DISC REVIEW
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無血革命では収まらず、たとえ血の犠牲を払うことになったとしても、彼らは譲れないもののために前進することを決してやめはしないだろう。各曲の詞の中に"赤"や"血"といったフレーズが散見される今作は、今年で10周年を迎えるアルルカンが、リアルにバンド存続を賭けて生み出した意思の塊そのものになるはずだ。楽器隊3人が作曲を個々に手掛けている点も音楽的には興味深いところではあるものの、今作では、奈緒(Gt)のサウンド・プロデューサーおよびエンジニアとしての手腕が、劇的に向上していることにも注目されたし。知ってしまった人。知ろうとする人。知らずに来た人。知ろうともしない人。様々な人々が行き交う世を俯瞰しながら、彼らが「STIGMAS」に込めて表明する真理と真意はどこまでも克明でしかない。