DISC REVIEW
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スケール感のあるキャッチーなサウンドが、ここ日本でも人気の男女ツイン・ヴォーカル・ラウドロック・バンド、SKILLET。彼らの記念すべき10作目となるアルバムが完成した。前作でいろいろなことに挑戦し、ポップで開けた音楽性を打ち出した彼らだが、今作はそこからさらに深いところに入っていくような印象だ。多くのファンが期待する、ヒット作『Awake』のSKILLETイズムを継承するような、メロディアス且つヘヴィなナンバーもあり、ここ数年で彼らが開拓してきたダンス・ミュージックやR&Bの要素を取り入れたポップで汎用性の高い楽曲もバランスよく収録されている。ゴリっとしたクールなリフやパワフルなリズムにはテンションが上がるし、よりエモーショナルにリスナーの感情に語り掛けるように響いてくるコーラスはじっくり聴いていたい。今作はそんな彼らの多面性が、アルバムという形式に凝縮され、ひとつとなっている。 山本 真由