DISC REVIEW
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以前よりそのバカテクっぷりを遺憾なく発揮し、リリースの度にリスナーを驚かせてきたPROTEST THE HEROの4thアルバムは、これまでのどの作品よりも更にバカテクで、スピード感とメロディに満ち溢れた超強烈な作品となった。デビュー・アルバム『Kezia』の衝撃を余裕で上回る、とんでもない完成度とテクニカルな演奏の連続、多彩な展開が次から次へと繰り出され、息をつく間さえ与えてくれないほどに充実している。それもこれも“アルバムの制作費はレーベルが出す”という常識を取り払い“ファンから資金を募集して制作する”という制作方法の大きな変更により、バンドが作りたいサウンドを納得行くまで追求できた結果だろう。ファンの期待をアルバムの制作前からひしひしと感じながら作品を作っていく過程というのはこれまでにない環境になったはず。クラシカルなメタル・サウンドと昨今の最新のマスコア、テックコアのサウンドが高度に入り混じる、PTHが全てを搾り出した新境地。全メタル・ファン必聴の1枚! 米沢 彰