DISC REVIEW
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RACER X、MR.BIGと輝かしいキャリアを積み上げ、ソロ・アーティストとしても精力的に活動しているPaulGilbert。前作から3年ぶりとなる新作は凄腕のミュージシャンを集め、オーバー・ダブを排除したライヴ感溢れる極上のインスト作品に仕上がっている。冒頭曲「Havin'It」はいきなり7分台の曲調ではあるが、鍵盤を取り入れ、羽毛のごとく軽やかに舞うギター・サウンドが心地いい。メタルとは言い難いが、MR.BIGのメロディアスな側面が大好きな人は十二分に楽しめる内容と言っていい。Paulの歌心溢れるギター・プレイに身を委ねているだけで、心の中に爽やかな風が吹き抜けていくよう。確かなテクニックがありつつ、それに溺れることなく楽曲至上主義を貫いた力作である。 荒金 良介