DISC REVIEW
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『Dookie』の発表から30周年、『American Idiot』から20周年というメモリアルな年に新たな傑作が誕生した。先述の2枚にも参加したプロデューサーのRob Cavalloと久しぶりにタッグを組んだ本作は、あるべき姿へと立ち返ったエネルギッシュで痛快なパンク・サウンドと、社会問題への鋭くユニークな風刺が光っている。他方でWEEZERとのツアーから影響を受けたかのようなパワー・ポップを鳴らすTrack.3や、ドリーミーなTrack.10など近作で見せてきた遊び心も忘れていないし、亡き父に捧げた「Wake Me Up When September Ends」から20年を経て息子への愛を歌うTrack.13のドラマにも胸を打たれる。これまでの歩みを称えると同時に、その精神を次世代へと受け継ぐような作品だ。 菅谷 透