DISC REVIEW
-
打ち込みを用いたインディーズ時代の楽曲を生ドラムを含めたバンド・サウンドにより、新たな息を吹きかけた再録ベスト・アルバム。メジャー2発目というタイミングでベスト盤という大胆不敵なアプローチも天狗らしいが、その中身は音楽と誠実に向き合う彼らのスタンスが滲み出た仕上がりになっている。生音とデジタル音とのバランスも良く、楽曲の良さもさることながら、メンバーひとりひとりの温度感が伝わるプレイも聴きどころと言えるだろう。インタビュー時にアレンジはまったく変えてないと言っていたが、ライヴ経験を通過したサウンドは自然と躍動感が増幅されている。そして、注目の新曲「Don't Mind」、「SNIPER」の2曲はどちらもヘヴィさが強調された楽曲で、踊れるポップ性も兼ね備えている点もポイントが高い。 荒金 良介