MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

アルルカン

2022.02.09UPDATE

2022年02月号掲載

アルルカン

メンバー:暁(Vo) 奈緒(Gt) 來堵(Gt) 祥平(Ba) 堕門(Dr)

インタビュアー:藤谷 千明

2010年代以降のヴィジュアル系インディーズ・シーンを牽引してきたアルルカン。2013年の結成から8年が経過し、昨年は"DAIGOFEST vol.13"など、これまでとは違ったフィールドのイベントに出演したり、あるいはヴォーカルの暁が折に触れて"武道館"のような具体的な目標を口にしたりと、スタンスの変化を感じている。ニュー・アルバム『MONSTER』は、そんなバンドの変化や勢いを切り取ったような1枚になっている。

-激ロックのインタビュー初登場になるアルルカンですが、2010年代以降のインディーズ・ヴィジュアル系シーンにおいてある種の"台風の目"というか、シーンの中で常に注目され続けていた存在だと認識しています。そんななか、昨年12月に吉祥寺CLUB SEATAにて開催された"DAIGOFEST vol.13"ほか、これまでとは違ったフィールドのイベントに出演するなど、スタンスの変化を感じます。この激ロックという媒体への出演もその意識の表れなのかと。みなさん自身は、現在のバンドをとりまく状況をどのようにとらえているのでしょうか?

奈緒:激ロックに出たからヴィジュアル系をやめるわけではなくて、あくまでヴィジュアル系バンドとして、"ヴィジュアル系というカッコいいジャンルがあるんですよ"と、それをまだ知らない、聴いたことがない人たちに向けてアピールしていきたいんですよ。

-アルルカンというカッコいいバンドがいるぞ、と。そして、暁さんはここ最近様々な場所で"武道館を目指す"と宣言しています。あまり具体的な目標を口にする印象がなかったので、その変化に少し驚いています。

暁:今のアルルカンの状態なら、行けるなと思ったので、言っちゃいました。バンドを8年もやっていると、いろいろうまくいかないことや面白くないことも出てくるんですよ。でも、今が一番バンドをやっていて面白いなと思えてて。それはやっぱり前へ進もうと挑戦して生まれてる意識だなっていう確信があって。今まで目標みたいなものに自分自身興味がなかったけれど、メンバーもお客さんもどこを見ているのかわかりやすくなるというか、それがいいなと思って。

來堵:暁からの発信ではあるんですけど、僕らも夢見ていたことだし、やっぱり音楽をやっているなかで、自分自身もリスナーとしていろいろ音楽を聴いたりするけれど、なんとなくこういったご時世もあって"夢がないな"と感じちゃうこともあって。そんななか、自分たちが夢を見る、叶えようとすることで、それを見ている人たちも夢を見てくれるかもしれない。それがいいなと思ったんです。

祥平:武道館という目標を決めて進むなかで、周りは常に変化しているし、僕もそれに応えるように一歩踏み出せるようになった。例えば制作面においては、昔と比べて歌詞や曲も書くようになったし、みんなも自分もちゃんと前に出ている感じがありますね。

-これはあくまで外部から見ている私のイメージなのですが、結成当初のアルルカンは、暁さんをアイコンにして、それを4 人が支えているような印象を持っていました。歌詞は暁さん、曲は主に奈緒さんが手掛けていました。現在はそれぞれが楽曲制作に参加して、少しずつ形を変えてきている。どこかの段階で意図的に変えたのか、あるいは徐々に変わっていったのでしょうか?

奈緒:"徐々に"が正解なんですけど、昔みたいに暁をめちゃめちゃ前に出すようなことはしていないものの、結局やっていることはそんなに変わっていないし、担ぐ神輿は変わっていないわけで。各自が力をつけていった結果こうなっているだけで、最終的なバンドの方向性、どんなバンドにしたいのかは同じ方向に定まっていると思うんです。

-それこそ奈緒さんは、数年前はもっと後ろで構えている印象がありました。こういったインタビューやライヴのMCでも少し発言を控えているような。

奈緒:そうですね。ライヴのMC中は、僕らは後ろ向いて、みんなは暁の言葉を聞いてほしいので、"我々は木になる"みたいなことを言っていましたね(笑)。最近は全然違いますね。喋りたかったら喋るし。そういう暗黙の決めごとがどんどんなくなっている、それは結構大きな変化かもしれない。音楽にしてもステージでのあり方にしても、自分がどういう人間なのかが出てくるようになった。

堕門:アルルカンを通して自身の進化がすごくわかるようになって。みんな好きなことにまっすぐだから進化のスピードがもっと早いというか。それが今でもずっと続いているような感じだと思うんです。

-再び昨年のアルルカンの話をさせていただくと、11月にZepp Haneda(TOKYO)で開催された"束の世界-SONOSEKAI-"は、ヴィジュアル系シーンで活躍する上の世代や同世代、そして若手バンドを一堂に会するようなイベントでした。外のフィールドに出ていこうとする一方で、シーンへの使命感みたいなものもあったのでしょうか?

暁:(何かを行うための)理由を大きくすると、いろいろと意味がぼやけるというか、ポジション・トークになりうるじゃないですか。だからあんまりそういうのは好きじゃなかったんですけど、最近は"悪くないな"と思うようになってきた。冒頭の話に繋がるけど、ジャンルが分かれていること自体は別に悪いことではないじゃないですか。カテゴライズされているからこそ、わかりやすいし、お客さんも見つけすい。俺らもその中で育ってきたし、むしろそれが楽しいくらいやったし。そういう感じでやってきた。そのうえで、コロナ禍の影響もあって、改めて自分らのやっていることに向き合うなかで、"もっとたくさんの人に聴いてほしい"みたいな思いが、一気にバーンと開花した感はあります。

-そういう思いは2月9日発売のアルバム『MONSTER』を聴いても伝わってきます。どのくらいの時期から制作を始めていたのでしょうか。

奈緒:9月くらいですね。

-当初から完成形は見えていましたか?

奈緒:全然です(笑)。"作ろうか"、"何からやる?"くらいのノープランでスタートして、"パンチのある曲欲しいよね"みたいな感じで表題曲を決めて、作りたいものだけ決めて発進していった。自分たちの今の衝動だけでどこまで行けるんだろうと楽しみながら作っていきました。その結果スケジュールが押しに押して大変だったんですけど。

暁:奈緒は大変だったよなぁ。僕も大変といえば大変だったけど、時間がかかったぶん背伸びしないと見えないところまで見えたし、やりたかったことができたっていうか。アルバムはこれで4枚目なんですけど、"前と比べてどこがいい"とかじゃなくて、今言いたいことをちゃんとパッケージングできたのが大きいかなぁ。

-暁さんのヴォーカル・スタイルも幅が広がったというか。

暁:「MONSTER」のポエトリー・リーディングも含めて、頑張りはしたんですけど、もうちょっとできるようになりたいです。