DISC REVIEW
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過去2枚の傑作メロデス盤を生み出し界隈で話題となったSERPENTの頭脳Keija(Dr/Key)率いるメロデス・バンドによる2ndアルバム。ギターとベースが制作中に脱退するという大打撃を被るが、MiKu(Vo)とIzo(Gt)の加入でその危機を乗り越え完成させた今作は、そんなダメージを微塵も感じさせないほど鮮やかにその世界観を描ききっている。泣きのギターが印象的なTrack.2を始め、舞踏会をイメージしたという壮大でクラシカルなTrack.5、この手のバンドにしては珍しく美しいピアノが誘うバラード風のTrack.6など、そのすべてにおいて一貫した哀愁美で構築された芸術そのもののような出来映えである。北欧メロデス好きにはたまらない泣きメロが詰まりまくった1枚だ。 今谷 重治