。レコード・ショップの視聴機で聴いて判断して買うようなリスナーもたくさんいると思うんです。そういったリスナーに対して、初めの3曲はクオリティの高さはもちろんですが、初めて聴く方にとって非常に取っ付きやすい曲だと思うんですよね。実はアルバム全体で見るとそこまでシンプルな作品にはなってはいないんじゃないでしょうか。後半のいくつかの曲はいかにもHPPらしいですし。この曲順は階段を1段ずつ下りて行く感じなのだと感じています。1段降りるのは簡単ですが、しかしいきなり10段飛び降りるのは至難の業です。つまりいきなりディープ過ぎるものを提示されると抵抗があっても、階段を1歩ずつ下りるようにして、ゆっくりとディープな世界に入っていくような流れを作ってあげればすんなり受け入れてくれるリスナーが多い、そのようなアルバムの曲の流れを意識したのかなと思いました。

A:今作の後半では引き込まれるタイプの曲だけでなくちょっと明るい曲を持ってくるという初めての試みもしています。私はちょっと大丈夫なのかなって思ったけど、そこしかなかったっていうのもありますね。あとはピアノの曲もやってしまいました(笑)。