DISC REVIEW
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硬派でアグレッシヴな音楽性だけでなく、その社会派なアティテュードまで結成以来ブレることなく自らのスタンスを貫いてきた、ジャーマン・メタルコアの絶対的存在であるHEAVEN SHALL BURN。"Of Truth"と"Of Sacrifice"の2枚組アルバムとして発売される彼らの新作は、バンドの哲学と信念を100分近くの爆音に凝縮したような壮絶な作品に仕上がっている。19曲の中にメロデス、ハードコアをはじめ、ブラック・メタルやゴス、インダストリアルなどの音楽的ルーツをすべて提示しつつ、"これぞHSB"という一本筋の通った重厚で苛烈なサウンドにまとめあげた手腕は流石。バンドの集大成的作品にして、名作ばかりのディスコグラフィの中でも最高傑作と言えるだろう。 菅谷 透