DISC REVIEW
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デビュー・アルバム『Swan Songs』(2008年)以来、一貫してラップコアという音楽性にブレることなく、コンスタントに作品を発表し続けているHOLLYWOOD UNDEAD。世の中的にはラップコアやニューメタルのブームがむしろ落ち着いていた時期に、ジャンルの可能性を広げ、シーンを牽引してきた彼らの功績は大きい。今作は、2000年代初頭のニューメタル・バンドの尖っていた感じと、ハードコアの硬派な雰囲気がありつつ、近年のロックに回帰したポップス、ヒップホップ・シーンのクロスオーヴァーなサウンドをきっちり捉えている。懐かしさもありつつ、今っぽくてクールな作品だ。時代が1周巡って、彼らに追いついてきたと言っていいだろう。もちろん、ヘヴィなラップ・ミュージックというだけでなく、彼らの大きな武器のひとつでもあるエモーショナルなメロディも、ジャンルにとらわれず普遍的な魅力を持っている。 山本 真由