INTERVIEW
THE ALL AMERICAN REJECTS
2009.04.13UPDATE
Member:Tyson Ritter(Vo/Ba)Nick Wheeler(Gt)Mike Kennerty(Gt)Chris Gaylor(Dr)
Interviewer:MAY-E
-(笑)Mikeは「アルバムの半分の曲を書き上げた時には、メンバーみんなは素晴らしいアルバムだっていう確かな手応えがあったんだけど、でも僕らは制作のすべての段階で自問自答していた。たくさんの葛藤と自己不信が作業過程にはあったんだけども、最終的に自分たちが誇れるものを手に入れたと思っているんだ」と語ってくれましたが、その「あなた方自身に内在する葛藤」とは具体的にどのようなことだったのですか?
N:『When The World Comes Down』を制作するにあたって、やはり前作よりも良いものを作らなくてはいけないという気持ちが強かったんだ。その為に、曲作りにも2年間という長い時間をかけたんだからね。だけど、途中でだんだんと煮詰まってくるんだよ。そうやって方向性も見えなくなってしまった時に、プロデューサーのEric Valentineが客観的なアドバイスをしてくれて助けてくれたこともあった。
T:もともと一つの井戸から水を汲み上げていたものが、今回のレコーディングでは、桶を持って行ってさらに別の井戸から水を汲み上げてきているような感じだったんだ。それまでの心地よさを抜け出して、新しい自分たちを表現したいという気持ちが表れているんだと思う。
M:前作までは「お前らはまだまだだな!」という風にダメ出しをしていたスタッフ達が、今回は「いいんじゃない?その調子で頑張れよ」って言ってきたんだ。彼らが本心で言っていることなのか、僕らには全く分からなくて、僕らが作った音楽が全く響いていないんじゃないかと不安になったこともあるよ。
T:うん。今回は、自分たちでバンドにプレッシャーをかけたんだ。前作よりもっといいものを作らなきゃいけないんだ、ってね。
N:前作「Move Along」の制作も大変ではあったけど「もっといい曲が書けるはずだ」って周りに言われ続けて、僕ら自身はもう満足がいっていたのにそう言われて曲を書き続けて、その結果、ヒットしたシングル曲が生まれたからね。だけど本作ではみんなが歓迎してくれたから、それが逆に不安に繋がったんだよ。
-なるほど。通常6週間でレコーディングしていたのに対して今回は6ヶ月もかかったそうですが、レコーディングの手法も前作と比べ大きく変わったんでしょうか。
M:うん。レコーディングは、これまでと全く違うアプローチを取ったよ。9割をアナログのテープに録音したんだ。だから6週間が、今回は6ヶ月になっちゃったんだよね。コンピューターにパートを入れて、そこで切り貼りしていくんじゃなくて、僕ら自身の音楽をそのままアナログに録音していく手法に、今回はすごく拘ったんだ。はじめにプロデューサーのEric Valentineに「僕らは今回テープで録音したいんです」って言ったら、「俺はテープでしか録音しないぞ。大変だけど、君たちはそれでいいのか?」なんて逆に聞かれたよ。だけど、その分遣り甲斐もあると思って、今回はこの手法を取ったんだ。
N:だけど僕ら、Ericのテープ・マシーンを壊しちゃったんだよね。
T:俺たちの曲が熱すぎたからね!
一同:爆笑
T:エリックは、細かい作業にこわだる人なんだ。彼の緻密な作業に俺たちも応えるように、俺たち自身も良いものを目指したよ。レコーディングをしていた6ヵ月間は、本当に濃密だった。俺たち自身も最高のアルバムが出来上がったと思う。レコーディング・スタジオに入って、その場で浮かんだアイデアを大切にしたから、時間はとてもかかったけど。
M:今回は、レコーディングをした実感が持てる経験をしたと思う。例えば、家で練習して、スタジオ代のことを気にしながらレコーディングをして、家に帰ってから聴きかえす、みたいな作業じゃなくてね。バンドとして、こういう経験が出来たのはすごくよかったと思っているよ。
-日本盤のボーナストラックで、Mihimaru GTのhirokoとコラボレーションされておりますが、彼女を知った経緯は?
T:そうだな、日本のポップ・カルチャーは意識してはいたよ。日本で人気のある彼女に参加してもらうことで、日本のリスナーからも親しみが沸いてくれると思ったしね。日本だけの特別なものを提供したいという気持ちもあったし、日本のポップ・カルチャーに僕らの存在を知ってもらいたかったのさ。