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INTERVIEW

HEAD PHONES PRESIDENT

2009.10.01UPDATE

HEAD PHONES PRESIDENT

Member:Anza(Vo) Narumi(Ba)

Interviewer:ムラオカ

-それでは最新作『PRODIGIUM』についてお聞きします。
まずアルバム・タイトルなのですがあまり耳慣れない単語ですね。一般的には<前兆>や<奇才>などの意味があるそうですが、このタイトルにした理由を教えてください。

A:実はラテン語なんです。それはリーダーのHiroが考えてきたものが採用になったんですけど、<奇妙な現象>っていうのが主となる意味らしいのですが、<奇跡>とか他にもいろいろ意味があるんです。作品を作っていく中でバンド自身もいろんなことを経て成長していって、自分自身も人間として引き出しが多くなったり、大人になった部分とかってあると思うんですね。どうしても子供過ぎて気付かなかったことがやっと今になって気付けたことがあって、でも私の気持ちの中ではファースト・アルバムを出した頃の忘れていたと思っていた辛いことを自分が大人になったからといって忘れたわけではないんですよね。この作品を制作するに当たってファースト・アルバムの頃の気持ちに自然に戻っていたんですね。もちろんファーストを作ったときのように弱々しいかよわい少女ではなくて強さがある上での回帰ではあるんです。そこが私自身の中では奇妙で。
プロモーション・ビデオの中で<時計>が出てくるんですけど、私の頭の中の映像にも<時計>が出てくるんですね。今作ではすべて<時計>が意味を成していて、過去に行ったり未来に行ったり私の頭の中で回っているんですね。昔あったことを今も引きずっていたり、もしかしたらあと二年後とかにも同じ症状になっているかもしれないし、ずっとぐるぐるぐるぐるとスピードが遅くなったり速くなったりして。HPPってミニ・アルバムを出す時って変化の時なんですね。それは『id』とか『vacancy』の時もそうなんですけど、なにか変化をする時には必ずミニ・アルバムをリリースするんですね。ただ今回の『PRODIGIUM』っていうのは私の中では挑戦でもあるし大きくひっくるめて<奇妙>な出来事な訳なんですね。Hiroが持ってきたタイトルはすべてが見事にリンクしてる感じですね。

N:その通りですね。Hiroがタイトルを持ってきた時に他の候補もいろいろあったけど、満場一致でパッと決まったんで、もうこれしかないって感じでしたね。いつもタイトル決まる時は時間をかけずに決まりますね。

-タイトルを決めるときはいつもHiroさんが?

A:作品によって違うんですが、彼が最近言葉を調べることが楽しい時期だったみたいで、今回はHiroのアイデアで決まりましたね。

-ジャケットは現在の資料ではNOW PRINTINGになっていますが。

A:もうできました。

-アルバム・タイトルとリンクしている感じなのでしょうか?

A:かなりリンクしていますね。なるほどね!って多分言ってもらえるとは思います。

-メンバーからジャケット・デザインについて要望は出しましたか?

A:ジャケットを製作している方に<時計>をメインにしたいんだって話をして、そこから膨らました感じでやってくださいと言いましたね。
folie a deux』のジャケットは写真を使ってて、実はあれは私の手だったんですけど、あの作品は<ハート>というものがリンクだったんですけど、今回は<時計>というものがプロモーション・ビデオも含めてすべてにおいて繋がっているものなので、イメージに沿ったものであって欲しいって言うことで注文はしましたけど、できたものはイメージに合っていて良かったなと思いましたね。

-前回の楽器隊へのインタビューでMarさんが“Anzaがどんなものを求めているのかなということを知りたいし、作っていく方向が違ってしまってもしょうがないし、その中で色々話していくうちに激しめな感じで行こうかと”という話を聞いたのですが、今、Anzaさんの心境的にはアグレッシヴな方向性を向いているのでしょうか?

A:光と闇といった言い方をするのであれば、私はあまり光の世界にいるような人間ではなくてどっちかというと暗い闇のほうにいる方が安心だと感じるタイプの人間なんですよね。やっぱりそこでもがいている方が自分らしくて、そこで人生楽しんでいる方が、それは時に辛かったりするんですけど。
10年間HPPをやってきましたが、同じ“叫び”でも叫ぶ内容が変わってきているんですよ。成長とか感じるものの変化とかもあると思うのですけれど。どんなにアルバムがいろいろ変わったって核となるものはやっぱりどろどろしたものだし、世界観っていうのはどうしても変わることはできないし、それが私自身だと思っているから、そこから少しずつ他のメンバーが新しい洋服を着せてくれるんですね。成長していくって言う意味では、昔はこうじゃなきゃいけないっていうのを、私の意見だけで押し通していた部分もあったけど、最近はいろんなメンバーの意見も取り入れるようにしていますね。そうしないと上の段階には行けないかなって気付いたこともあり、自分が作ったものに対してHPPという音楽に、もっと良い服を着せられるようにいろんな人の意見を聞きながら自分も成長していければ良いなって思えるようになったんですね。
だから何が違うってことはそんなにないんですけど、昔に比べれば曲作りも楽になりましたね。自分だけの固定観念だけではなくメンバーの意見も取り入れているから視野が広くなったっていう。