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INTERVIEW

HEAD PHONES PRESIDENT

2011.06.30UPDATE

2011年07月号掲載

HEAD PHONES PRESIDENT

Member:ANZA(Vo)  Narumi(Ba)  Batch(Dr)

Interviewer:ムラオカ

-ワンマンが決まったタイミングではすでにMarさんの脱退は決まっていたのでしょうか?

A:ワンマンが決定した段階ではまだいましたし、本当はワンマンまではやってもらうつもりでいたんですけど、DVDに残るということなので、もう私たちは進まなきゃいけないのに、まだそのDVDにMarが映るとなると先に進めないし、ファンの混乱もあるんじゃないかなって思いました。5人での最後のDVDにするか、初めての4人体制でのDVDにするかと考えた時に、自分たち4人は止まることが出来ないから、初めての4人のDVDにしました。彼が出演する最終公演が、日本ではアコースティックのワンマンで最後だったから、本当は通常のライヴで彼のファイナルをやってあげたかったんですけど、でもMar自身がそれを望まなかったですし、Marの性格上そういうことはなしに、さっと引き下がるというような流れになりました。

-東京でいうと、一公演目で、さらに曲数も多いじゃないですか。そのタイミングでさらに撮影ということで大変ではなかったでしょうか?

A:プレッシャーも、もちろんありますし、どういう反応になるかなとは思いましたし……(他のメンバーに)どうぞ!私ばっかり話してる(笑)。

Narumi(以下N):やらなきゃいけないことのボリュームがすごく大きくて、アレンジも4人で力入れて直さなきゃいけないってとこから始まってるんで、大変という感じよりは、目の前の作業をどんどんこなしていくことの繰り返しで最終的にクアトロに着いたみたいなことになってましたね。ただ一回一回ライヴを重ねる度にレベルアップの度合いがすごいんですよ。5人でやっていた時の成長度合いと全然違う成長度合いでしたね。ライヴを3本ぐらいやった時に、これは全然行けるっていうのは見えてて、クアトロの時には、初の4人だろうと、元々こういうバンドでしたというように自然にやれた感じですね。

-水戸と渋谷ではもう別バンドくらいの?

A:水戸の時はいつもステージを見ると左側に身長高いのがいなくなってどうなっちゃうんだろうっていう未知の世界でしたね。やっぱりみんなが心配してたのは、一本ギターがいなくなると、音圧が減ってしまうんじゃないか、今までMarが弾いてたフレーズはどうなるのかっていう心配がすごく多かったみたいなんですが、私たち、やってる本人たちは無我夢中だから、終わった後には、“あぁどうだったんだろう?”って気にはなっていたのですが、実際、4人でニューヨークから帰ってきて一番最初に、Marが辞めますっていう話になって、4人で初めてリハーサル入った時に、私は変な自信があって、一番最初に今まで5人で弾いてたアレンジを4人で弾いた時に、今までMarが弾いていた大事なフレーズのところは、“ちゃんとHiro考えてきてね!”ってあえて言って、一発目の音が、今まで出したことのないHEAD PHONES PRESIDENTのグルーヴ感が出てきて、4人になると一音一音の楽器の音が全部リアルに聴こえてくる、今まではベースが、Marと同じラインを弾いていたので、少し後ろの方に引っ込んでしまっていて、良い意味でも悪い意味でも荒さがあまり出てこなかったんですけど、Marがいなくなって、今まで聴こえてこなかったけど、すごくリズムが分かりやすくなって、歌いやすくなったっていうのをヴォーカルとしても感じられたんですね。今までの曲はもちろんなんですが、これから先レコーディングするであろう曲のアイデアが閃いてきて。さっきNarumiも言いましたが、もちろん一つ一つのライヴですごいスピードの成長っていうのがあったんですけど、5人だともう大丈夫だろうっていう変な安心感があったんですよ。だから少し成長が止まってしまってたというのがあったんですけど、4人だと穴を埋めるための作業もそうですけど、とにかくこれもやりたいね、あれもやりたいねって……4人になると枠がすごく広がってて、今度出すアルバムの曲を今丁度プリプロ中なんですけど、自分たちも笑ってしまうぐらいびっくりする大きな変化をしてるんです。その変化は4人になったことで生まれたので、大事なものを失ってしまったんですけど、代わりにすごく大切なものも得たと思っています。

-少し話が戻るのですが、セットリストもアンコール含め24曲と半端ない数ですね。過去最高のボリュームじゃないでしょうか?

A:ですね(笑)。24曲もやったんですね(笑)。

-初めてですか?

Anza 初めてです。約2時間半は初めてでしたね。それがもしクアトロ単体で2時間半だったら少しきつかったかもしれないですけど、それまでに金沢とか、地方でのワンマンを経験してきてたので、少しずつ体が覚えてきたというか、確かに最初の金沢は大変だった覚えがあるのですが、だんだん慣れてはきましたね。

B:僕は逆ですね。だんだん蓄積されて厳しくなっていきました(笑)。

一同:(笑)

-初スタジオ「生」ライヴとワンマン・ツアー・ファイナルの2枚組DVDというアイデアはどなたが発案されたのですか?

A:これなんですが、実は渋谷クアトロで大アクシデントが起こりまして、本来は渋谷クアトロの映像と少しインタビューを混ぜた1枚ものにする予定だったんですけど……、この『DELIRIUM』は呪われてるんです(笑)。クアトロに音を録音する機材もちゃんと入れて、いざ録ったのはいいんですけど、本番始まって3曲目で、データが止まっちゃったんですよ。実はお客さんの振動とか、歓声などで止まることがあるらしいんです。まさしく今回の録音がそれに当たってしまったんです。だから今回のDVDのライヴの音は、エアの音と、録れてるものとをミックスダウンしたものになってしまったんです。それで前作の『PARALYSED BOX』に比べてもそれだけで売るのはどうなのかなと、やっぱりいくら24曲あって豪華とはいっても、音の問題もありますので、もう少しお得感を出したいっていうことになり、あまり飾ってない、もう少しメンバーの素の部分を見せようかと考えて、リハーサル・スタジオで演奏してるものをレコーディングしてそれで豪華2枚組にしたら許してもらえるかなというところから始まったんですね。ただエアの音ではありますが、今まで以上にお客さんとの一体感みたいなのがすごくリアルに出ていると思うんですよね。もちろんエアなので、手直しもなしで、ミスしたところもそのまんま入れてるので、今のHPPっていうのがすごく分かると思います。あえて飾らず、正直にいきましょうということで……だからあまり聴き比べないでください(笑)。