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INTERVIEW

HEAD PHONES PRESIDENT

2009.10.01UPDATE

HEAD PHONES PRESIDENT

Member:Anza(Vo) Narumi(Ba)

Interviewer:ムラオカ

-アルバムもライヴも初期から聴かせていただいていますが、確実にステップアップしているのが目に見えて分かります。特に今作『PRODIGIUM』ではスクリームに関して言えば、以前はバックのサウンドに押されてるように感じる部分もあったのですが、非常に“強く”なりましたよね?

A:昔は分からずに声を出していた、テクニックというものをなにも知らずにただがむしゃらに潰す感じで出していたんですけど、シャウトのヴォイス・トレーニングって言うのはないんですけど、どうやったら楽に、喉を潰さないように出すかっていう喉のケアの研究はしましたね。ただがむしゃらにシャウトだけしていれば良いって訳ではなくて一回一回のライヴの時に自分の体と相談してコントロールしています。
あとは女性なので高いシャウトをしがちなんだけど、中音域の自分の声を理解してミックスしていくテクニックを覚えたのは一番大きいかもしれないです。私はデス・ヴォイスっていうのは出さないので、それは自分の声帯を分かっているからだし、病院に行って自分の声帯を見た時にシャウトすると潰すということも分かったし、自分の声帯を研究して理解しておかないと、“ロックだからなんでも来いや!”っていっても長く活動をしていく中でなにが必要かってことが分かったというかそこは大人になったかな、ただ出せばいいって訳ではないっていう。

-また『Reality』ではハードコア的なブルータルなスクリームをみせたりと曲や場面によってスクリームの仕方も変化させていますね?

A:ITMのMARIAのシャウトは凄く迫力があって好きなんですね。私はMARIAがやっているシャウトが女性特有ではあるけれどキンキンではないし凄く憧れでもあったんです。今回一緒にやらせてもらった時に、三日連続、四日連続でライヴをするときに特別なケアをしているのかと彼女に聞いたときに、“私は特別何かをやってる訳じゃない、でもそれは自分の体との相談よね”って言うことを教えてもらったり、自分の先輩のバンドにもいろいろアドバイスしてもらって良いものを自分の中に取り入れていきました。 デス・ヴォイスってライヴではやろうと思ったら出ちゃうんですよね。だけどそれを確実に自分のものにするまでには音源に入れたくなくて、今作で出している以上の低音のスクリームは出ると思うんだけど、でもそれを出したいかって言うとそうでもなくて、そういうバンドは最近多いですし。HPPに相応しいものであればやるけれど、相応しくなければやらないですね。

-スクリームにしてもクリーンパートに関しても以前に比べるとかなりバリエーションが増えましたね?

A:私はミュージカルの仕事をしているのですが、ミュージカルの仕事ってHPPのヴォーカルとしても本当にいろんな引き出しをくれるんですよね。自分が気付けなかったことをミュージカルの世界では要求されて、それを自分が覚えてHPPで生かせるって言う意味ではやってて良かったなと感じますね。あとはやっぱり自分の声を理解できるようになったっていうのも大きいですよね。自分にはたくさんの人格もあるんだなってことにも気付けたし・・

-人格によって歌い方を変えているわけではない?

A:変えるときはありますね。

-スクリームにしてもクリーンパートに関してはHPP特有の悲哀や怒りに満ちたメロディもありつつ、悲哀と同時に聴き手に手を差し伸べるようなどことなく温もりを感じるメロディラインが増えたと感じていますが。

A:言い方を変えればキャッチーなメロディになりましたが、自然な流れでそうできたんです。今までは結構作りこんでいたところがあるんですけど、今回は耳に残るメロディって言うものをどうしても作りたいなっていうのが気持ちの中ではありましたね。それを表現するのが今までの作品の中では難しかったんですけど、今作では意外とすんなり早かったかな。

-歌詞に関してはどのようなものが多いのでしょうか?

A:前作『folie a deux』からは私が自分で感じたこの世に属さない言葉で歌ったものをNarumiが英語にしてくれてたんですね。今作でも同じやり方だったんですけど、どうやら私がもともとそういう風に歌っているらしく、意味が分からない歌詞は日本語に書いて彼に渡すんですけど、彼に説明しなくても“こういうこと歌ってるんでしょ?”って。私が書いた歌詞というより、Narumiと二人で作った歌詞ですね。私一人が歌詞を書いていることになっていますが、英語に直すと言葉が変わっちゃうじゃないですか、思っていたこととは違うものになって、意味が変わってきてしまうんですよね。日本語にはある言葉なんだけど英語にはないっていうか、そこで今回はその点を話して、私が思った通りに、私が言いたいことを彼が全部英語に直してくれたんで、二人で作った感じですね。

-それは10年近い積み重ねからなせる業なのでしょうか?

N:そうですね。楽器陣とかでジャムしたりして、言葉を交わすみたいに歌詞のやりとりでもそれと同じようなことが、ずっと一緒にいると生まれてくるのかもしれないです。