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FEATURE

HOLLYWOOD UNDEAD

2022.08.05UPDATE

ヘヴィで洒落た、ニュー・ジェネレーション・ロック・サウンド! LAのやんちゃボーイズ HOLLYWOOD UNDEAD最新作!

Writer 山本 真由

LAのラップ・ロック・バンド HOLLYWOOD UNDEADが、ニュー・アルバム『Hotel Kalifornia』をリリースする。ニューメタルやラップコアが盛り上がった2000年代初頭のシーンから飛び出し、強烈な個性で瞬く間に人気バンドの仲間入りを果たした彼ら。
そんな彼らも結成から15年以上の月日を経て、成熟したサウンドでクロスオーヴァー・ロック・シーンを牽引する存在となった。新アルバムは、これまでHOLLYWOOD UNDEADというバンドが歩んできた、決して平坦ではないその道程の価値をしっかりとリスナーに伝えることができる作品だ。
そこで、今回は彼らの歴史や、そのサウンドの特徴について今一度確認しておこうと思う。

もともとは、J-DOG(MC/Gt/Key/Ba)とDEUCE(Vo/Ba)、Shady Jeff(MC/Prog)の3人で楽曲制作をして、MySpace(今となってはもう懐かしい存在だが、当時は音楽を聴く人のSNSと言えばMySpaceだったのだ!)に曲を上げていたところから始まった。高評価を得た彼らは仲間を増やし、7人体制の大所帯となる。間もなくして初期メンバーのShady Jeffは脱退するのだが、そのあと2008年にデビュー・アルバム『Swan Songs』をリリースすると、瞬く間に人気バンドの仲間入りを果たしたのだ(後にデビュー作は全米で100万枚以上を売り上げプラチナ・ディスクとなる)。

日本でも国内盤がリリースされ、その"EMINEM meets LIMP BIZKIT"とも評されたヘヴィだが入り込みやすいノリの良さを持った彼らの音楽は、ロック・クラブ・カルチャーを中心に大いに受け入れられた。そして、翌2009年には"SUMMER SONIC 09"にて初来日も果たしている。このとき、メンバーはライヴ用の口元が開いたマスクを被っていたのだが、あまりの暑さのせいか、普通にマスクを取ってしまったので驚いた(笑)(今思うと、そのあと素顔で活動していくための布石だったのかもしれない......マスクは売れるための話題づくりとか、策士か!)。 そのあと、初期メンバーのDEUCEが脱退するが、バンドは新しいヴォーカリスト DANNYを迎え、2ndアルバム『American Tragedy』(2011年)をリリース。エモーショナルなメロディが前面に出た「Hear Me Now」などのヒット曲も生まれた。そのあとも2~3年に1作というペースでコンスタントにリリースを重ね、着実にファン・ベースを築いていく。

2017年に、長年バンドを支えたDA KURLZZ(MC/Dr/Per)が脱退してしまうが、それでもバンドは歩みを止めず2020年には、連作『New Empire Vol. 1』と『New Empire Vol. 2』を発表する。よりバンド・サウンドを重視し、エモーショナルな表現にも磨きがかかった作品で、Benji Madden(GOOD CHARLOTTE/Gt/Vo)や、Kellin Quinn(SLEEPING WITH SIRENS/Vo)といった豪華ゲストも話題となった。

彼らの最大の魅力は、ひと言で言ってしまえば、そのセンスの良さだ。ラップは飾りではなく、しっかりと存在感があるし、ヘヴィなバンド・サウンドもどんどん魅力を増している。そして、気持ちのいいコード進行とそこにキャッチーなメロディが合わさることで絶妙なバランス感覚のHOLLYWOOD UNDEAD節ができあがるのだ。全員がヴォーカルを取るというのがすごい。それぞれのメンバーが個性的をぶつけ合って、まったく打ち消し合わないというのもすごい。それが彼らの強みでもある。

そして、ニュー・アルバムの『Hotel Kalifornia』。本当に、これはヤバい作品だ。何がヤバいかって、なんかすごく懐かしい! そして、不思議とちっとも古臭くない。むしろ、今っぽくてクールなのだ。2000年代初頭のニューメタル・バンドの尖っていた感じと、ハードコアの硬派な雰囲気がありつつ、近年のロックに回帰したポップス、ヒップホップ・シーンのクロスオーヴァーなサウンドをきっちり抑えている。しかも歌が上手い。そして、例のごとく全員歌うので層が厚い。ラップもコーラスも畳み掛けるようにどんどん入ってくる自由度の高さはHOLLYWOOD UNDEADのようなバンドだからこそ成せる業。

もし、デビュー作の『Swan Songs』以来にHOLLYWOOD UNDEADを聴く人がいたら、驚くんじゃないだろうか。それくらいに、彼らの表現力は進化している。もちろん、ファンならば歓喜間違いなしの内容だ。そして、この記事を読んで"HOLLYWOOD UNDEADってなんぞや?"と思った人には、ぜひ『Swan Songs』からの『Hotel Kalifornia』を聴いてもらいたい。きっと"いいね!"から"なんだこれ好き!!"になってくれるんじゃないかと思う。
ライヴで観られる日も近いと信じて、ぜひこの夏のプレイリストに入れておこう!


Hollywood Undead - CHAOS (Official Music Video)


Hollywood Undead - City Of The Dead (Official Music Video)


▼リリース情報
HOLLYWOOD UNDEAD
ニュー・アルバム
『Hotel Kalifornia』
Hotel-Kalifornia-Hollywood-Undead.jpg
2022.08.12 ON SALE!!
amazon TOWER RECORDS HMV
[BMG]


1. Chaos
2. World War Me
3. Ruin My Life
4. Hourglass
5. Go To War
6. Alone At The Top
7. Wild In These Streets
8. Dangerous
9. Lion Eyes
10. Trap God
11. Happy When I Die
12. Reclaim
13. City Of The Dead
14. Alright

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