DISC REVIEW
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冒頭を飾る「OUTSIDE CREATURE」から引き込まれる。神聖なパイプオルガンの導入を経て、ハードコア風ヴォーカルで攻め立て、パンキッシュにしてドラマチックな楽曲により強烈な個性を叩きつける。メジャー第1弾フル・アルバムになる今作は再録、新曲2曲という内容だが、改めてSiCXというバンドの魅力を浮き彫りにした楽曲が並ぶ。ツアーを経て、バンドはひと回りもふた回りも成長を遂げたようで、それが各曲のアレンジにも実を結んでいるのだろう。今作はプログラミングによる華やかな音色を際立たせる一方で、生々しくもストレートな演奏力も聴きどころだ。耳をとらえるキャッチーさとボトムに響くヘヴィさに加え、1曲1曲が確固とした世界観を構築している。聴くたびに発見がある快作だ。 荒金 良介