DISC REVIEW
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前作から5年以上の歳月を経てリリースされた今作。1stアルバム『Page Avenue』(2003年)と対になるようなアートワークからも、デビュー20周年という節目を感じる作品だ。先行シングルでもあるタイトル・トラックは、バンドの持ち味を最大限に注ぎ込んだ象徴的なナンバー。アコースティック・ギターとエモーショナルなヴォーカルをツカミに、そこからヘヴィな展開、ひと息入れてから疾走感の爆発するサビに一気に突き進むという劇的なサウンドで、アルバムの冒頭を飾るに相応しい1曲となっている。他にも、美メロとスクリームの絶妙なバランスで様々な感情が渦巻く楽曲、ポップなテイストの楽曲、しっとりと聴かせる楽曲など聴きどころ満載。さらに2000年代初頭のエモ/スクリーモ界隈の勢いを感じさせる箇所や、2000年代後半のポップ・パンクの雰囲気が漂う部分もあり、まさに彼らが活躍してきた時代そのものを象徴するような1枚となった。 山本 真由