DISC REVIEW
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メロディック・デスの雄、Veiled in Scarletが3rdアルバムを完成。これまでライヴ・サポートを務めてきたShin(Vo)を正式メンバーに迎え入れ、バンドの地盤を固めたうえで制作された意欲作と言っていいだろう。メロデス特有のエクストリームさはもちろん、哀切なメロディ・ライン、クラシック音楽を経由したドラマチックな曲展開にも磨きをかけ、映画のサウンドトラックにも通じる映像喚起力の高い楽曲世界を構築している。メンバー自身も今作の出来映えには大きな手応えを感じているようで、今後の指針となる1枚とも言えるのではないだろうか。全10曲を聴き終えたあと、どんな心模様になるかは人それぞれだが、作品トータルでねじ伏せる説得力に長けた作風だ。メロデス好き以外にも聴いてもらいたい。 荒金 良介