INTERVIEW
SiCX
2017.07.20UPDATE
2017年07月号掲載
Member:SHO(Vo) Katsuhiko(Gt/Prog) YU-$UKE(Gt) CHIKARA(Ba) KEIICHIRO(Dr)
Interviewer:荒金 良介
SiCXのメジャー第1弾フル・アルバム『INITIUM』(読み:イニティウム)は、パンク、ラウド、ヒップホップ、ミクスチャーなど、メンバー5人の人間性や音楽的ルーツが注入された会心作に仕上がっている。今作は神聖なドラマ性がある一方で、生々しいバンド感も封じ込めた、現時点での最高傑作と言えるクオリティだ。今作は再録、新曲で構成された内容だが、改めてSiCXというバンドを知るためには打ってつけの楽曲ばかり。音像、歌詞の両面から光と闇のコントラストを見事に描ききった今作について、メンバー5人に直撃!
-今作はメジャー第1弾フル・アルバムになりますね。従来のSiCXらしいストリート感はそのままに、プログラミングによるゴージャス感も増しつつ、ドラマチックな曲調が多いなと。
Katsuhiko:自分たちの持ち味をさらに出そうと思って、全体的にドラマチックな仕上がりになったと思います。同期を増やしたり、以前の楽曲もリアレンジしたり、歌詞も変えたりしてますからね。ギターのフレーズもかなり違うし、結構緻密に作りました。
YU-$UKE:そうだね。レコーディング当日に変えた部分もあるし(笑)。
CHIKARA:再録、新録とあるけど、歌詞も一新しているので、ほぼ新曲みたいな気持ちですね。
-その意味でも、前作(2017年1月リリースの1st EP『Unholiest Night』)の2曲がかなりキーになってます?
Katsuhiko:そうですね。そこから新しく変化していることが多いから。
YU-$UKE:今回、完全な新曲は「OUTSIDE CREATURE」(Track.1)、「Room #100」(Track.2)の2曲だけだもんね。
KEIICHIRO:最初は1曲目の「OUTSIDE CREATURE」をYU-$UKEが持ってきたんだよね?
YU-$UKE:この曲は狙って1曲目にしたかったんです。
-「OUTSIDE CREATURE」は特にインパクトがありました。
YU-$UKE:今までは曲を作るうえでいろんなものを取り入れようとしていたけど......この曲はやってそうでやってなかったSiCXのストレート感をめちゃくちゃ詰め込みました。
SHO:トラックをもらったときも、曲のコンセプトが攻撃的な感じだったんで、自分がハードコアから影響を受けた部分も反映したくて同世代で日本語で怒りをぶつける人がいないなと思って。2番のAメロは全部日本語にしました。
YU-$UKE:サビの広がる感じはSiCXっぽいしね。
SHO:まじピカイチだと思った!
Katsuhiko:自分で言うねぇ(笑)。
YU-$UKE:スタジオでも"早くやろう! 早くやろう!"と言ってたもんね。
SHO:すげぇのできたから。自分たちでもワクワクしました。
-YU-$UKEさんが言っていた、やってそうでやってなかったストレート感とは?
YU-$UKE:ストレートだけど......なんていうか。
Katsuhiko:同期を入れたり、ギター・フレーズをふたりでごちゃごちゃ弾いたりして、激しくしていたところがあったけど。逆にシンプルにして、ベタでもいいから、パンクやミクスチャーのまっすぐさだったり、日本語でハードコアをやったり......90年代の音楽を聴いてきた俺らはそれがど真ん中なんですよ。こんなにストレートで大丈夫かなと思ったけど、やってみようと。
-ストレートですけど、SiCXなりのミクスチャー感は出てますもんね。
Katsuhiko:そうなんですよ! メンバー同士でSiCXっぽさがわかるようになったから、逆にストレートなことができるのかなと。
SHO:ツアーがでかい気はしますね。
Katsuhiko:ライヴで進化したところもあるからね。
YU-$UKE:「Taking hope」(Track.10)もいい意味で進化してるもんね。それもツアーをやってないと、そうならなかったと思う。
Katsuhiko:ライヴでお客さんの反応を見つつ、ここでもっとこういうふうに感動させたいと思って、構成を変えたところもあるんですよ。あと、今回は日本語の割合も増えてますからね。
-よりリスナーに届けよう、という意識が強くなってる?
YU-$UKE:それが一番っすね。自分たちだけでやってるわけじゃないから。
Katsuhiko:今回は周りの人にも素直に相談したし、表題もそうだけど、ここから始めようという気持ちはありますね。ここからバンバン行こうぜ! って。